応答問題で問われる力
ETSの公式情報に基づくと、新形式のリスニングは約29分の適応型で、次の4種類で構成されています。
- Listen and Choose a Response(短い発言に最も適切な応答を選ぶ)
- 会話
- アナウンス
- 授業形式の講義
音声は1回のみ流れます。応答問題では、次の力が求められます。
- 発言の意図をつかむ力:質問か、依頼か、提案か、感想か
- 自然な応答を選ぶ力:文法的に正しいだけでなく、会話として成り立つか
- 引っかけを見抜く力:発言と同じ単語や似た音を含む選択肢に惑わされない
ポイント:「何を言ったか」より「何をしてほしくて言ったか」を考えると、正しい応答が見えてきます。
発言の意図を5つに分けて考える
短い発言は、意図によって大きく5つに分けられます。自作の例で確認しましょう。
1. 情報を求める質問
- 発言:When is the assignment due?
- 自然な応答:By Friday at noon, I think.
2. 依頼
- 発言:Could you send me the notes from today's lecture?
- 自然な応答:Sure, I'll email them to you tonight.
3. 提案・誘い
- 発言:Why don't we study together in the library?
- 自然な応答:Good idea. How about after lunch?
4. 感想・報告
- 発言:I finally finished my research paper.
- 自然な応答:Congratulations! That must be a relief.
5. 困りごと・不満
- 発言:The printer on this floor isn't working again.
- 自然な応答:You could try the one in the computer lab.
特に注意したいのは、Why don't we...? が「なぜ〜しないの?」という理由の質問ではなく「〜しようよ」という提案だという点です。形と意図が一致しない表現を知っておくことが大切です。
よくある引っかけパターン
1. 同じ単語の繰り返し
- 発言:Did you register for the biology course?
- 引っかけ:Biology is my favorite subject.(biology が入っているが、質問に答えていない)
- 自然:Not yet. The system was down this morning.
2. 似た音の単語
- 発言:Is the lab open on weekends?
- 引っかけ:I left my laptop at home.(lab と laptop の音の似通い)
3. 間接的な答え
自然な会話では、Yes / No で直接答えないことがよくあります。
- 発言:Are you coming to the study group tonight?
- 自然な応答:I have to work until nine.(行けないことを間接的に伝えている)
4. 疑問詞とのずれ
- 発言:Where should I submit the form?(場所を聞いている)
- 引っかけ:By tomorrow afternoon.(時間を答えている)
疑問詞(who, when, where, why, how)を聞き逃さないことが、最も基本的な対策です。
会話の感覚を育てる練習法
1. 応答を自分で考える練習
短い発言を聞いたら、選択肢を見る前に「自分ならどう返すか」を一言考えます。自分で考えた応答に近い選択肢を選ぶと、引っかけに惑わされにくくなります。
2. 会話表現のストック
よく使われる応答の表現をまとめて覚えておきましょう。
- 同意:That makes sense. / Sounds good.
- 断り:I'm afraid I can't. / I wish I could, but...
- 確認:Do you mean...? / Are you sure?
- 提案:How about...? / You could try...
- 共感:That's too bad. / That must be frustrating.
3. 大学生活の場面を想像する
TOEFLの会話は大学生活を想定したものが多いと考えられます。授業、課題、図書館、寮、サークル活動などの場面で、どんなやりとりがあるかを想像しながら練習すると効果的です。
4. ドラマや学習者向け音声
北米の大学を舞台にしたドラマや、学習者向けの会話音声を聞き、短いやりとりを一時停止して「次に何と言うか」を予想するのも良い練習です。
1週間の練習メニュー
1日20分メニュー
- 月:意図の5分類(質問・依頼・提案・感想・困りごと)ごとに自作の発言と応答を2組ずつ作る
- 火:会話表現のストックを10個音読
- 水:学習者向けの会話音声を聞き、一時停止して応答を予想
- 木:公式サンプル問題や新形式対応の問題で応答問題を練習
- 金:間違えた問題を「意図の読み違い」「引っかけ」「聞き取れなかった」に分類
- 土:友人や家族と英語で短いやりとりの練習(オンライン英会話でも可)
- 日:1週間の復習
聞き取りの基礎も並行して
応答問題は音声が短いぶん、1語の聞き逃しが致命的になります。疑問詞や否定語(not, never, hardly)を聞き取る基礎的なリスニング力も欠かせません。毎日のディクテーション(短い文を書き取る練習)を5分加えると効果的です。
音の変化に慣れる
短い発言の聞き取りでつまずく原因の1つが、自然な会話での音の変化です。
よくある音の変化
- つながる音:Did you → 「ディジュ」、Could you → 「クッジュ」
- 弱くなる音:going to → 「ゴナ」、want to → 「ワナ」
- 消える音:next day の t がほとんど聞こえない
疑問文の出だし(Did you / Would you / Have you / Are you)がつながって聞こえると、疑問文の種類を取り違えてしまいます。
練習法
- 短い疑問文を音声で聞く
- 文字で確認して、どこがつながっているかに印をつける
- 音声をまねて自分でも言ってみる
自分で発音できる音は、聞き取りやすくなります。この練習はスピーキングのListen and Repeatにも役立つので、一石二鳥です。
よくある失敗と今日やること
よくある失敗
- 発言と同じ単語が入った選択肢を選んでしまう
- 疑問詞を聞き逃す
- Yes / No で答えていない自然な応答を不正解だと思い込む
- 1問を引きずって、次の問題に集中できない
適応型を意識する
リスニングも2段階の適応型なので、前半を正確に解くことが大切です。応答問題は1問が短いので、迷ったら自分が考えた応答に一番近いものを選び、すぐ次の問題に集中を切り替えましょう。
今日は、Why don't we...? / Would you mind...? / How come...? のような、形と意図がずれやすい表現を3つ調べて、自然な応答を自分で作ってみましょう。



