そもそもTOEFL iBTってどんな試験?
TOEFL iBTは、米国の非営利団体ETSが作っている英語の試験です。大学の授業や学生生活で必要になる英語力を、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能で測ります。
使われる場面は主に次のようなものです。
- 海外の大学・大学院への出願
- 大学の交換留学や奨学金の選考
- 日本の大学入試(英語外部試験として利用する大学がある)
英検やTOEICとの大きな違いは、「大学で学ぶための英語」に焦点を当てていることです。授業の講義を聞く、教科書のような文章を読む、授業の議論に参加する、といった場面が題材になります。改訂後は、お知らせやメールのような日常的な場面の英語も加わり、より幅広い使い方が問われるようになりました。
受験はパソコンで行います。全国のテストセンターで受けるほか、自宅で受けるHome Editionも選べます。どちらも問題と採点は同じです。
ポイント:TOEFL iBTは「留学先で英語を使って学べるか」を測る試験。単語や文法の知識だけでなく、それを使いこなす力が問われます。
2026年1月の改訂で変わった3つのこと
今回の改訂で押さえておきたい変化は、大きく3つあります。
① リーディングとリスニングが適応型に
リーディングとリスニングは、2段階の適応型になりました。前半の問題の出来具合によって、後半に出る問題の難しさが変わる仕組みです。よくできた人にはより難しい問題が、そうでない人には取り組みやすい問題が出されるため、一人ひとりの力をより少ない問題数で測れるようになっています。
② 問題形式が大きく入れ替わった
リーディングには単語の欠けた部分を補う問題や日常的な短文を読む問題が、リスニングには短い発言への応答を選ぶ問題やアナウンスを聞く問題が加わりました。ライティングには語句の並べ替えとメール作成、スピーキングには聞いた文の繰り返しと面接形式の問題が登場しています。
③ スコアが1〜6の帯(バンド)に
これまでの0〜120点から、1〜6の0.5刻みのスコアに変わりました。ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)との対応がわかりやすくなったのが特徴です。
この3つの変化によって、試験時間も以前より短くなりました。一方で、古い参考書やネットの体験談の多くは旧形式のままです。情報を集めるときは「いつの形式の話か」を必ず確認しましょう。
4セクションの構成と時間
新しいTOEFL iBTは、次の順番で行われます(時間と問題数は公式の目安で、適応型のため多少変わることがあります)。
- リーディング(約30分)――Complete the Words(単語の後半を補う)、Read in Daily Life(お知らせやメッセージなどの短文)、Read an Academic Passage(学術的な短めの文章)
- リスニング(約29分)――Listen and Choose a Response(短い発言への応答を選ぶ)、会話、アナウンス、授業形式の講義
- ライティング(約23分)――Build a Sentence(語句の並べ替え)、Write an Email(メール作成・約7分)、Write for an Academic Discussion(授業の議論への書き込み・約10分)
- スピーキング(約8分)――Listen and Repeat(聞いた文を繰り返す)、Take an Interview(録画の面接官の質問に答える・1問最大45秒)
受付などを含めて約2時間を見ておくよう案内されています。予定された休憩はないので、集中力を保つ練習も必要です。
いくつか知っておきたいルールもあります。
- リスニングの音声は1回しか流れない
- メモはすべてのセクションで取れる
- リーディングは、同じまとまりの中なら前の問題に戻れる
- 採点されない問題が含まれることがある(どれかはわからない)
採点されない問題があるからといって、手を抜いてよい問題はありません。すべてを本番として解くのが基本です。
スコアの仕組み:1〜6のバンドと0〜120換算
各セクションのスコアは1〜6の0.5刻みで出ます。総合スコアは、4セクションの平均を0.5刻みに丸めた値です。
公式に示されている対応の目安は次のとおりです。
- 6:0〜120換算で114以上/CEFR C2
- 5.5:107以上/C1
- 5:95〜106/C1
- 4.5:86〜94/B2
- 4:72〜85/B2
- 3.5:58〜71/B1
- 3:44〜57/B1
- 2.5〜1:43以下/A2〜A1
2026年1月から2年間は移行期間で、成績表には1〜6のスコア、0〜120相当のスコア、CEFRレベルの3つが並んで表示されます。大学の要件がまだ0〜120で書かれていても、比べやすいように配慮されているわけです。
スコアに関する基本ルール
- 公式スコアは受験後およそ3日でETSのアカウントに反映
- リーディングとリスニングは試験終了時に非公式スコアが表示される
- 有効期限は受験日から2年間
- 複数回受けた場合、各セクションの最高点を組み合わせた「マイベストスコア」も表示される
ただし、マイベストスコアを認めるかどうかは提出先しだいです。
受験料・申込・受験回数
日本での受験料は、試験日の7日前までの通常申込でUS$195と案内されています。直前の申込や日程変更、キャンセルには別の料金・条件があります。料金は改定されることがあるので、申し込む前に日本の公式サイトで最新の情報を確認してください。
申込はETSのアカウントを作ってオンラインで行います。気をつけたいのは次の点です。
- 登録する氏名は、当日持っていく身分証明書と完全に一致させる
- 受験回数に上限はないが、3日以内に続けて受けることはできない
- テストセンターは土日を中心に実施され、数か月先まで予約できる
- Home Editionは予約枠が多く、平日や夜の時間帯も選びやすい
出願の締切から逆算して、少なくとも2回は受けられるスケジュールを組んでおくと安心です。1回目で形式に慣れ、2回目で本来の力を出す、という考え方です。
日本の受験者が知っておきたいこと
日本で受験する人がつまずきやすいポイントを、いくつか先に紹介しておきます。
キーボードは英語配列
テストセンターで使うのは米国式(英語配列)のキーボードです。日本語キーボードに慣れていると、アポストロフィ(')やクォーテーション(")、コロン(:)などの記号の位置が違って戸惑います。ライティングで don't や it's を打つたびに迷っていては時間がもったいないので、練習のときから英語配列でのタイピングに慣れておきましょう。
自宅受験は条件を先に確認
Home Editionでは、自分でパソコン・カメラ・マイクを用意し、静かな個室で受験します。日本の公式サイトでは、身分証明書はパスポートのみと案内されています。試験監督とのやりとりは英語なので、パソコンの言語設定を英語にしておくことも勧められています。
「TOEFL」にはいくつか種類がある
学校で受ける「TOEFL」が、実はTOEFL iBTではない場合があります。
- TOEFL ITP――学校や企業などが団体で実施するテスト。個人では申し込めません。クラス分けや学内の選考などに使われます
- TOEFL Junior――11歳以上の生徒向けのテスト
海外の大学に出願するときに一般に求められるのはTOEFL iBTです。学内でITPを受けたことがある人も、出願用にはiBTが必要かどうかを提出先で確認しましょう。
情報は必ず公式で最終確認
受験料や申込の締切、持ち物のルールは変わることがあります。この記事の内容も2026年9月時点で確認したものです。申し込む前には、ETSと日本の公式サイトで最新の情報を確かめてください。
まとめ:まず何から始める?
新しいTOEFL iBTの要点をもう一度整理しておきましょう。
- 2026年1月21日から改訂版がスタート
- リーディング・リスニングは2段階の適応型
- スコアは1〜6の0.5刻み、移行期間は0〜120相当とCEFRも併記
- 試験全体は約2時間、休憩なし
情報がそろったら、最初にやることは3つです。
- 志望校の要件を調べる――総合スコア、セクションごとの最低点、Home Editionやマイベストスコアの扱い
- 公式のサンプル問題を解く――今の自分の位置を知る
- 受験日を仮に決める――締切から逆算して、2回受けられる日程にする
試験の姿が見えると、勉強の迷いがぐっと減ります。「何となく英語をがんばる」から「この形式でこのスコアを取る」へ。今日はまず、公式サイトのサンプル問題を1セクション分だけ解いてみましょう。



