新形式スピーキングの全体像
改訂後のスピーキングは約8分で、次の2種類のタスクで構成されています。
- Listen and Repeat(7問)――大学のキャンパスなどの場面で流れる英文を聞き、その文をそのまま繰り返す
- Take an Interview(4問)――録画された面接官の質問に答える。1問あたりの回答は最大45秒
どちらも、目の前に人がいる対面形式ではなく、パソコンに向かって話し、音声が録音されて採点されます。
以前のスピーキングは、文章を読んで講義を聞き、その内容をまとめて話すといった複雑なタスクが中心でした。新形式では、音を正確に聞き取って再現する力と、質問に対して筋の通った答えをその場で返す力に焦点が絞られています。
ポイント:「完璧な英語」より「伝わる英語」。はっきり、途切れずに、質問に合った内容を話すことが大切です。
Listen and Repeat:音をかたまりで捉える
このタスクでは、キャンパスの案内などの場面に沿って英文が流れ、それを聞こえたとおりに繰り返します。画面には場面を表すイラストが表示されます。
たとえば、図書館の案内という場面で、次のような文を聞くとイメージしてください(自作の例です)。
- Welcome to the main library.
- Quiet study rooms are on the second floor.
- You can borrow up to ten books at a time.
最初は短い文でも、だんだん長く、情報の多い文になっていきます。
うまく繰り返すコツ
- 単語ではなく意味のかたまりで覚える――「Quiet study rooms / are on the second floor」のように2〜3つのかたまりに分けて聞く
- 意味を理解しながら聞く――意味がわかっている文は、音だけを覚えるより再現しやすい
- リズムとイントネーションも真似る――強く読まれる単語、弱く読まれる単語の差を意識する
よくある失敗
冠詞(a、the)や前置詞(on、at)、複数形の s など、小さな音を落としてしまうミスです。意味は伝わっても、正確な再現という点では減点の対象になりえます。練習のときは、自分の録音と元の音声を比べて、落とした音がないかを確認しましょう。
Listen and Repeatの練習法:リピーティングとシャドーイング
このタスクの対策として最も効果的なのは、毎日のリピーティングとシャドーイングです。
リピーティングの手順
- 短い英文を1文聞く
- 音声を止めて、聞こえたとおりに声に出す
- スクリプトを見て、言えなかった部分を確認する
- もう一度音声を聞いて、同じ文を3回繰り返す
シャドーイングの手順
- スクリプトを見ながら音声と同時に読む(オーバーラッピング)
- スクリプトを見ずに、音声を少し遅れて追いかける
- 自分の声を録音して、元の音声と比べる
教材は、学習者向けの英語ニュースや、大学の案内動画、TOEFL対策動画の例文など、自分が8割くらい理解できるものを選びましょう。難しすぎる教材では、音を真似することで精一杯になり、意味のかたまりで捉える練習になりません。
1日10分でいい
このタスクは、短い時間でも毎日続けることが大切です。通学中に1文ずつ小声でリピートするだけでも、耳と口が少しずつ鍛えられていきます。
Take an Interview:45秒の答え方の型
このタスクでは、録画された面接官が、奨学金の面接や研究への参加など、ある場面設定の中で質問をしてきます。1問あたり最大45秒で答えます。
短い時間で筋の通った答えを返すには、型を持っておくと安心です。おすすめは次の3ステップです。
- 結論――質問に対する答えを最初に一言で言う
- 理由――なぜそう考えるのかを1〜2文で説明する
- 具体例――自分の経験や身近な例を1つ添える
回答例(自作)
質問:「大学生にとって、アルバイトの経験は大切だと思いますか?」
Yes, I think part-time work is valuable for university students. First, it teaches them how to manage their time, because they have to balance work and study. For example, when I worked at a café in high school, I learned to plan my homework schedule more carefully. So I believe the experience helps students become more responsible.
この回答は、結論→理由→具体例→まとめの流れになっていて、45秒ほどで話し切れる分量です。
型を使うときの注意
型に頼りすぎて、どの質問にも同じような答えを返すと、質問に合っていない印象を与えてしまいます。質問をよく聞いて、その質問に答えているかを常に意識しましょう。
45秒で話し切るための練習法
インタビュー形式に慣れるには、「質問を聞いてすぐに話し始める」練習を繰り返すことが一番です。
練習の手順
- 質問を1つ用意する(大学生活、勉強、テクノロジー、環境など身近なテーマ)
- タイマーを45秒にセットして、すぐに答え始める
- 録音を聞き直し、次の3点をチェックする
- 最初の一言で結論を言えたか
- 理由と具体例があったか
- 沈黙や言い直しが多すぎなかったか
- 同じ質問にもう一度答えて、1回目と比べる
話し始めのフレーズを持っておく
すぐに話し始められるように、使いやすいフレーズをいくつか決めておきましょう。
- I think ... because ...
- In my opinion, ...
- That's a good question. I would say ...
- One reason is that ...
- For example, when I was ...
ただし、フレーズをたくさん暗記するより、自分が自然に言えるものを数個使いこなすほうが効果的です。
よくある失敗
考えている間に黙ってしまい、時間が足りなくなるパターンです。完璧な答えを考えてから話すのではなく、まず結論を言ってから、話しながら理由を考えるくらいの感覚で練習しましょう。
本番で落ち着いて話すための準備
スピーキングは、パソコンに向かって話すという独特の環境で行われます。練習では話せるのに、本番では緊張して言葉が出てこない、ということも起こりがちです。
環境に慣れておく
- ヘッドセットで話す練習――本番と同じように、マイクに向かって話すことに慣れておく
- 周りの声に動じない練習――テストセンターでは、他の受験者が話す声が聞こえることがあります。にぎやかなカフェなどで小声でリピート練習をしてみるのも一つの方法です
- パソコンに話しかける練習――オンラインの録音ツールや対策アプリを使うと、画面に向かって話す感覚に慣れられます
言葉に詰まったときの対処
途中で言いたい単語が出てこないときは、止まらずに別の言い方で説明するのがコツです。たとえば「奨学金」を意味する scholarship が出てこなければ、money to help students pay for school のように言い換えられます。言い換えの練習は、ふだんから知らない単語を英語で説明するゲームで鍛えられます。
前のタスクを引きずらない
Listen and Repeatでうまく言えなかった文があっても、次の問題では気持ちを切り替えましょう。1問のミスより、最後まで落ち着いて話し続けることのほうが大切です。
1週間の練習メニューとまとめ
最後に、スピーキング対策の1週間メニューを紹介します。
平日20分メニュー
- 5分:短い英文のリピーティング(10文程度)
- 5分:シャドーイング(1分程度の音声)
- 10分:インタビュー形式の質問に2問答えて録音し、聞き直す
週末メニュー
- 1週間で答えた質問の中から2つ選び、もう一度答えて録音する
- 最初の録音と比べて、よくなった点と課題を1つずつ書く
スピーキングは、自分の声を聞き直すのが恥ずかしく感じるかもしれません。でも、録音を聞くことが上達への一番の近道です。今日はまず、スマホの録音アプリを開いて、「What do you like to do in your free time?」という質問に45秒で答えてみましょう。



