なぜ反論パートがあると説得力が増すのか
意見文で自分の主張だけを書くと、読み手は「でも、反対の立場もあるよね?」と感じることがあります。反論パートは、その読み手の疑問に先回りして答える部分です。
反対意見に触れることで、次のような効果があります。
- 公平に考えている印象を与える:一方的な主張ではなく、両方の立場を考えたうえでの結論だと伝わる
- 主張が強くなる:反対意見を示したうえで、それでも自分の立場が正しい理由を示せる
- 内容に深みが出る:理由を並べるだけより、議論が一段深くなる
ディベートの世界でも、相手の主張を予想してそれに答えることは基本の技術です。英作文でも、同じ考え方が使えます。
ただし、試験によっては語数が限られていて、反論パートを入れる余裕がないこともあります。短い英作文では主張と理由を優先し、語数に余裕がある場合や、より高い評価を目指す場合に取り入れるのがよいでしょう。
ポイント:反論パートは「相手の意見を否定する」場所ではなく、「相手の意見も理解したうえで、自分の立場を示す」場所です。
反論パートの基本の型:3ステップ
反論パートは、次の3ステップで組み立てます。
- 反対意見を示す:「〜と考える人もいる」
- 譲歩する:「確かにそれには一理ある」
- 反論する:「しかし、〜なので、やはり私の意見が妥当だ」
例文:「高校生はアルバイトをすべきか」(賛成の立場)
Some people argue that part-time jobs take time away from studying. It is true that working several evenings a week can make it harder to finish homework. However, if students limit their working hours, they can learn time management skills that will also help them study more efficiently.
分解すると次のようになります。
- 反対意見:アルバイトは勉強の時間を奪う
- 譲歩:確かに週に何日も働くと宿題が大変になる
- 反論:でも時間を制限すれば、勉強にも役立つ時間管理力が身につく
ここで大事なのは、反論が「反対意見に直接答えている」ことです。「勉強時間が減る」という意見に対して、「時間管理力で勉強の効率が上がる」と答えているので、話がかみ合っています。
使える英語表現集
1. 反対意見を示す
- Some people argue that ...
- It is often said that ...
- Opponents of this idea may claim that ...
- Others believe that ...
2. 譲歩する
- It is true that ...
- Admittedly, ...
- This may be the case in some situations.
- I understand why some people think so.
3. 反論する
- However, ...
- Nevertheless, ...
- Even so, ...
- This problem can be solved if ...
- This does not mean that ...
1文でまとめる形
語数が少ないときは、although や while を使って1文にまとめることもできます。
- Although some people say that online classes are less effective, I believe they can be just as useful if students have a clear study plan.
- While it is true that school uniforms can be expensive, they help reduce pressure on students to wear fashionable clothes.
1文にまとめると、20〜30語程度で反論パートを入れられるので、語数に余裕がない英作文でも使いやすい形です。
反論が弱くなるよくある失敗
失敗1:反論が反対意見に答えていない
- 反対意見:アルバイトは勉強の時間を奪う
- × 反論:However, part-time jobs help students earn money.
「お金が稼げる」は賛成の理由としては成り立ちますが、「勉強時間が減る」という反対意見には答えていません。反論は、反対意見のポイントに直接答えることが大切です。
失敗2:譲歩が強すぎる
- × It is true that part-time jobs are very bad for students' grades, and many students fail their exams.
譲歩で相手の意見を認めすぎると、その後の反論が弱く見えます。It is true that ... の後は、限定的に認める程度にとどめましょう(「週に何日も働くと」のように条件をつける)。
失敗3:反対意見を極端にする
- × Some people say that students should never do anything except study.
反対意見をわざと極端にして簡単に否定するのは、公平な議論とは言えません。実際にありそうな、もっともな反対意見を選びましょう。
失敗4:反論パートが結論より長い
反論パートはあくまで主張を補強するための部分です。長くなりすぎて、自分の理由よりも目立ってしまわないようにしましょう。
構成への組み込み方と1週間の練習メニュー
どこに入れるか
意見文全体の構成は、次の2パターンがよく使われます。
パターンA(理由のあとに入れる)
- 主張
- 理由1
- 理由2
- 反論パート
- 結論
パターンB(最初に反対意見を示す)
- 反対意見と譲歩
- 主張
- 理由1・理由2
- 結論
学習者にはパターンAが使いやすいでしょう。自分の理由をしっかり書いたあとに、「もちろん反対意見もあるが」と加える流れです。
1週間の練習メニュー
- 月:身近なテーマ(制服、スマホ、宿題など)を3つ選び、それぞれの反対意見を日本語で考える
- 火:月曜のテーマで、反対意見を英語で1文ずつ書く(Some people argue that ...)
- 水:それぞれに譲歩の文を足す(It is true that ...)
- 木:反論の文を足し、反対意見に直接答えているか確認する
- 金:3つのうち1つを although を使って1文にまとめる
- 土:パターンAで、反論パートを含む意見文を1本書く
- 日:書いた意見文を読み、失敗1〜4に当てはまっていないかチェックする
反論パートを書く練習は、自分と違う意見を理解する練習でもあります。まずは身近なテーマで、「反対の立場の人は何と言うだろう?」と考えるところから始めてみましょう。



