新形式リーディングの全体像
改訂後のリーディングは約30分で、次の3種類のタスクで構成されています。
- Complete the Words――文章の中で、単語の後半が欠けている部分を補う
- Read in Daily Life――お知らせ、メッセージ、短い案内文など、日常の短い文章を読んで答える
- Read an Academic Passage――大学の授業で読むような短めの学術的な文章を読んで答える
このセクションは2段階の適応型です。前半のまとまり(モジュール)の出来によって、後半に出てくる問題の難しさが変わります。また、同じモジュールの中であれば、前の問題に戻って見直すことができます。
公式の説明では、文章は簡潔にまとめられていて、答えに必要な情報はすべて本文の中にあるとされています。つまり、背景知識で答えるのではなく、本文に何が書かれているかを正確に読み取ることが求められています。
Complete the Words:つづりまで覚えた単語が武器になる
このタスクでは、文章の中でいくつかの単語の後半が消えていて、それを補って文章を完成させます。語彙力、スペル、文法、文脈を読む力が同時に試される問題です。
イメージをつかむために、自作の例を見てみましょう(実際の問題とは形式の細部が異なります)。
Many plants grow tow___ the light. Scientists call th___ behavior phototropism.
答えは towards(toward)と this です。前後の意味と文法から、どんな単語が入るかを判断します。
解き方のコツ
- 品詞を先に考える――前に冠詞があれば名詞、主語の後なら動詞、というように候補を絞る
- 文全体を読んでから埋める――1語ずつ止まるより、まず文の意味をつかむ
- よく使う短い単語を侮らない――this、which、because、although などの機能語もよく欠ける
練習法
単語を覚えるときに、意味だけでなくつづりを書けるかを確認しましょう。英文記事をコピーして、自分で単語の後半を消し、翌日に埋めてみる「自作虫食い練習」も効果的です。
よくある失敗
意味は合っているのに、語形を間違えるミスです。たとえば、複数形の s を忘れる、過去形にすべきところを現在形にする、形容詞と副詞を取り違える(careful と carefully など)といったものです。単語を補ったら、その文の主語や時制と合っているかを一瞬だけ確認するクセをつけましょう。
Read in Daily Life:目的と要点をすばやくつかむ
お知らせ、メール、掲示、短い案内文などを読むタスクです。英検やTOEICの読解に近い感覚で取り組めますが、スピードと正確さの両方が求められます。
読むときの3つの視点
- 誰が誰に向けた文章か――学生向けのお知らせ? 友人へのメッセージ?
- 何のための文章か――お知らせ、依頼、変更の連絡、勧誘など
- 読み手は何をすればよいか――締切、場所、持ち物、条件
たとえば、こんな掲示があったとします。
The campus gym will close at 6 p.m. this Friday for floor repairs. Members may use the pool as usual.
「何のための文章?」→ 閉館時間の変更のお知らせ。「読み手は何をすればよい?」→ 金曜の夕方以降はジムが使えないが、プールは使える。このように、読み終えたら一言で目的を言える状態を目指しましょう。
よくある失敗
本文にある単語がそのまま入った選択肢に飛びつくミスです。正解の選択肢は言い換えられていることが多いので、単語の一致ではなく意味の一致で選びましょう。
Read an Academic Passage:段落の役割を追う
大学の授業で読むような学術的な文章を読むタスクです。以前の形式に比べて文章は短めになっていますが、題材は生物、歴史、環境、心理など、専門的な内容が中心です。
読み方のコツ
- 各段落の最初の1〜2文に注目する――段落の要点が書かれていることが多い
- 論理の流れを示す言葉に印をつける――however、therefore、in contrast、for example など
- 知らない単語で止まらない――前後の文脈や、直後の言い換え・具体例から意味を推測する
たとえば、次の文を読んでみましょう。
Some desert animals are nocturnal; that is, they are active mainly at night.
nocturnal を知らなくても、that is(つまり)の後ろの説明から「夜に活動する」という意味だとわかります。学術的な文章には、こうした言い換えのヒントがよく含まれています。
設問を解くときは
本文の該当箇所に戻って根拠を確認するのが基本です。「たぶんこうだろう」という推測で選ばず、本文のどこにそう書いてあるかを指させる状態で答えましょう。
適応型と時間配分への向き合い方
適応型のリーディングでは、前半の出来が後半の難易度に影響します。そのため、前半のモジュールで丁寧に正確に解くことが大切です。前半で焦って取りこぼすと、後半で実力を発揮する機会を逃してしまいます。
時間配分の考え方
- 1問に時間をかけすぎない。迷ったら一度答えを選んで先へ進み、時間が残ったら見直す
- 同じモジュールの中なら戻れるので、見直したい問題は覚えておく
- 最後の問題まで必ず解答する
よくある失敗
後半の問題が難しく感じて「失敗した」と焦るケースです。適応型では、後半が難しいのはむしろ前半がよくできたサインかもしれません。目の前の1問に集中し続けましょう。
学術文に強くなる「背景語彙」の増やし方
学術的な文章が読みにくい原因の多くは、文法よりも分野ごとの語彙です。TOEFLの学術文では、自然科学から社会科学、人文科学まで幅広い分野が題材になります。すべての専門用語を覚える必要はありませんが、分野ごとによく使われる基本語を知っていると、読むスピードが大きく変わります。
分野別に単語をまとめる
単語帳の順番どおりに覚えるだけでなく、分野ごとにグループを作ってみましょう。
- 生物・環境:species(種)、habitat(生息地)、adapt(適応する)、predator(捕食者)
- 地学・天文:erosion(浸食)、sediment(堆積物)、orbit(軌道)
- 歴史・社会:settlement(定住地)、trade(交易)、civilization(文明)
- 心理・教育:behavior(行動)、perception(知覚)、motivation(動機づけ)
同じ分野の単語はいっしょに出てくることが多いので、まとめて覚えると文章の中で出会ったときに思い出しやすくなります。
日本語で背景知識を補うのもあり
英語で読んでピンとこない分野は、日本語の入門書や解説記事でざっくり背景を知っておくのも一つの方法です。内容のイメージがあると、英語の文章でも迷子になりにくくなります。ただし、試験では本文に書かれていることを根拠に答えるのが原則なので、知識で答えを決めないように注意しましょう。
1分でできる習慣
英文を読んで知らない単語に出会ったら、単語だけでなくその単語を含む1文ごとメモしておきます。文ごと覚えると、使われ方や一緒に使われる単語も自然に身につきます。
毎日できるリーディング練習メニュー
最後に、毎日30分でできる練習メニューを紹介します。
平日30分メニュー
- 5分:前日に覚えた単語を、つづりまで書けるかチェック
- 10分:短い英文(ニュースや掲示)を読み、目的を一言で言う
- 10分:学術系の短い文章を1本読み、各段落の要点を1行でメモ
- 5分:自作の虫食い問題を解く
週末メニュー
- 新形式対応の模試でリーディングを1セクション、本番の時間で解く
- 間違えた問題の「なぜ間違えたか」を一行で記録する
リーディングは、毎日読む量がそのまま力になるセクションです。今日はまず、英語のニュース記事を1本選び、段落ごとの要点を1行ずつ書き出すところから始めてみましょう。



