新形式リスニングの全体像
改訂後のリスニングは約29分で、次の4種類のタスクで構成されています。
- Listen and Choose a Response――短い発言を聞き、最も自然な応答を選ぶ
- Listen to a Conversation――学生同士や学生と職員などの会話を聞く
- Listen to an Announcement――アナウンスを聞く
- Listen to an Academic Talk――大学の授業のような講義を聞く
リーディングと同じく、2段階の適応型です。前半の出来によって後半の難しさが変わります。また、音声は1回のみ流れます。
以前の形式では長い講義を聞く問題が中心でしたが、新形式では短いやりとりから講義まで、さまざまな長さと場面の英語を聞き分ける力が問われます。
Listen and Choose a Response:一瞬で反応する力
短い発言を聞いて、それに対する自然な応答を選ぶタスクです。英検やTOEICの応答問題に近い感覚ですが、テンポよく判断する力が必要です。
自作の例で考えてみましょう。
"Do you know if the library is open on Sunday?"
自然な応答は、たとえば "I think it opens at noon." のようなものです。"Yes, I like reading books." のように、単語は関係していても質問に答えていない選択肢は不正解になります。
解き方のコツ
- 最初の数語に集中する――Do you、Why don't we、Could you など、発言の種類が最初の数語でわかる
- 遠回しな答えに慣れる――「知らない」「たぶん」「確認してみる」なども自然な応答になる
- 同じ単語や似た音に注意――発言にあった単語がそのまま入った選択肢は、ひっかけのことがある
練習法
英会話の短いやりとりを聞いて、「自分ならどう返すか」を声に出して答える練習が効果的です。
もう一つ自作の例を見てみましょう。
"Why don't we study together for the biology exam?"
これは「一緒に勉強しない?」という誘いです。自然な応答は "Sure, how about tomorrow afternoon?" や "Sorry, I've already made plans." などです。Why で始まっていても理由を聞いているわけではない、というように、決まった言い回しの意味を知っておくことが得点につながります。
会話とアナウンス:目的と次の行動を聞き取る
会話とアナウンスは、場面がはっきりしているのが特徴です。聞くときは次の3点を意識しましょう。
- 目的――なぜこの会話・アナウンスがあるのか(問題の相談、予定の変更、お知らせ)
- 問題点と解決策――何が困っていて、どうすることになったのか
- 次の行動――話し手や聞き手がこの後何をするのか
たとえば、学生が事務室で「登録したい授業が満員だった」と相談している会話なら、目的は授業登録の相談、問題点は満員、解決策は別のクラスや待機リスト、次の行動はフォームの提出、というように整理できます。
よくある失敗
細かな数字や固有名詞ばかりをメモして、話の流れを見失うパターンです。数字が問われることもありますが、まずは話の骨組みをつかむことを優先しましょう。
話し手の気持ちや態度を問う問題もあります。声のトーンや、Actually、Well、I'm not sure など、ためらいや意外さを示す言葉にも注意を向けましょう。
講義:構成を予想しながら聞く
授業形式の講義は、4つのタスクの中で最もアカデミックな内容です。生物、歴史、心理、天文学など、幅広い分野が題材になります。
講義には、よく使われる流れがあります。
- 導入――Today, we're going to talk about ...(今日のテーマ)
- 定義――X is basically ...(用語の説明)
- 具体例――For example, ... / Take ... for instance.
- 対比――On the other hand, ... / However, ...
- まとめ――So, the main point is ...
こうした合図の言葉(シグナルワード)を聞き取れると、講義の地図が頭の中に描けます。
講義のメモ例
講義のテーマが「砂漠の植物の水の保ち方」だったとします。メモは次のように、要点だけを短く書きます。
- desert plants → keep water
- ① thick leaves (store)
- ② deep roots (find)
- ex) cactus
完全な文で書く必要はありません。矢印や記号、略語を使って、後で問題に答えるための目印を残すイメージです。
メモの取り方:書きすぎないのがコツ
TOEFLではすべてのセクションでメモを取ることができます。ただし、書くことに気を取られて聞き逃してしまっては本末転倒です。
メモの基本ルール
- 聞く8割、書く2割のつもりで
- 単語は略す(because → b/c、example → ex、important → imp など自分のルールを決める)
- 話の流れを矢印(→)や記号(+、−、=)で表す
- 数字や固有名詞は、出てきたら素早く書き留める
練習のステップ
- まずはメモなしで聞き、内容を日本語で説明してみる
- 次に、キーワードだけをメモしながら聞く
- 最後に、メモを見ながら英語で内容を要約してみる
自分なりの略語のルールは、練習の中で少しずつ作っていけば大丈夫です。本番でいきなり新しい書き方を試すのは避けましょう。
聞き取れない原因別の対策
「リスニングが苦手」といっても、原因は人によって違います。原因ごとに対策を分けると、練習の効率がぐっと上がります。
① 単語を知らない
スクリプトを読んでも意味がわからない場合は、語彙の問題です。リスニングの前に、単語と文法の土台を固めることが先決です。スクリプトに出てきた知らない単語を、音と一緒に覚えましょう。
② 知っている単語なのに聞き取れない
スクリプトを読めばわかるのに、音だと聞き取れない場合は、音の変化に慣れていないことが多いです。英語では単語同士がつながったり、弱く発音されたりします。
- want to → 「ワナ」のように聞こえる
- check it out → 「チェキラウ」のようにつながる
- going to → 「ガナ」のように短くなる
こうした変化は、スクリプトを見ながら音声をまねして声に出すオーバーラッピングや、音声を追いかけて話すシャドーイングで慣れていくのが効果的です。スピーキングのListen and Repeatの練習にもなります。
③ 1文ずつはわかるのに、全体がつかめない
短い文はわかるのに講義になると迷子になる場合は、話の構造を追えていないのが原因です。先ほど紹介したシグナルワードを意識し、「今は例を挙げている」「今は反対の話をしている」と頭の中で実況しながら聞く練習をしましょう。
④ 集中が続かない
後半になると頭に入らなくなる場合は、集中力の持続が課題です。普段から、本番と同じくらいの長さの音声を止めずに聞く練習を入れましょう。適応型では後半のモジュールも大切なので、最後まで集中を切らさない体力づくりも対策の一つです。
毎日できるリスニング練習メニュー
リスニングは、毎日少しずつでも英語を聞くことが一番の近道です。
平日30分メニュー
- 5分:短い応答問題、または短い英会話を聞いて自分の答えを声に出す
- 10分:講義系の音声(大学の公開講義や学習者向け番組)を聞き、メモを取る
- 10分:同じ音声をスクリプトで確認し、聞き取れなかった部分を再度聞く
- 5分:聞き取れなかった表現をまとめて音読する
週末メニュー
- 新形式対応の模試でリスニングを1セクション、本番どおり1回だけ聞いて解く
- 間違えた問題は、音声を聞き直して「なぜ聞き逃したか」を記録する
聞き取れない原因は、単語を知らない、音のつながりに慣れていない、話の流れを追えていない、のどれかであることが多いです。原因を分けて考えると、対策がはっきりします。今日はまず、5分の英語音声を1本選んで、メモを取りながら聞いてみましょう。



