単語帳は「どれを使うか」より「何周するか」
書店には、ターゲット、システム英単語(シス単)、LEAP、鉄壁など、たくさんの単語帳が並んでいます。どれも受験生に長く使われてきた定番で、それぞれに工夫があります。
- 頻出順に並んでいるもの
- 短いフレーズで覚えるもの
- 語源やイラストで説明が詳しいもの
- 長文の中で覚えるもの
ただ、大事なのは「どの1冊が最強か」ではなく、「1冊を何周できるか」です。単語は、一度覚えても時間がたつと忘れてしまいます。何度も出会い直すことで、ようやく定着していきます。
選び方の目安
- 学校で配られた単語帳があれば、まずはそれ:小テストと勉強がそろうので一番効率的
- 自分で選ぶなら、書店で見開きを見て「続けられそう」と思えるもの
- 志望校や英検の級に合ったレベルのもの
ポイント:単語帳を途中で替えるのは、基本的にはおすすめしません。浮気するより、1冊をボロボロになるまで使い込みましょう。
1日の範囲は「見る量」と「テストする量」を分ける
単語帳が続かない一番の理由は、1日の目標が「覚える量」になっていることです。「今日は50個覚える!」と決めても、実際には覚えきれず、自信をなくしてしまいます。
そこで、1日の範囲を2つに分けましょう。
① 新しく「見る」範囲:1日30〜100語
意味を確認して、発音を聞き、例文やフレーズを一度読む。この段階では、完璧に覚えなくてOKです。
② 前の日までの範囲を「テストする」
赤シートや手で隠して、意味を思い出せるかチェック。思い出せなかったものに印をつけます。
例:1日20分のメニュー
- 5分:昨日の範囲をテスト(思い出せなかったものに✓)
- 10分:今日の新しい範囲を見る
- 5分:✓がついた単語だけ、もう一度見る
思い出す練習(テスト)を毎日入れることが、記憶に残すための一番のコツです。「見る」だけの勉強は、やった気になりやすいので注意しましょう。
学校の小テストと両立するコツ ✏
多くの高校では、単語帳の範囲から週1回ほど小テストがあります。小テストを「その場しのぎ」ではなく「周回のペースメーカー」として使いましょう。
両立のコツ
- 小テストの範囲を「前の週」に一度見ておく:テスト前日が「初めて見る日」にならないようにする
- 小テストで間違えた単語は、ふせんや印でマーク:これがあなた専用の「苦手単語リスト」になります
- テストの後にもう一度見る:テストが終わった日の夜に、間違えた単語だけ3分見直す
小テストのスケジュール例(範囲:100語)
- 月:範囲の前半50語を見る
- 火:後半50語を見る
- 水:100語をテスト→できなかったものに印
- 木:印のついた単語だけ見直す
- 金:小テスト本番
- 土・日:先の範囲へ、または過去の範囲をランダムにテスト
ポイント:小テストで満点を取ること以上に、1か月後にも覚えているかが本当の勝負です。
覚え方を少し工夫する:音・フレーズ・自分の文
単語帳を回すときに、次の3つを足すと記憶に残りやすくなります。
① 音で覚える
多くの単語帳には音声が用意されています。発音を聞いて、声に出して覚えましょう。リスニングにも効きます。
② フレーズで覚える
単語1つより、意味のあるかたまりのほうが覚えやすいことがあります。例えば、
- make a decision(決定する)
- pay attention to(〜に注意を払う)
- take part in(〜に参加する)
③ 自分の文を作る
覚えにくい単語は、自分の生活に結びつけた文を作ってみましょう。
- I need to concentrate on my homework.(宿題に集中しなきゃ)
- The school festival was a great opportunity to make friends.(文化祭は友だちを作るいい機会だった)
- I gradually got used to high school life.(だんだん高校生活に慣れてきた)
単語帳の例文をそのまま写して丸暗記するより、自分の文を作ったほうが「使える単語」になります。
よくある失敗
単語帳を使うときによくある失敗を、対策とセットで紹介します。
- 最初のページばかり覚えている:何度も最初からやり直すと、前半だけ詳しくなります。→ 完璧を目指さず、とにかく最後まで1周するのが先
- 意味を1つしか覚えない:単語によっては、複数の意味が大事なことがあります。→ 2周目以降で、2つ目の意味に目を向ける
- 書いて覚えることに時間をかけすぎる:1語を10回書くと時間がかかります。→ 基本は見て・聞いて・言う。書くのはつづりが苦手な単語だけ
- スマホで単語帳の中身を撮影して共有する:単語帳の内容は著作物です。個人の勉強の範囲を超えて広めるのはやめましょう
- 単語帳だけで英語を勉強した気になる:単語は長文やリスニングで出会い直してこそ定着します
スキマ時間の使い方:単語帳は「持ち歩く」もの 🚃
単語学習の強みは、短い時間でも進められることです。高校生の1日には、実はたくさんのスキマ時間があります。
スキマ時間の例
- 朝の電車やバスの10分:昨日の範囲をテスト
- 授業と授業の間の3分:印のついた単語を5つだけ見る
- 部活に行く前の5分:音声を聞きながら発音をまねる
- 寝る前の5分:今日の新しい範囲をもう一度ながめる
1回あたりは短くても、合計すると1日20〜30分になります。机に向かう時間は、長文や文法などまとまった勉強にまわせるので、全体の勉強効率も上がります。
持ち歩き方の工夫
- 単語帳が重いなら、その週の範囲だけ付せんで目印をつけておく
- 単語帳に付属のアプリや音声がある場合は、スマホでも確認できるようにしておく
- 苦手単語だけを小さなカードやノートにまとめて、ポケットに入れる
ポイント:「机に向かわないと勉強できない」という思い込みを外すと、単語は一気に進みます。
ただし、歩きながらの単語チェックは危険なのでやめましょう。駅のホームや道路では、周りの安全が第一です。
もう一つ、見落とされがちなのが「覚えた単語に出会い直す」ことです。単語帳で覚えた単語が教科書や長文に出てきたら、単語帳の該当ページに小さく印をつけておきましょう。印が増えていくと、「単語帳の勉強がちゃんと役に立っている」と実感できます。
1週間メニューと3年間のイメージ
1週間ミニメニュー(1日20分)
- 月:新しい範囲を見る+昨日の範囲テスト
- 火:同上
- 水:同上
- 木:同上
- 金:今週の範囲をまとめてテスト。できなかった単語に印
- 土:印のついた単語だけを見直す+音声を聞き流す
- 日:先月の範囲からランダムに30語テスト(忘れていないかの確認)
3年間のイメージ
- 高1:学校の小テストのペースで1冊目を1〜2周
- 高2:2〜3周目。苦手単語に集中し、長文の中でも確認
- 高3:仕上げ。スピードを上げて何周も回し、1語1秒で意味が出る状態へ
焦る必要はありません。毎日少しずつでも、止まらずに回し続けた人が最後に強いのが単語学習です。



