なぜ問題集は「1周」では足りないのか
文法問題集を1周解いたとき、正解した問題の中には、実はなんとなく選んで当たっただけのものが混ざっています。そして間違えた問題は、解説を読んで「なるほど」と思っても、しばらくすると忘れてしまいます。
問題集を回す目的は、次の2つです。
- 理由を説明できる正解を増やす
- 間違えた問題を、時間をあけてもう一度解けるようにする
そのために、周回ごとに役割を変えるのがコツです。
- 1周目:全体を知る。自分の弱点を見つける
- 2周目:弱点だけを集中的につぶす
- 3周目:スピードと確実さを上げる
ポイント:「全部の問題を同じように3回解く」のではありません。周回を重ねるほど、解く問題を絞っていくのが効率のいい回し方です。
〇△×の記録法:問題集を「自分専用」にする
周回を効率よくするために欠かせないのが記録です。問題番号の横に、次の3つの印をつけていきましょう。
- 〇:正解し、理由も説明できる
- △:正解したけど、自信がなかった・勘だった
- ×:間違えた
ポイントは△を正直につけること。当たったけど理由があやしい問題は、次に解いたら間違える可能性が高い「隠れ×」です。
記録のしかた
問題集に直接書き込まないなら、ノートに次のような表を作ります。
- 問題番号|1周目|2周目|3周目
- 101|×|〇|〇
- 102|△|×|〇
- 103|〇|-|〇
2周目は「〇以外」だけ解くので、〇の問題は「-」にしておきます。こうすると、どの問題がまだ弱いかがひと目でわかります。
記録表はスマホのメモでも作れますが、おすすめは紙のノートです。ページを開いたときに×の多い単元がひと目で見えるので、「次はどこをやるべきか」がすぐに決まります。×が並んだ単元は、あなたの伸びしろが一番大きい場所。落ち込む必要はまったくありません。むしろ、弱点の場所がはっきりしたことを喜びましょう。
1周目・2周目・3周目でやること 📝
1周目:単元ごとに解いて、全部に印をつける
- 学校の授業や定期テストの範囲に合わせて、単元ごとに進める
- 1回に解くのは1単元または見開き2〜4ページ程度
- 解いたらすぐ答え合わせ。×と△は解説をしっかり読む
2周目:×と△だけを解く
- 1周目から1〜2週間あけて解くのがおすすめ
- 答えを見る前に「なぜその答えか」を口で説明してから確認する
- ここで×だったものは、ノートに例文ごと書き出す
3周目:全問を速く解く
- 仕上げとして、〇だった問題もふくめて全体を解く
- 目標は1問10秒前後で答えと理由が出ること
- ここでまだ間違える問題が、あなたの「最後の弱点リスト」
3周目では、単元の順番をバラバラにして解くのも効果的です。実際の試験では「これは仮定法の問題です」と教えてもらえないので、問題を見て単元を見抜く力が鍛えられます。
間違えた問題の直し方:解説を「自分の言葉」にする
×の問題を直すとき、解説を読んで赤ペンで答えを書くだけでは不十分です。次の3ステップで直しましょう。
- なぜ間違えたかを一言で書く(例:「it is 〜 for 人 to と of 人 to の区別を忘れた」)
- 正しい理由を自分の言葉で書く(例:「人の性格をほめる・けなすときは of」)
- 自分で似た例文を作る
例えば、次のような問題で間違えたとします。
- It is very kind ( ) you to help me. → 答えは of
直しのメモ:
- 間違えた理由:for と of の区別があいまいだった
- ルール:kind, nice, careless など人の性質を表す形容詞のときは of
- 自分の例文:It was careless of me to forget my textbook.(教科書を忘れるなんて不注意だった)
ポイント:問題集の問題や解説を丸写しするより、自分の例文を作るほうが記憶に残り、著作物をそのまま写すことにもなりません。
定期テスト・模試とのペース配分
高校生の場合、問題集は学校の授業や小テストに合わせて進むことが多いはずです。学校のペースを「1周目」として活用しましょう。
おすすめの組み合わせ方
- 授業・小テスト:1周目として解き、印をつける
- 定期テスト前:その範囲の×と△を解き直す(2周目)
- 長期休み:これまでの範囲を通しで解く(3周目)
- 模試の後:模試で間違えた文法問題の単元を、問題集で探して解き直す
高3の仕上げ期
受験直前は、〇△×の記録の中から「最後まで×が残った問題」だけを何度も見直します。これは、自分だけの最強の直前チェックリストになります。
問題集1冊を完璧にすれば、文法問題の基本的なパターンの多くに対応できる力がつきます。新しい問題集に手を出す前に、今の1冊を仕上げることを優先しましょう。
1回分の解き方:25分の「解く→直す→説明する」
周回の考え方がわかったら、1回の勉強の中身も決めておきましょう。机に向かってから「今日は何をしよう」と迷う時間をなくすためです。
25分の基本セット
- 10分:解く:タイマーをセットし、決めた範囲を一気に解く。わからない問題も、とりあえず答えを選んで△をつける
- 8分:答え合わせと印つけ:〇△×をつけ、×と△の解説を読む
- 5分:説明する:×の問題のうち1〜2問を選び、なぜその答えになるのかを声に出して説明する
- 2分:記録:記録表に印を写し、次回の範囲をメモ
3番目の「説明する」は、友だちや家族に先生役として話すつもりでやってみてください。例えば、
- 「この問題は、後ろに名詞のかたまりしかないから、前置詞の during。while のあとは主語と動詞が来るからダメ」
のように、根拠まで言えれば本物の理解です。言葉に詰まったところが、まだあいまいなところです。
集中できない日は
25分がきつい日は、「10分で解けるところまで」でもOKです。大事なのは、問題集を開かない日を作らないこと。5問だけでも、印をつけて記録すれば、次の周回につながります。
ポイント:人に説明できる問題は、試験本番でもまず間違えません。
よくある失敗と1週間メニュー
よくある失敗
- 答えを問題集に書き込んでしまう:2周目で答えが見えてしまいます。答えはノートに書くか、消せるペンで
- △をつけずに〇にしてしまう:勘で当たった問題は、次に必ず間違えます
- 毎回最初から全部解く:時間がかかるうえ、できる問題ばかり解くことになります
- 解説を読んで「わかった」で終わる:自分の例文を作るところまでやりましょう
1週間ミニメニュー(1日25分)
- 月:新しい単元を解く(1周目)+印つけ
- 火:新しい単元を解く(1周目)+印つけ
- 水:先週の単元の×と△を解き直す(2周目)
- 木:新しい単元を解く(1周目)
- 金:今週の×の問題で、自分の例文を作る
- 土:2週間前の単元の×と△を解き直す
- 日:記録表を見て、×が残っている問題をまとめて確認



