全体像:6年間の文法は「3つの段階」でできている
英文法を学年ごとの単元リストで見ると、数が多くて圧倒されます。そこで、まず大きく3つの段階に分けて考えましょう。
段階1:土台(主に中1〜中2前半)
be動詞と一般動詞、疑問文・否定文、代名詞、現在・過去・進行形、助動詞 can など。「1つの文を正しく作る力」です。
段階2:つなぐ(主に中2後半〜高1)
不定詞、動名詞、比較、受け身、現在完了、分詞、関係代名詞、接続詞など。「文を長く、くわしくする力」です。
段階3:使いこなす(主に高1〜高3)
文型の理解の深め、仮定法、分詞構文、関係副詞、話法、強調・倒置など。「複雑な文を読み解き、表現を選ぶ力」です。
ポイント:自分の学年ではなく「どの段階でつまずいたか」で戻る場所を決めましょう。段階2で苦しいなら、たいてい段階1のどこかに穴があります。
段階1のチェックリスト:土台はできている?
次の文を何も見ずに英語で言える・書けるか試してみてください。
- 私は毎朝7時に起きます。→ I get up at seven every morning.
- 彼女は犬を2匹飼っています。→ She has two dogs.
- あなたは昨日サッカーをしましたか?→ Did you play soccer yesterday?
- 兄は今テレビを見ていません。→ My brother isn't watching TV now.
- 窓を開けてもいいですか?→ Can I open the window?
つまずきポイント
- 3単現のs(She has / He plays)を落とす
- Did のあとの動詞を原形にしない(Did you played... はNG)
- be動詞と一般動詞を混ぜる(I am play... はNG)
5問中4問以上が正解なら、段階1はおおむねOK。落としたところは、中1の教科書や基礎ドリルでその単元だけ戻りましょう。全部やり直す必要はありません。
段階2のチェックリスト:文をつなげられる? 🔗
段階2は、定期テストでも高校入試でも差がつく重要ゾーンです。
- 私は英語を勉強するために図書館へ行きました。→ I went to the library to study English.(不定詞)
- 音楽を聞くことは楽しい。→ Listening to music is fun.(動名詞)
- この問題はあの問題より難しい。→ This question is more difficult than that one.(比較)
- この本は多くの人に読まれている。→ This book is read by many people.(受け身)
- 私は3年間ずっとテニスをしている。→ I have played tennis for three years.(現在完了)
- 私が昨日会った少年はケンの弟です。→ The boy I met yesterday is Ken's brother.(関係代名詞の省略)
つまずきポイント
- 不定詞の3用法を名前で覚えようとして混乱する → 「〜するために」「〜すること」「〜するための」と訳で整理する方がラクです
- 現在完了を過去形と区別できない → 「今とつながっているか」がカギ
- 関係代名詞でどこまでが名詞のかたまりかわからない → The boy [I met yesterday] のように、かっこでくくる練習を
段階3のチェックリスト:読み解き、使い分けられる?
段階3は、大学入試の長文や英作文で力を発揮する部分です。
- もし私が鳥なら、あなたのところへ飛んでいけるのに。→ If I were a bird, I could fly to you.(仮定法過去)
- 駅に着くと、雨が降り始めていた。→ Arriving at the station, I found it had started raining.(分詞構文)
- ここが私の生まれた町です。→ This is the town where I was born.(関係副詞)
- 私が必要としているのは時間だ。→ What I need is time.(関係代名詞 what)
- 彼女がやっと来たのは夜10時だった。→ It was not until 10 p.m. that she came.(強調構文)
つまずきポイント
- 仮定法の時制ずれ:「今の話なのに過去形」を理屈で理解する
- 分詞構文:主語が同じかどうかをまず確認
- what と which の違い:what は「〜なもの・こと」と、先行詞をふくむ
段階3は、1冊の網羅型の参考書や問題集を決めて、目次に沿って進めるのが効率的です。
学び直しの手順:1単元を30分で回す
戻る単元が決まったら、次の手順で1単元ずつ進めましょう。
- 説明を読む(10分):参考書や教科書の該当ページ。わかりやすい解説動画を使ってもOK
- 例文を音読(5分):その単元の基本例文を1〜2文、5回ずつ声に出す
- 問題を解く(10分):基礎問題を5〜10問
- 自分の文を作る(5分):その文法を使って、自分のことを1文書く
4番目が特に大切です。例えば現在完了なら、
- I have lived in this town since I was born.(生まれてからずっとこの町に住んでいる)
- I have never been to Hokkaido.(北海道に行ったことがない)
自分のことを書いた文は、教科書の例文よりずっと記憶に残ります。
ポイント:「説明がわかった」で終わらせず、自分の文が作れたら完了。これが本当の理解のサインです。
英文法の地図を「使える力」につなげるコツ
文法の学び直しは、問題が解けるようになるだけでは半分です。最後は読む・書く・話すで使えてこそ意味があります。段階ごとに、使う練習の例を紹介します。
- 段階1:毎日の出来事を3文の英語日記にする(I went to school. I played basketball. I was tired.)
- 段階2:日記に理由や比較を足す(I was tired because practice was harder than usual.)
- 段階3:仮定や条件を入れて、考えを書く(If I had more time, I would practice the guitar.)
同じ日記でも、使える文法が増えると文がどんどん豊かになるのがわかります。これが「文法がつながっている」という実感です。
教科書の本文を読むときも、「この文はどの段階の文法だろう?」と考えながら読むと、地図の上で自分の位置を確かめる練習になります。
よくある失敗と1週間の学び直しメニュー
よくある失敗
- 中1から全部やり直そうとして挫折する:チェックリストで穴だけを埋めるのが近道
- 文法用語の暗記に時間をかけすぎる:用語より、例文が言えることを優先
- 問題集を1回解いて終わり:間違えた問題は、日をあけてもう一度
1週間ミニメニュー(1日30分)
- 月:3段階のチェックリストを全部やり、穴のある単元を書き出す
- 火:一番下の段階の穴を1単元、30分の手順で学ぶ
- 水:火曜の単元の問題をもう一度解き、次の単元へ
- 木:新しい単元を1つ
- 金:新しい単元を1つ
- 土:今週の単元の「自分の文」を全部音読
- 日:チェックリストを再テストして、できた項目に★
1週間で2〜4単元進めば十分です。焦らず、でも止まらずに進みましょう。



