ウォームアップの3つの役割
ウォームアップ(帯活動)には、大きく3つの役割があります。
- 英語モードへの切り替え:日本語で休み時間を過ごしていた頭を、英語に切り替える
- 既習事項の復習:前の時間や前の単元の表現を、短く何度も使う
- クラスの雰囲気づくり:笑いや声を出すことで、発話への心理的なハードルを下げる
大切なのは、毎回同じ流れで始めることです。「チャイムが鳴ったら、これをやる」が決まっていると、生徒は指示を待たずに動けるようになります。教師の説明時間が短くなるので、そのぶん英語を使う時間が増えます。
おすすめの構成は、次のような5分です。
- あいさつ+日付・天気(1分)
- ペアでのスモールトークやゲーム(3分)
- 今日のゴールの提示(1分)
ポイント:ウォームアップは「毎回変える」より「型は同じで中身を少し変える」ほうが、生徒が慣れて効果が出やすくなります。
すぐ使えるウォームアップ①:話す系
1分間スモールトーク
その日のお題について、ペアで1分間話し続けます。お題の例:
- What did you have for breakfast?
- What are you going to do this weekend?
- Which do you like better, cats or dogs?
指示の英語例:Talk with your partner for one minute. Keep talking! Don't stop!
1分経ったら、Change roles. で聞き手と話し手を交代します。慣れてきたら、相手の話に質問を1つ入れる、相づちを3回入れる、などのミッションを足しましょう。
クイックQ&A
先生が全体に質問を投げ、ペアで答え合います。Yes/No で終わらないよう、答えのあとに1文足すルールにします。
- Did you sleep well last night? — Yes, I did. I went to bed at ten.
絵を見て描写
スクリーンに写真を1枚映し、ペアで交代しながら、1人1文ずつ描写していきます。先に言えなくなったほうの負け、という簡単なゲームにすると盛り上がります。
すぐ使えるウォームアップ②:語彙・文法系
ワードチェーン(しりとり)
英単語のしりとりをペアで1分間。apple → egg → green... と続けます。慣れてきたら「動詞だけ」「食べ物だけ」など条件をつけると、語彙の復習になります。
カテゴリー・ビンゴ
3×3のマスに、先生が言ったカテゴリー(例:sports)に当てはまる単語を生徒が書き、先生が読み上げた単語に○をつけます。書く→聞くの流れが自然にできます。
文法リレー
前の時間に学んだ文法を使って、列ごとにリレーで文を言います。例:比較級の単元なら、1人目 An elephant is bigger than a dog. → 2人目 A whale is bigger than an elephant. と、どんどん大きくしていきます。
間違い探し
スクリーンに英文を3つ映し、1つだけ誤りを入れておきます。Which sentence has a mistake? Talk with your partner. 前時の復習として使えます。
どの活動も、前の時間に学んだことを必ず混ぜるのがコツです。ウォームアップが「思い出す練習」になり、記憶の定着にもつながります。
自分でウォームアップを作る「3つの軸」
ストックを増やしたいときは、次の3つの軸を組み合わせると、新しい活動を簡単に作れます。
軸1:何を使うか(内容)
- 前時の文法、単元の語彙、生徒自身の生活、写真・イラスト、季節の話題
軸2:どう使うか(形式)
- ペアで話す、全体でゲーム、個人で書く、立って歩き回る、クイズ
軸3:どんなルールを加えるか(ひねり)
- 時間制限、文の数の指定、相手の答えを予想する、同じ単語を使わない
たとえば「前時の文法(過去形)」×「立って歩き回る」×「相手の答えを予想する」を組み合わせると、次の活動ができます。
Guess and Ask:What did your classmates do last night? まず予想をワークシートに書いてから、3人にインタビューし、予想が当たった数を数える。
このように組み合わせを変えるだけで、同じ型のウォームアップを何十通りにもアレンジできます。
40人クラスで回すコツ
- 始めの合図を固定する:チャイムと同時にスクリーンにお題を出す。生徒は先生の指示を待たずに始められます
- 座席でペアを決めておく:隣の人(Partner A)、前後の人(Partner B)と呼び名をつけておくと、Talk with Partner B! の一言で動けます
- タイマーを見せる:残り時間が見えると、生徒は集中します
- 全員が声を出す活動を優先:1人ずつ当てるより、ペアで同時に話すほうが、5分間の発話量が大きく増えます
- 最後に1ペアだけ紹介:全員の前で話すのは1ペアだけにして、テンポよく本題に入ります
指示の英語例です。
- Look at the screen. Today's topic is "my favorite snack".
- Partner A, you start. Ready, go!
- Thirty seconds left.
- Okay, stop. Thank you. Now let's check today's goal.
季節・行事に合わせたウォームアップのお題例
お題に困ったときは、季節や学校行事に合わせると、生徒が話したい内容が自然に出てきます。1年間使えるお題の例をまとめます。
4〜5月(新学期)
- Tell your partner three things about yourself.
- What club do you want to join? Why?
6〜7月(梅雨・夏休み前)
- Do you like rainy days? What do you do on rainy days?
- What is your plan for summer vacation?
9〜10月(行事の季節)
- What was the best part of the sports day?
- What do you want to do at the school festival?
11〜12月(年末)
- What is the best thing that happened to you this year?
- What do you want for your birthday or for the new year?
1〜3月(まとめの時期)
- What is your goal for next year?
- Who helped you this year? What do you want to say to them?
お題は、生徒が答えやすい「自分のこと」から始め、慣れてきたら「意見」を問うお題(Should students wear school uniforms?)に進めると、無理なく難易度を上げられます。年間のお題リストを1枚作っておけば、毎回考える手間が省け、学年の先生とも共有できます。
よくある失敗とマンネリ対策
ウォームアップが長引いて本題の時間が減る
盛り上がると延ばしたくなりますが、5分と決めたらタイマーで切りましょう。「もっとやりたい」と思っているうちに終えるほうが、次回も意欲的に取り組みます。
毎回同じで飽きる
型は同じまま、お題だけを変えましょう。生徒にお題を考えさせる「お題係」を日替わりで決めるのもおすすめです。
英語が苦手な生徒が参加できない
モデル文をスクリーンに出しておきます。例:My favorite snack is ___. I like it because ___.
教師が英語で説明しすぎる
ウォームアップの説明は、実際にやって見せるのが一番早く伝わります。Watch me. と言って、先生と代表の生徒でデモをしましょう。
1週間の例:月=スモールトーク、火=ワードチェーン、水=絵の描写、木=文法リレー、金=間違い探し。曜日で固定すると、生徒も先生も準備が楽になります。



