Small Talk とは?ねらいを確認しよう
Small Talk は、授業の最初などに、先生や子ども同士が身近な話題について英語で短いやり取りをする活動です。
主なねらいは次の2つです。
- 既習表現を思い出して使う:これまでに学んだ表現を、新しい場面で使うことで、表現が定着していきます。
- やり取りを続ける力をつける:相手の話に反応したり、質問を返したりして、会話を続ける経験をします。
Small Talk は、正しい英語を言うことよりも、「伝えたい」「知りたい」という気持ちでやり取りすることを大切にします。
ポイント:Small Talk は「テスト」ではなく「おしゃべり」。間違いを直すより、言おうとしたことを受け止めましょう。
まずは先生が話すモデルから
Small Talk の第一歩は、先生が自分のことを英語で話し、子どもに問いかけることです。
先生のモデル例(週末の話題)
- T: I went to the park last Sunday. I saw many flowers. They were beautiful. I was happy.
- T: How about you? What did you do last Sunday?
- S1: I played soccer.
- T: Oh, you played soccer! That's nice. Was it fun?
- S1: Yes!
モデルのポイント
- 写真や絵を見せながら話す
- 3〜4文程度の短い話にする
- 最後に必ず子どもに質問を投げかける
- 子どもの答えを繰り返して(リキャスト)、正しい形を自然に聞かせる
子どもが I play soccer. と言ったら、Oh, you played soccer! と正しい形で繰り返します。「違うよ」と直すのではなく、自然に正しい形を聞かせるのがコツです。
子ども同士のやり取りに広げる5ステップ
先生のモデルに慣れてきたら、少しずつ子ども同士のやり取りに広げていきます。
- 先生のモデルを聞く:先生の話を聞き、内容について質問に答えます。
- 先生と代表の子どもでやり取りを見せる:全体の前で、やり取りの見本を見せます。
- ペアで1回目のやり取り(1分):同じ話題でペアになって話します。
- 中間指導:一度止めて、「言いたかったけれど言えなかった表現」を全体で共有します。例:「『すごい』って英語で何て言うの?」→ That's great! / Wow!
- ペアを変えて2回目のやり取り(1分):中間指導で出た表現を使ってみます。
特に中間指導が大切です。ここで出てきた表現を2回目に使うことで、子どもは「言えた!」という手応えを感じられます。
学年別の話題例と会話例
3・4年(外国語活動)
話題:好きなもの、色、数
- A: What color do you like?
- B: I like blue.
- A: Me, too! / Oh, nice!
5年(外国語科)
話題:好きな教科、誕生日、できること
- A: What subject do you like?
- B: I like P.E. I can run fast.
- A: Wow, that's great! I like music.
6年(外国語科)
話題:週末の出来事、夏休みの思い出、将来の夢
- A: What did you do in summer vacation?
- B: I went to the sea. I enjoyed swimming.
- A: Sounds nice! Was it fun?
- B: Yes, it was fun.
会話を続けるための「反応の言葉」
- Me, too. / Really? / Nice! / That's great! / Sounds fun!
反応の言葉を教室に掲示しておくと、子どもがやり取りの中で使いやすくなります。
Small Talk がうまくいく「つなぎの一言」
やり取りを続けるためには、答えるだけでなく、質問を返したり、一言付け足したりする力が必要です。次のような「つなぎの一言」を段階的に教えていきましょう。
段階1:反応する
- Me, too. / Really? / Nice! / I see.
段階2:質問を返す
- How about you? / Do you like it?
段階3:一言付け足す
- I like baseball. I'm on a baseball team.
- I went to Kyoto. I ate matcha ice cream.
段階4:聞き返す
- Pardon? / One more time, please.
- Sorry? What sport?
特に「聞き返す」表現は大切です。わからないときに黙ってしまうのではなく、Pardon? と言えれば、やり取りが途切れません。先生が Small Talk の中で、わざと聞き返す場面を見せるのも効果的です。
ポイント:1つの単元で1つの「つなぎの一言」を目標にすると、1年で子どものやり取りが見違えるように変わります。
続けるための工夫:帯活動として毎回5分
Small Talk は、毎回の授業で少しずつ続けることで効果が出てきます。
1週間のテーマ例(6年・週2回授業)
- 1回目:先生の週末の話→子どもへの質問
- 2回目:ペアで週末の話→中間指導→ペアを変えて再度
続けるコツ
- 話題は、子どもが話したくなる身近なものを選ぶ
- 同じ話題を何回か続け、慣れてから新しい話題にする
- 先生の話に、写真や実物を使って興味を引く
- 上手に話せたペアを紹介し、全体で共有する
ポイント:同じ話題を繰り返すことで、子どもは「前より言えるようになった」と成長を実感できます。
子どものやり取りを見取るポイント
Small Talk は、子どもの成長を見取るよい機会でもあります。ペアのやり取りを見て回るときは、次のような点に注目しましょう。
- 相手の話に反応しているか(Me, too. / Really? など)
- 質問を返しているか(How about you?)
- 知っている表現を使って、伝えようと工夫しているか(ジェスチャーや言いかえ)
- 前の授業より、やり取りが長く続いているか
気づいたことは、座席表に一言メモしておくと、評価の材料や次の中間指導のネタになります。例えば「Aさん:How about you? を自分から使えた」のようにメモしておけば、中間指導で「Aさんが How about you? と聞き返していたよ」と全体に紹介できます。
全員を毎回見る必要はありません。1回の授業で5〜6人に絞って見取ると、無理なく続けられます。
よくある失敗と今日からの一歩
- 先生が話しすぎる:先生のモデルは1分程度に。子どもが話す時間を多くとりましょう。
- 間違いをその場で直す:やり取りの流れが止まり、子どもが話すのをためらうようになります。リキャストで自然に正しい形を聞かせましょう。
- 話題が難しすぎる:まだ学んでいない表現が必要な話題は避け、既習表現で話せる話題を選びます。
- 中間指導をしない:言えなかった表現を共有しないと、2回目も同じところでつまずきます。
まずは次の授業で、先生自身の話を3文だけ準備し、最後に How about you? と子どもに問いかけるところから始めてみましょう。



