おうち英語で大切にしたいこと
おうち英語というと、「毎日たくさん英語を聞かせなきゃ」「親も英語で話さなきゃ」と身構えてしまうかもしれません。でも、小学生のおうち英語で大切なのは、量や完璧さよりも、次の2つです。
- 英語を楽しいと感じる時間をつくる
- 少しずつでも続ける
小学校では、3年生から外国語活動、5年生から外国語科として英語を学びます。おうち英語は、学校の授業を「先取り」するものではなく、学校で触れた英語を家でも楽しむ「延長」と考えると、親も子どももラクになります。
ポイント:おうち英語の目標は「英語ができる子」ではなく、「英語が好きな子」。まずはこの気持ちを育てることから始めましょう。
始める前に決めたい3つのこと
① 時間:いつやるか
「毎日30分」のような大きな目標は、続かない原因になります。まずは1日10分、時間帯を決めましょう。
- 朝の支度中に英語の歌を流す
- 夕食後に5分、英語の絵本を読む
- 寝る前に、学校で習った英語を1つ教えてもらう
② 教材:何を使うか
最初は、次のうち1〜2つに絞ります。
- 英語の歌(学校で歌っている曲があれば、それがいちばん)
- 英語の絵本(くり返しの多い短いもの)
- 子ども向けの英語の動画(短いもの)
③ ルール:どこまでやるか
- 嫌がる日は無理にやらない
- テストや暗記はしない
- できたら、カレンダーにシールを貼る
この3つを家族で話し合って決めると、子どもも「自分たちで決めたこと」として取り組みやすくなります。
学年別の始め方のヒント
- 1・2年生:まだ学校で英語の授業がない時期です。歌や絵本など、音と絵で楽しむものを中心にしましょう。
- 3・4年生:学校で外国語活動が始まります。授業で歌った歌や、言った表現を家でも楽しむのがいちばんの近道です。
- 5・6年生:学校で文字も扱い始めます。音声の活動に加えて、学校で書き写した文を家族に読んで聞かせる、といった「発表」の場を家庭でつくってあげると、子どもの自信になります。
高学年になると、「今さら歌なんて」と照れる子どももいます。その場合は、好きなスポーツ選手や映画など、子どもの興味から英語につなげると入りやすくなります。
学校の授業とつなげる方法
おうち英語の最高の教材は、学校の授業です。子どもが学校で触れた英語を家で使うと、「学校で習った英語が家でも通じた!」という経験になります。
声かけの例
- 「今日の英語の時間、どんな歌を歌ったの?教えて!」
- 「英語で『好き』って何て言うの?」
- 「先生に何て聞かれたの?」
家でやり取りしてみる
例えば、学校で What food do you like? を習っていたら、夕食のときに親が聞いてみます。
- 親:What food do you like?
- 子:I like hamburgers!
- 親:Me, too!
親の発音が完璧でなくても大丈夫です。子どもが「先生役」になって教えてくれることも、子どもの自信につながります。
ポイント:学校のお便りや学級通信で、今学んでいる英語を確認しておくと、家での声かけがしやすくなります。
最初の1か月プラン(1日10分)
1週目:英語の音に触れる
- 毎日:朝の支度中に英語の歌を1曲流す(同じ曲を1週間)
- 週末:子どもが気に入った部分を一緒に歌う
2週目:絵本を加える
- 毎日:歌は続ける
- 週3回:寝る前に英語の絵本を1冊読む(同じ本をくり返す)
3週目:学校の英語を聞く
- 毎日:歌と絵本は続ける
- 週2回:「今日の英語で何を言った?」と聞き、1つ教えてもらう
4週目:家族でやり取り
- 学校で習った表現を使って、夕食時に1回だけ英語でやり取りする
- 1か月続いたら、家族でお祝いする
ポイント:新しいことを一度に増やさず、1週間に1つずつ加えていくのが続けるコツです。
1か月プランを続けるためのチェック表
冷蔵庫など、家族の目に入る場所に、次のような表を貼っておくと続けやすくなります。
- 歌を聞いた日:○
- 絵本を読んだ日:○
- 学校の英語を教えてもらった日:○
- 英語でやり取りできた日:◎
週末に表を見ながら、「今週は○がたくさんついたね」と一緒に振り返りましょう。できなかった日があっても、責めずに「来週はどれをやってみる?」と子どもに選ばせるのがコツです。
教材を増やすタイミング
1か月たって習慣になってきたら、新しい教材を1つだけ増やしてみましょう。例えば、歌と絵本が定着したら、短い英語の動画を週末だけ加える、といった形です。英語の動画を使うときは、見る時間のルールを家族で決めておくと安心です。
英語が苦手な親でも使える声かけフレーズ
親が英語を話せなくても、短い決まり文句なら使えます。日常の場面で、1つずつ取り入れてみましょう。
朝
- Good morning!(おはよう)
- Time to get up!(起きる時間だよ)
ほめる
- Good job!(よくできたね)
- Great!(すごいね)
ごはん
- Let's eat!(食べよう)
- Is it good?(おいしい?)
寝る前
- Good night!(おやすみ)
- See you tomorrow!(また明日)
最初は1日1フレーズで十分です。親が英語を使おうとする姿を見ることが、子どもにとって「英語は特別なものじゃない」と感じるきっかけになります。
よくある失敗と続けるコツ
- 最初から張り切りすぎる:1日30分、教材を5つ…と始めると、数日で疲れてしまいます。1日10分、教材1〜2つから始めましょう。
- テストのようにしてしまう:「これ英語で何て言うの?」と何度も聞くと、子どもは英語を嫌がるようになります。子どもが自分から言ったときに、たっぷりほめましょう。
- ほかの子と比べる:英語の伸び方は子どもによって違います。比べるなら、1か月前の自分の子どもと比べましょう。
- 親だけが頑張る:子どもが「やりたい」と思える教材や時間を、一緒に選ぶことが大切です。
続けるコツ
- カレンダーにシールを貼って、続いた日を見える化する
- 子どもが好きなテーマ(動物、乗り物、スポーツなど)の教材を選ぶ
- 休む日があっても気にしない。次の日に再開すればOK
今日からの一歩
おうち英語は、特別な教材や親の英語力がなくても始められます。大切なのは、英語を楽しむ時間を、少しずつでも続けることです。
今日は、お子さんに「学校の英語の時間に、どんな歌を歌っているの?」と聞いてみてください。その歌を明日の朝、支度中に流すところから、おうち英語が始まります。
1か月続いたら、お子さんと一緒に「どんな英語を覚えたかな?」と振り返ってみましょう。きっと、親子で驚くような発見があるはずです。
もし途中で続かなくなっても、心配はいりません。おうち英語は、休んでも何度でも再開できます。「また歌から始めよう」と気軽に戻れることこそが、長く続けるためのいちばんのコツです。親が楽しそうにしていれば、子どもも自然と英語の時間を楽しみにするようになります。



