Z世代スラングが生まれる場所
Z世代のスラングの多くは、SNSや動画プラットフォーム、ゲーム実況、音楽などから広がっています。短い動画でくり返し使われることで、国や地域を超えて一気に広まるのが特徴です。
また、多くの語はもともと特定のコミュニティ、とくにアフリカ系アメリカ人の話し言葉(AAVE)や、LGBTQ+のコミュニティの文化から生まれ、ネットを通じて広がったと言われています。言葉を学ぶときは、その背景に敬意を払う姿勢も大切です。
ポイント:Z世代スラングは「流行語」なので、数年で使われなくなることもあります。この記事の例も「今よく見かける語」として参考にしてください。
日本語でも「エモい」「ぴえん」のような言葉がSNSから広がりましたよね。英語のZ世代スラングも同じように、短い動画やコメント欄で何度も目にするうちに、多くの人が使うようになっていきます。だからこそ、学習者にとっては「動画やSNSの英語を理解するための鍵」になるのです。
まず覚えたい定番スラング①(気持ち・評価)
no cap(うそじゃなく・マジで)
cap は「うそ」の意味で使われ、no cap で「うそじゃない、本当に」となります。
- This ramen is the best I've ever had, no cap.(このラーメン、今まで食べた中で一番。マジで)
lowkey / highkey(ひそかに・ちょっと/かなり・はっきり)
lowkey は「控えめに・ひそかに」、highkey は「はっきり・めちゃくちゃ」のニュアンスです。
- I lowkey want to join the dance club.(ダンス部、ちょっと入りたいかも)
- I highkey need a nap after that test.(あのテストの後は、ガチで昼寝が必要)
slay(最高にキマってる・大成功)
人のパフォーマンスや見た目を強くほめるときに使われます。
- You slayed that speech!(あのスピーチ、完璧だったよ!)
mid(ふつう・イマイチ)
「平凡」「期待ほどではない」という意味で使われます。人に向けると失礼になりやすいので要注意です。
- The movie was kind of mid.(あの映画、正直ふつうだった)
まず覚えたい定番スラング②(人・関係・雰囲気)
rizz(人を惹きつける魅力・トーク力)
2023年にはオックスフォード大学出版局の「今年の言葉」にも選ばれた語です。もともと恋愛がらみで使われることが多い語なので、使う場面は選びましょう。
- He has so much rizz; everyone wants to talk to him.(彼は魅力があって、みんな話しかけたがる)
it's giving 〜(〜っぽい雰囲気がある)
後ろに雰囲気を表す語を続けて、「〜な感じが出てる」と表します。
- Your outfit is giving summer vacation.(その服、夏休みっぽい雰囲気出てる)
bet(了解・いいね)
相手の提案に「OK」と返すときに使われます。
- A: Let's meet at the station at 3. B: Bet.(A: 3時に駅でね。B: 了解)
vibe(雰囲気・ノリ)
- This café has a nice vibe.(このカフェ、いい雰囲気)
vibe は比較的広い世代で使われるので、比較的使いやすい語です。
まだある!よく見かけるZ世代スラング
sus(あやしい)
suspicious(疑わしい)を短くした語です。ゲームをきっかけに広まったと言われています。
- The last piece of cake is gone. That's sus.(最後のケーキがなくなってる。あやしい)
salty(すねている・ムッとしている)
しょっぱい、から転じて、ちょっとしたことで不機嫌になっている様子を表します。
- He's still salty about losing the game.(彼、試合に負けたことでまだすねてる)
GOAT(史上最高の人)
Greatest Of All Time の頭文字です。スポーツ選手やアーティストをほめるときによく使われます。
- She's the GOAT of our tennis club.(彼女はうちのテニス部の最強選手だよ)
main character energy(主人公オーラ)
映画の主人公のように、自信たっぷりで目立っている様子を表します。
- Walking into class with sunglasses? That's main character energy.(サングラスで教室に登場?主人公オーラ出てるね)
understood the assignment(期待以上にバッチリ)
「課題を理解していた」から転じて、場にぴったり合ったことを完璧にこなした人をほめる言い方です。
- Your costume for the school festival? You understood the assignment.(文化祭の衣装、完璧じゃん)
ポイント:ほめる語は比較的使いやすく、人を評価する否定的な語は使いにくい。まずは「ほめる系」から覚えるのがおすすめです。
意味がわかっても使わないほうがいい場面
Z世代スラングは、次の場面では使わないようにしましょう。
- 先生・上司・初対面の大人との会話
- 英作文、レポート、メール、面接、スピーチ
- 英検・TOEIC・入試などの試験
たとえば、面接で「My English is lowkey good.」と言うのは不自然です。代わりに「My English is fairly good, but I'm still working on my speaking.」のように標準的に言いましょう。
また、mid や cringe のように人を評価する語は、冗談のつもりでも相手を傷つけることがあります。友達同士でも、相手の作品や見た目に向けて使うのは避けたほうが安心です。
もう1つ気をつけたいのが、大人世代とのギャップです。Z世代スラングは、親や先生の世代には通じないことがよくあります。通じない言葉を使うと会話が止まってしまうので、相手が知っていそうかどうかも考えましょう。
Z世代スラングの覚え方と1週間メニュー
おすすめは「3語ずつ・場面つき」で覚える方法です。
- 1日目:解説動画を見て、気になる語を3つ選ぶ
- 2日目:辞書やBBC Learning Englishなど信頼できる解説で意味を確認
- 3日目:各語で自作例文を1つずつ作る(学校生活や趣味の話で)
- 4日目:SNSや動画で実際の使われ方を探してメモ
- 5日目:同じ意味の標準英語を調べ、ペアで覚える(no cap → honestly / seriously)
- 6日目:メモを隠して意味と言い換えを思い出す
- 7日目:次の3語に進む。前の3語もさっと復習
ペアで覚える例:
- lowkey → a little / secretly
- slay → did an amazing job
- bet → sure / sounds good
ポイント:スラングと標準語をセットで覚えると、場面に合わせて使い分けられるようになります。
今日は、この記事の中から「いちばん気になった1語」で例文を1つ作ってみましょう。



