英語のコミックでおなじみの効果音
アメリカのコミックやカートゥーンには、昔から大きな文字の効果音(sound effects、略して SFX)がよく登場します。まずは代表的なものを見てみましょう。
パンチ・衝撃
- POW!:パンチが当たる音
- BAM! / WHAM!:強くたたく・ぶつかる音
- BOOM!:爆発音、大きな衝撃
- CRASH!:ぶつかって壊れる音
動き・その他
- WHOOSH!:ビュン、シュッ(素早く通り過ぎる)
- THUD:ドサッ(重い物が落ちる)
- SNAP!:パキッ(折れる・指を鳴らす)
- ZAP!:ビリッ(電気・光線)
- GASP!:ハッ(息をのむ)
ポイント:英語の効果音の多くは、ふつうの動詞・名詞としても使える単語です。crash, snap, gasp などは会話や文章にもよく出てきます。
つまり、効果音を覚えることは、そのまま英単語を覚えることにもつながるのです。
効果音の文字の形にも注目
英語のコミックでは、効果音の文字そのものがデザインされています。爆発なら文字がギザギザに、ささやきなら小さく細い文字に、というように、文字の形で音の大きさや勢いを表しています。この点は日本のマンガの描き文字とよく似ています。英語版を読むときは、単語だけでなく文字のデザインにも注目してみましょう。
日本のマンガの効果音、英語版ではどうなる?
日本のマンガを英語に翻訳するとき、効果音の扱い方は出版社や作品によってさまざまです。代表的なパターンを紹介します。
- 日本語の効果音を残し、近くに小さく英訳を添える:絵の一部として描かれた文字を消さずに、コマの余白などに英語を小さく入れる方法
- 日本語の効果音を英語に描き替える:絵の雰囲気に合わせて英語の文字をデザインし直す方法
- 日本語のまま残す:絵の迫力を優先して、あえて訳さない方法
どの方法にも良いところと難しいところがあります。日本語を残せば原作の絵をそのまま楽しめますが、英語の読者には意味がわかりにくいこともあります。描き替えれば読みやすくなりますが、手間がかかり、絵の印象が変わることもあります。
ポイント:英語版のマンガを手に取ったら、「この作品はどのパターンかな?」と観察してみてください。翻訳の工夫が見えてきて面白いですよ。
訳しにくい効果音の代表例
日本のマンガには、英語に訳しにくい効果音がたくさんあります。いくつか例を挙げて、どんな英語が考えられるか見てみましょう(訳はあくまで一例です)。
- ドーン:登場シーンや衝撃の場面。BOOM や一語のインパクトで表したり、場面によっては効果音を使わずに表現したりします
- ゴゴゴゴ:何かが迫ってくる、ただならぬ雰囲気。RUMBLE(ゴロゴロ・地鳴り)のような語が考えられますが、「音」ではなく「雰囲気」を表すので難しい効果音です
- シーン:静まり返った様子。音がないことを「音の言葉」で表すのは日本語の面白い特徴で、英語ではコマに何も書かなかったり、「...」で表したりすることがあります
- キラーン:目や歯が光る。SHINE / GLINT / TWINKLE などの語で表せます
- ガーン:ショックを受けたとき。英語では効果音より、キャラクターのセリフや表情で表すことが多い場面です
こうして比べると、日本語の効果音には「音」だけでなく「雰囲気」や「気持ち」を表すものが多いことに気づきます。
効果音で英語を学ぶ3つの方法
方法1:英語版マンガで効果音を集める
好きな作品の英語版を読み、出てきた効果音をノートに集めます。「日本語版ではどんな効果音だったか」も並べて書くと、日英の比較表ができあがります。
方法2:自分で効果音を英訳してみる
手元のマンガから効果音を5つ選び、自分なりの英訳を考えてみましょう。
- 「バタン」(ドアが閉まる)→ SLAM
- 「パシャッ」(写真を撮る)→ CLICK
- 「ゴクッ」(つばを飲み込む)→ GULP
- 「ザッ」(足を踏み出す)→ STEP / SHUFFLE など
正解は1つではありません。辞書で動詞の意味を確認しながら考えるのがポイントです。
方法3:効果音を「文」に戻す
SLAM を見たら He slammed the door.、GULP を見たら She gulped nervously. のように、効果音を動詞にして文を作ります。これで効果音が「使える英語」になります。
1週間の実践メニュー
- 1日目:英語のコミック効果音(POW, BOOM, WHOOSH など)を10個覚える
- 2日目:それぞれの効果音を動詞・名詞として使った例文を5つ作る
- 3日目:好きなマンガから効果音を5つ選び、自分で英訳する
- 4日目:英語版のマンガや試し読みで、効果音がどう扱われているか観察する
- 5日目:日本語と英語の効果音の比較表を作る
- 6日目:1ページ分の効果音を全部英訳してみる
- 7日目:自分で4コママンガを描き、効果音とセリフを英語で入れる
7日目は絵が苦手でも大丈夫。棒人間で十分です。効果音とセリフを英語で考えることが目的です。
慣れてきたら、英語版と日本語版を並べて読み比べるのもおすすめです。同じコマで、効果音がどう処理されているか、セリフがどう言い換えられているかを見比べると、翻訳者の工夫がよくわかります。
よくある失敗と対策
- 失敗1:ローマ字にするだけ → 「DOON」「GOGOGO」と書いても、英語の読者には音のイメージが伝わりにくいです。英語の効果音や動詞を探しましょう。
- 失敗2:音の言葉にこだわりすぎる → 「シーン」や「ガーン」のように、英語では効果音以外の方法で表すほうが自然な場合もあります。
- 失敗3:効果音だけ覚えて終わる → 効果音は動詞に戻して文を作ってこそ、英語力になります。
- 失敗4:海賊版で読む → 英語版のマンガは、正規の電子書籍や書店で入手しましょう。作者や翻訳者を応援することにもなります。
マンガの効果音は、日本語と英語の感覚のちがいがはっきり見える、とても面白い教材です。
効果音から見える日本語と英語のちがい
最後に、効果音から見える日英のちがいを整理しておきましょう。
- 日本語:オノマトペが豊富で、音だけでなく様子や気持ちまで「音の言葉」で表す(シーン、ドキッ、ギクッなど)
- 英語:音を表す語は多いが、様子や気持ちは動詞や形容詞、セリフで表すことが多い
このちがいを知っておくと、英作文でも役立ちます。日本語で「ドキッとした」と言いたいときに、英語では I was startled. や My heart skipped a beat. のように、動詞や表現で気持ちを描く発想に切り替えられるからです。
ポイント:効果音の翻訳を考えることは、「日本語の感覚を英語の感覚に置き換える」練習そのものです。
STUDY HACKの動画コーナーでは、マンガの効果音やマンガ翻訳を英語で解説した動画も紹介しています。英語で説明を聞きながら、翻訳の世界をのぞいてみてください。



