共通テスト英語の基本情報
大学入試センターの公表内容をもとに、基本を整理しましょう。
- リーディング:試験時間80分、100点満点
- リスニング:解答時間30分、100点満点(ICプレーヤーの準備や作動確認の時間を含めて試験時間は60分)
- リーディングとリスニングの配点は均等
大学によっては、リーディングとリスニングの点数を独自の比率で換算して利用することがあります。たとえばリーディングの比重を高くする大学もあるので、志望校がどう使うかを募集要項で確認しておくと、対策の優先順位が決めやすくなります。
形式の大きな特徴
- 発音・アクセントや文法だけを問う独立した問題は出題されない
- 読む量が多く、スピードが求められる
- ウェブサイト、ブログ、記事、レポート、グラフや表など、実際の生活や学習の場面を想定した素材が多い
- 複数の情報を比べたり、事実と意見を区別したりする問題がある
ポイント:出題の細かい構成は年度によって変わることがあります。最新年度の問題は大学入試センターのサイトで公開されているので、必ず直近の問題を確認しましょう。
リーディング:80分で読み切るための時間配分
リーディングは、とにかく分量との戦いです。多くの受験生が「時間が足りない」と感じるので、時間配分を事前に決めておくことが必須です。
時間配分の考え方
- 大問ごとに目標時間を決める(前半の短い大問は短めに、後半の長い大問に多めに)
- 見直し用に5分程度を残す
- 目標時間を超えたら、その大問は一旦切り上げて次へ
具体的な分数は、大問の数や分量によって変わるので、直近の過去問を1回解いて、自分の配分表を作るのがおすすめです。解いたときに、各大問の開始時刻を問題用紙にメモしておくと、どこで時間を使いすぎたかがわかります。
解く順番
前から順番に解くのが基本ですが、後半の配点が高い大問で時間切れになるのを避けるため、最後の大問から解く作戦をとる人もいます。模試で両方試して、自分に合う方を選びましょう。
情報検索型の読み方
広告やウェブサイトなどの素材では、全文を最初から丁寧に読む必要はありません。
- 先に設問を読み、何を探すのかを決める
- 見出し、太字、表、数字など「目印」を手がかりに該当箇所を探す
- 見つけたら、その周辺を丁寧に読む
リーディング:事実と意見、複数の文章の読み比べ
共通テストらしい問題として、次の2つのタイプがあります。
事実(fact)と意見(opinion)の区別
- 事実:客観的に確かめられる情報(数字、日付、出来事)
- 意見:書き手の考えや評価(I think、should、best、interesting などを含むことが多い)
選択肢を読むときに、「これは確かめられる情報か、誰かの考えか」を判断するクセをつけましょう。
複数の文章や資料の読み比べ
2人の意見文や、記事と図表など、複数の情報を組み合わせて答える問題もあります。
- それぞれの文章の立場(賛成・反対・中立)を最初に押さえる
- 2つの文章に共通する点と異なる点をメモする
- 図表は、タイトルと軸(何の数値か、単位は何か)を最初に確認する
論理展開を問う問題
記事やレポートでは、段落ごとの役割(問題提起、具体例、結論など)を意識しながら読むと、要約や見出しを選ぶ問題に強くなります。段落の最初の1〜2文にその段落の要点があることが多いので、ここを丁寧に読みましょう。
リスニング:1回読みと2回読みへの備え
共通テストのリスニングでは、音声が2回流れる問題と、1回しか流れない問題があります。一般的に、前半は2回、後半は1回の読み上げになっている構成が多いので、後半の1回読みにどれだけ集中できるかが得点を左右します。
先読みが最大の武器
音声が流れる前に、設問と選択肢(イラストや表を含む)に目を通しておきます。
- 何が問われているのか(場所、時間、理由、条件など)
- 選択肢どうしの違いはどこか
- 表やメモを埋める問題なら、空欄がどの項目か
1回読みを乗り切るコツ
- 聞き逃したと思っても、次の情報に意識を切り替える
- 条件や数字が多い問題は、聞きながら問題用紙に簡単にメモする
- 講義形式の長い音声では、ワークシートの流れに沿って聞く
さまざまな話者の英語
本番の音声は、いつも聞き慣れた先生の英語とは限りません。ふだんから、アメリカ・イギリス英語だけでなく、いろいろなアクセントの英語に触れておくと本番で慌てません。TEDのように世界中の話し手が登場する動画は、よい練習素材になります。
日々の練習メニュー:読む速さと聞く集中力を育てる
共通テスト対策は、直前期の過去問演習だけでは足りません。ふだんの学習で、読むスピードと聞く持久力を育てておきましょう。
リーディングの練習
- 音読:解き終わった長文を、意味を理解しながら5回音読。前から順に理解するクセがつきます
- 時間を計った読解:1題ごとに目標時間を設定して解く
- 語彙:共通テストの素材は日常的な話題が多いので、生活に関わる語彙(予約、料金、日程、施設など)も大切
リスニングの練習
- オーバーラッピング:スクリプトを見ながら音声と同時に読む
- シャドーイング:音声のすぐ後を追いかけて繰り返す
- ディクテーション:聞き取れなかった部分を書き取り、原因(知らない単語か、音の変化か)を確認
1週間のメニュー例(高3の秋)
- 平日:長文1題(時間を計る)+音読、リスニング10分
- 土曜:過去問リーディング1回分(80分)
- 日曜:過去問リスニング1回分 + 間違えた問題のスクリプト確認と音読
ポイント:リスニングは「毎日少し」が最も効果的です。週末にまとめて1時間やるより、毎日10分の方が耳は慣れていきます。
よくある失点パターンと対策
共通テストの英語で点を落としやすいパターンと、その対策をまとめます。
パターン1:選択肢の「言い換え」に気づかない
正解の選択肢は、本文と同じ表現ではなく、別の言葉に言い換えられていることがほとんどです。逆に、本文と同じ単語がそのまま入っている選択肢は、ひっかけのこともあります。ふだんから、答え合わせのときに「本文のどの表現が、選択肢でどう言い換えられているか」を確認する習慣をつけましょう。
パターン2:図表の単位や条件を見落とす
グラフや表の問題では、「%」なのか「人数」なのか、「月ごと」なのか「年間」なのかといった単位や前提条件の読み落としが失点につながります。図表を見たら、最初にタイトル・軸・単位・注記を確認しましょう。
パターン3:リスニングで1問の失敗を引きずる
聞き逃した問題を考え続けているうちに、次の問題の先読みができなくなり、連鎖的に失点してしまうパターンです。わからなかったら勘でマークして、すぐ次の先読みへ。このルールを模試のときから徹底しましょう。
パターン4:最初の大問で時間を使いすぎる
前半の大問は比較的短いのに、慎重になりすぎて時間を使ってしまうケースです。前半は「素早く確実に」、後半に時間を残す意識を持ちましょう。
失点パターンは人によって違います。模試や過去問を解いたら、間違えた理由を上のパターンに当てはめて記録してみてください。自分の弱点がはっきりすると、対策も立てやすくなります。
直前期と本番当日の注意点
最後に、直前期と本番で気をつけたいことをまとめます。
直前期(1か月前〜)
- 過去問や予想問題を、本番と同じ時間帯・同じ時間で解く
- リーディングの時間配分表を最終確認
- 間違えた問題のタイプ(事実と意見、図表、複数文章など)を振り返る
本番当日
- リーディングでは、最初の大問で時間を使いすぎないよう、時計を意識する
- わからない問題は印をつけて先に進み、最後に戻る
- マークミスに注意。大問が変わるごとに、解答番号と問題番号がずれていないか確認
- リスニングでは、ICプレーヤーの操作方法の説明をよく聞く
共通テストは「英語の知識」だけでなく「英語で情報を処理する力」を測る試験です。つまり、日々の音読やリスニングの積み重ねがそのまま力になる試験でもあります。毎日の小さな練習を信じて、本番に臨みましょう。



