個別試験のリスニングの特徴(一般論)
個別試験のリスニングは、大学ごとに形式が大きく異なりますが、一般的に次のような特徴が見られることがあります。
- 音声が長い:講義やインタビュー、ディスカッションなど、まとまった長さの音声
- 内容が学術的:大学の授業に近い話題
- 解答形式が多様:選択式のほか、英語や日本語で答える記述式もある
- メモが重要:長い音声の内容を、メモを頼りに答える
一方で、試験時間の中で英語の試験の一部としてリスニングが行われる大学もあり、時間配分も含めた準備が必要です。
まずは志望校の過去問でリスニングの有無と形式を確認しましょう。音声が大学のウェブサイトなどで公開されている場合もあります。過去問集に音声がついているかどうかも確認しておきましょう。
共通テストのリスニング対策は土台になりますが、それだけでは足りないことも。長い音声とメモの練習を早めに始めましょう。
共通テストのリスニングとの違い
共通テストのリスニングと比べて、個別試験では次のような違いが出ることがあります。
音声の長さと密度
共通テストの後半にも講義の問題がありますが、個別試験ではさらに長く、情報量の多い音声が出されることがあります。集中力を長く保つ練習が必要です。
記述式の解答
選択肢がない問題では、自分で答えを書く必要があります。聞き取った内容を、英語や日本語で正確にまとめる力が求められます。
読み上げの回数
大学によって、1回だけの場合も、2回読まれる場合もあります。過去問の指示で確認しましょう。
設問を読む時間
設問を先に読む時間が短い、あるいは音声を聞いた後に設問が示される形式もあります。設問がなくても内容をメモできる力が必要になります。
メモの取り方:構造をつかむ
長い音声では、すべてを覚えておくことはできません。メモの取り方が得点を左右します。
メモの基本ルール
- 単語だけ、または短いフレーズで書く
- 数字・固有名詞・年代は必ずメモ
- 記号を使う(↑増加、↓減少、→因果、⇔対比、×否定、?疑問)
- 話の区切り(First / Second / However)で行を変える
自作の例:講義のメモ
音声の内容(要旨):睡眠についての講義。十代は体内時計が遅れる傾向がある。そのため、朝早い授業では集中しにくい。ある地域で始業時間を遅らせたところ、出席率が上がったという報告がある。ただし、部活や家庭の事情との調整が課題。
メモ例:
- teen 体内時計 → 遅れ
- 朝早い授業 → 集中×
- 始業↓遅らせ → 出席↑
- ⇔ 課題:部活・家庭
メモの練習法
最初はスクリプトを見ながら、「どこをメモすべきだったか」を確認します。慣れてきたら、スクリプトを見ずにメモを取り、メモだけで内容を要約してみましょう。
記述式の答え方
記述式のリスニング問題では、次の点に注意しましょう。
英語で答える場合
- 設問の疑問詞に合わせて答える(Why → Because ~ / What → 名詞句や文)
- 文法的に正しい英語で書く(つづりのミスにも注意)
- 設問の指示(語数・文の形)を守る
自作の例:
設問:Why did attendance improve?
答え:Because students could sleep longer and were less tired in the morning.
日本語で答える場合
- 聞き取った内容を、自然な日本語でまとめる
- 設問が問うことだけに答える(関係ない情報は書かない)
- 数字や固有名詞を正確に
聞き取れなかった部分がある場合
空欄にするより、メモから推測できることを書くほうがよい場合があります。部分点が与えられる可能性もあるので、わかった範囲で答えましょう。
練習法:ディクテーションと講義動画
ディクテーション(書き取り)
音声を聞いて、聞こえた英語をそのまま書き取る練習です。自分がどこを聞き取れていないかがはっきりわかります。
手順:
- 短い音声(30秒程度)を1文ずつ止めながら書き取る
- スクリプトと比べ、聞き取れなかった部分に印をつける
- 聞き取れなかった理由を考える(知らない単語?音の変化?)
- 印の部分を音声のまねで繰り返し言う
時間がかかる練習なので、1日1〜2分の音声で十分です。
英語の講義動画
大学の授業に近い英語に慣れるには、英語の講義形式の動画が役立ちます。TEDのような講演や、TED-Edのような教養系のアニメーション動画は、学術的な話題を扱ったものが多く、練習素材に向いています(動画の内容を丸写しするのではなく、聞き取りの練習として使いましょう)。
手順:
- 5分程度の動画を、字幕なしで聞きながらメモを取る
- メモから内容を日本語で3行に要約
- 英語字幕で確認し、聞き取れなかった部分を確認
シャドーイング
聞き取れるようになった音声は、シャドーイングで仕上げます。
試験本番での時間の使い方
個別試験では、リスニングが英語の試験時間の途中や最初に行われることがあります。形式に合わせて、本番の動き方を決めておきましょう。
リスニングが試験の途中にある場合
長文を解いている途中でリスニングが始まる形式では、リスニング開始の数分前には長文の手を止め、設問の先読みに切り替えることが大切です。長文に夢中になって、先読みの時間がなくなるのは避けたい失敗です。
音声が始まる前にやること
- 設問が示されていれば、疑問詞とキーワードに印をつける
- メモ用の余白を確保し、話の区切りごとに書く場所を決めておく
- 選択肢がある場合は、選択肢どうしの違いを確認
音声が終わったあと
- メモを見ながら、記憶が新しいうちに答える
- 記述式は、まず要点を短く書き、時間があれば整える
過去問でリハーサル
志望校の過去問を解くときは、リスニングも含めて本番と同じ順番・時間で解きましょう。リスニングの前後で集中力がどう変わるかを体験しておくと、本番で慌てずにすみます。
よくある失敗と1週間メニュー
よくある失敗
- 共通テストのリスニング対策だけで、個別試験の形式に慣れていない
- メモを英語で全部書こうとして、聞くことに集中できない
- 記述式で、設問が問うこと以外まで書いて答えがぼやける
- 過去問の音声を用意せずに、直前期まで練習しない
1週間メニュー(1日20分)
- 月:ディクテーション(1〜2分の音声)
- 火:英語の講義動画を聞いてメモ→日本語で要約
- 水:志望校の過去問のリスニング1題
- 木:水曜の音声をスクリプトで確認、シャドーイング
- 金:ディクテーション
- 土:講義動画(少し長め)でメモの練習
- 日:1週間で聞き取れなかった表現のまとめ
今日やることは、志望校の過去問でリスニングの有無と形式を確認すること。リスニングがあるなら、今日から1日1〜2分のディクテーションを始めましょう。



