なぜ直前期に復習ノートが効くのか
直前期は、新しいことを覚えるよりも、これまでに間違えたことを確実に直すほうが得点につながりやすい時期です。
ところが、問題集や過去問がたくさんあると、どこで間違えたかを探すだけで時間がかかってしまいます。復習ノートは、自分の弱点だけが集まった1冊。直前期の限られた時間で、効率よく見直せます。
復習ノートのメリット
- 自分がよく間違えるパターンが見える
- 見直す範囲が絞られる
- 試験当日の朝に見る「お守り」になる
学習研究では、情報を思い出す練習(想起練習)が記憶の定着に効果的だとされています。復習ノートを読み返すだけでなく、隠して思い出す使い方をすると、さらに効果的です。
復習ノートは「きれいにまとめる」ものではなく、「間違いを二度としない」ための道具です。
ノートの基本ルール:書きすぎない
復習ノートでよくある失敗は、書きすぎて見直せないことです。次のルールを守りましょう。
ルール1:1項目は3行以内
問題文をすべて書き写す必要はありません。「間違えたポイント」と「正しい知識」だけを書きます。
ルール2:分野別にページを分ける
- 単語・熟語
- 文法・語法
- 長文(読み方のミス)
- リスニング
- 英作文・和訳
ルール3:「なぜ間違えたか」を一言添える
- 知らなかった
- 知っていたのに勘違いした
- 時間がなくて焦った
ルール4:見直したら印をつける
見直して正解できたら ✓ をつけます。✓ が3つついたら卒業。直前期には、✓ が少ない項目だけを見直せばよくなります。
分野別の記入例(自作)
単語・熟語
- attribute A to B:AをBのせいにする/Bに帰する
- ミス:「AにBを与える」と勘違い
- considerate / considerable:思いやりのある/かなりの
- ミス:形が似ていて混同
文法・語法
- suggest の後の that 節:He suggested that she (should) take a rest.
- ミス:takes と書いた(提案の that 節では動詞の原形または should+原形)
長文
- Although の節は譲歩、主張は主節
- ミス:Although のあとの内容を筆者の主張と取り違えた
リスニング
- was going to ~ は「するつもりだったが、しなかった」可能性
- ミス:実際に行ったと思い込んだ
英作文・和訳
- 「~する人が増えている」→ More and more people ~
- ミス:People who ~ are increasing と書いた(人そのものが増殖しているような不自然な英語)
1項目3行以内で、パッと見て思い出せる形にしましょう。
1日10分の見直し方
直前期の復習ノートは、毎日少しずつ見直すのがポイントです。
見直しの手順
- ノートの右側(正しい知識)を手や紙で隠す
- 左側(問題・キーワード)を見て、正しい知識を思い出す
- 思い出せたら ✓、思い出せなかったら何もつけない
- ✓ が3つになった項目は、見直しの対象から外す
見直しのタイミング
- 朝の10分:前日に追加した項目
- 寝る前の10分:✓ の少ない項目
間隔をあけて繰り返し思い出すことで、記憶が定着しやすくなるとされています。同じ日に何度も見るより、日をまたいで見るほうが効果的です。
追加するタイミング
過去問や問題集を解いたら、その日のうちに間違えた項目を追加します。ためてから書くと、面倒になって書かなくなるので、その日のうちが鉄則です。
試験当日の朝に見るページを作る
復習ノートの最後に、試験当日の朝に見る1ページを作っておきましょう。
当日ページに入れるもの
- 何度も間違えた項目(✓ がなかなかつかなかったもの)トップ10
- 時間配分のメモ(大問ごとの目標時間)
- 英作文の型(序論・本論・結論の書き出し)
- 自分への一言(「見直しの時間を残す」「1問にこだわらない」など)
自作の当日ページ例
- 長文:設問を先に読む/段落メモ
- 英作文:I believe ~ for two reasons. First, ~. Second, ~. Therefore, ~.
- 和訳:指示語は具体的に
- 時間:長文1題25分以内、英作文20分
- ミス注意:suggest that +原形/considerate と considerable
使い方
試験会場に向かう電車の中や、試験開始前の時間に見ます。新しい参考書を開くより、自分の弱点が詰まった1ページを見るほうが、落ち着いて試験に臨めます。
模試・問題集とのつなぎ方
復習ノートの材料は、過去問だけではありません。模試や学校の課題、問題集も立派な材料です。
模試の復習から追加する
模試が返ってきたら、間違えた問題の中から「次は取れるはずの問題」を優先してノートに入れましょう。難しすぎて手が出なかった問題より、あと一歩で取れた問題のほうが、直前期の得点に直結します。
問題集はページ番号だけメモ
問題集の間違いを全部書き写すと時間がかかります。ノートには要点だけを書き、「文法問題集p.52 No.7」のように出典をメモしておけば、必要なときに元の問題に戻れます。
授業のノートとの違い
授業のノートは「習ったことの記録」、復習ノートは「自分が間違えたことの記録」です。復習ノートには、自分が間違えたことしか書かない。これを守るだけで、ノートの密度がぐっと上がります。
分野別の「よくある間違い」を見つける
ノートが30項目ほどたまったら、分野ごとに数えてみましょう。「文法のページだけ項目が多い」「リスニングは否定の聞き逃しばかり」など、自分の弱点の傾向が数字で見えてきます。直前期の勉強の配分を決める材料になります。
よくある失敗と始め方
よくある失敗
- きれいに書こうとして時間がかかる:色ペンは1〜2色で十分
- 問題文を全部書き写す:見直すときに読むのが大変
- 作るだけで見直さない:ノートは見直してこそ意味がある
- 何冊も作る:分野ごとにノートを分けると、持ち歩けなくなる。1冊にまとめる
今から始める人へ
直前期から始めても遅くはありません。
- 今週解いた過去問・問題集から、間違えた問題を5つ選ぶ
- 1項目3行以内でノートに書く
- 明日の朝、隠して思い出してみる
1週間メニュー
- 月〜金:問題を解いたら、その日のうちにノートに追加(5分)+見直し(10分)
- 土:1週間分の項目をまとめて見直し
- 日:✓ が3つついた項目を確認し、当日ページの候補を選ぶ
今日やることは、最近解いた問題から間違いを5つ選んで、1項目3行以内で書き出すこと。それが、あなただけの最強の参考書の1ページ目になります。



