英語が部活と両立しやすい理由
英語の勉強には、大きく分けて2種類あります。
- まとまった時間が必要なもの:長文読解の演習、過去問、英作文の練習
- 短い時間に分けられるもの:単語、熟語、文法の確認、音読、リスニング
部活期間中は、後者を中心に組み立てるのがコツです。特に単語は、一度に長時間やるより、短い時間を何回にも分けて復習したほうが記憶に残りやすいことが知られています。つまり、忙しい部活生のスキマ時間は、実は単語学習にぴったりなのです。
一方で、長文読解や英作文は、部活のオフ日や週末にまとめて取り組みます。平日は「道具を磨く」、週末は「道具を使う」と役割を分けると、限られた時間でも無駄がありません。
ポイント:平日はスキマ時間で単語・文法・音読、週末にまとまった演習。役割分担が両立のカギです。
1日のスキマ時間を探してみよう
まずは自分の1日を見直して、英語に使える時間を探してみましょう。部活生によくあるスキマ時間は次のとおりです。
- 朝の通学時間(電車・バス):10〜30分
- 朝のホームルーム前:5〜10分
- 授業間の休み時間:5分×数回
- 昼休みの後半:10分
- 帰りの通学時間:10〜30分
- お風呂・歯みがき中:5〜10分
- 寝る前:10〜15分
全部を使う必要はありません。でも、このうち3つを英語にあてるだけで、1日30〜45分になります。
時間ごとの向き・不向き
- 電車の中:単語アプリ、単語帳、リスニング(イヤホン)
- 休み時間:前日の単語の確認、文法問題を2〜3問
- お風呂・歯みがき:英語の音声を流すだけ、覚えたフレーズを口に出す
- 寝る前:その日覚えた単語を思い出してチェック
寝る前の復習は、その日の内容を振り返るのにちょうどいいタイミングです。ただし、眠いのに無理に新しい内容を詰め込むより、思い出すだけの軽い作業にとどめましょう。
疲れた日の「最低ライン」を決めておく
部活生が英語の習慣を崩す一番の原因は、「今日は疲れたから休もう」が何日も続くことです。これを防ぐために、あらかじめどんなに疲れていてもこれだけはやる最低ラインを決めておきましょう。
最低ラインの例
- 単語帳を開いて、昨日の範囲を1回見る(3分)
- 英語の音声を1本聞く(5分)
- 教科書の本文を1段落だけ音読する(2分)
ポイントは「5分以内で終わる」ことです。ハードルが低いほど、疲れた日でも手が伸びます。そして実際に始めると、「もう少しやろうかな」と思えることも多いものです。
ポイント:ゼロの日を作らないことが、部活生の最強の戦略。3分でも続けば習慣は切れません。
if-thenで自動化する
「〇〇したら、△△する」と行動をセットにしておくと、意志の力に頼らずに続けられます。
- 電車に乗ったら、単語アプリを開く
- 歯をみがき始めたら、英語の音声を流す
- ベッドに入ったら、今日の単語を5個思い出す
自分の生活にあったセットを2〜3個作ってみましょう。
部活生のための1週間メニュー
平日に練習があり、週1日オフ、土日のどちらかが試合や練習という部活生を想定したメニュー例です。
平日(練習がある日)
- 朝の通学:単語 15分(新出20語+前日分の復習)
- 休み時間:文法問題 2〜3問 ×2回
- 帰りの通学:リスニング 10分(教科書音声や学習者向け英語ニュース)
- 寝る前:今日の単語を思い出す 5分
合計:約40分
オフの日
- 長文読解 1題(30〜40分)
- 読んだ長文の音読 10分
- 1週間分の単語まとめテスト 15分
試合・練習の休日
- 移動中に単語とリスニング
- 帰宅後は最低ラインのみでOK
もう1日の休日
- 文法問題集を1単元(40分)
- 英作文や和訳の練習 1題(30分)
- 週の振り返り 10分
「オフの日にまとめて頑張る」だけにすると、オフが試合で潰れたときに何もできない週ができてしまいます。平日のスキマ時間を土台にしておくのがポイントです。
よくある失敗と対策
部活と勉強の両立でつまずきやすいパターンを3つ紹介します。
失敗1:机に向かえないと勉強できないと思い込む
「帰ってから机でしっかりやろう」と考えていると、疲れて結局何もできない日が増えます。英語の暗記系は机の外でできるものがほとんどです。スマホの単語アプリや、ポケットに入る単語カードを活用しましょう。
失敗2:授業中に寝てしまう
疲れていると授業中に眠くなるのは仕方ない面もありますが、授業は一番効率の良い勉強時間です。英語の授業だけは集中する、と決めるだけでも、家での勉強時間を大きく節約できます。睡眠時間を削って夜遅くまで勉強するのは逆効果になりがちです。
失敗3:引退後にやればいいと先送りする
引退後に集中して取り組むのは大切ですが、そこで単語や文法がゼロから始まると、演習に入るまでに時間がかかります。部活期間中に「単語帳1周+文法の基本」を終わらせておけば、引退後すぐに長文や過去問へ進めます。
通学時間を最大化するスマホ・単語カード活用術
部活生にとって、通学時間は1日の中で最も確実に確保できる勉強時間です。ここをどう使うかで、1年後の英語力が大きく変わります。
単語アプリの使い方
間隔反復の機能がある単語アプリを使うと、「今日復習すべき単語」を自動で出してくれるので、自分で計画を立てる手間が省けます。電車に乗ったらアプリを開き、まず復習分を片付け、時間が余ったら新しい単語に進む、という流れにすると迷いません。
紙の単語カードの使い方
スマホを触ると他のアプリに気を取られてしまう人は、紙の単語カードがおすすめです。表に英語、裏に意味と短いフレーズを書きます。
- 表:reduce
- 裏:減らす / reduce the cost(費用を減らす)
リングでまとめて20枚ずつ持ち歩き、覚えたカードは外し、覚えていないカードは次の日も持ち歩きます。
リスニングの使い方
満員電車で単語帳を開けない日は、イヤホンでリスニングに切り替えましょう。教科書の音声や、学習者向けのやさしい英語ニュースがおすすめです。同じ音声を何日か続けて聞くと、聞き取れる部分が少しずつ増えていくのを実感できます。
ポイント:「電車ではこれ」と決めておけば、乗った瞬間に迷わず始められます。迷う時間をなくすことが、スキマ時間活用の最大のコツです。
通学時間ゼロの人は
自転車や徒歩で通学している人は、安全のために手元で操作する勉強は避けましょう。代わりに、家を出る前の5分や、学校に着いてからの5分を単語の時間にあてるのがおすすめです。
引退後に一気に伸びるための準備
部活を最後までやり切った受験生が、引退後に大きく伸びることはよくあります。部活で身につけた集中力や、目標に向かってコツコツ練習する力は、そのまま受験勉強にも活きるからです。
その伸びを最大化するために、引退前に次の状態を目指しておきましょう。
- 受験用単語帳を少なくとも1周している
- 高校文法の主要単元がひととおりわかる
- 毎日英語に触れる習慣がある
- 志望校(または志望校の候補)の英語の出題形式を一度見ている
これがそろっていれば、引退後は長文演習や過去問に時間を集中でき、効率よく実力を上げられます。
部活と勉強の両立は大変ですが、「全部を完璧に」ではなく「毎日少しでも前へ」で十分です。今日の帰りの電車から、単語アプリを開いてみましょう。



