まずは苦手の原因を見つける
「英語が苦手」といっても、その原因は人によって違います。原因がわからないまま勉強量を増やしても、なかなか成果は出ません。まずは自分がどこでつまずいているかを確認しましょう。
セルフチェック
次の英文を読んでみてください(自作例文)。
- My brother plays soccer every Sunday.
- The book which I read last week was very interesting.
- If I had more time, I would study abroad.
- 1の意味がわからない:中学英語の単語・文法からやり直す必要があります
- 1はわかるが2がわからない:関係代名詞など、高校文法の基本を確認しましょう
- 2はわかるが3がわからない:仮定法など、高校文法の重要単元を確認しましょう
- 全部わかるのに長文が読めない:単語量が足りない、または読む量が足りない可能性があります
訳:1. 兄(弟)は毎週日曜日にサッカーをする。2. 先週読んだ本はとてもおもしろかった。3. もしもっと時間があれば、留学するのに。
ポイント:苦手克服の第一歩は、「どこからわからないか」を知ること。恥ずかしがらずに、わかるところまで戻りましょう。
戻る勇気:中学英語からのやり直し
英語が苦手な受験生の多くは、中学英語のどこかに穴があります。受験生が中学の内容に戻るのは遠回りに見えるかもしれませんが、実は一番の近道です。
中学英語で確認したいこと
- be動詞と一般動詞の区別
- 三人称単数の -s
- 過去形と過去分詞(不規則動詞)
- 現在完了の基本
- 比較級・最上級
- 不定詞・動名詞の基本
- 受動態
- 関係代名詞の基本
中学英語の範囲をまとめた薄い問題集を1冊選び、2〜3週間で一気に終わらせましょう。すでにわかっている単元は、例題だけ確認して飛ばして構いません。
よくある心配
「今さら中学の問題集なんて…」と思うかもしれません。でも、高校の文法や長文は、中学英語の土台の上に成り立っています。土台に穴があるまま上に積み上げようとしても、崩れてしまいます。2〜3週間で土台を固めれば、その後の伸びが大きく変わります。
逆転の3本柱:単語・文法・音読
英語が苦手な受験生の逆転プランは、次の3本柱で進めます。
柱1:単語(毎日30分)
受験用の単語帳の中でも、基本レベルのものを1冊選びます。いきなり難しい単語帳に挑戦するより、基本単語を確実に覚えるほうが、長文での理解度は大きく上がります。
- 1日50語程度を「見る」→意味を隠して「思い出す」
- 翌日・3日後・1週間後に復習
- 覚えられない単語は、短いフレーズで覚える(例:make a mistake = 間違える)
柱2:文法(毎日30分)
中学英語の確認が終わったら、高校文法の基本的な問題集に進みます。解説が丁寧で、問題数が多すぎないものを選びましょう。
- 1日1単元を目安に進める
- 間違えた問題の正しい英文を音読する
- 1週間の終わりに、その週の単元を混ぜて解き直す
柱3:音読(毎日15分)
文法問題集の例文や、教科書の英文など、意味が完全にわかる英文を音読します。音読を続けると、英語の語順のまま意味をとる感覚が少しずつ育ち、読むスピードも上がっていきます。
3か月の逆転スケジュール
ここでは、英語に1日1時間半〜2時間使える受験生を想定した、3か月のスケジュール例を紹介します。
1か月目:土台づくり
- 1〜3週目:中学英語の総復習(問題集1冊)
- 単語:基本単語帳を1日50語、1周目
- 音読:中学レベルの英文を毎日15分
- 4週目:高校文法の問題集をスタート
2か月目:高校文法と短い英文
- 高校文法の問題集を1日1単元
- 単語帳の2周目
- 短めの英文(200語程度)を2日に1題読み、全文の意味を確認して音読
3か月目:長文と志望校の形式
- 文法問題集の2周目(間違えた問題中心)
- 標準レベルの長文を1日1題、時間を計って解く
- 長文の復習:わからなかった文の構造を確認→音読
- 志望校の過去問を1年分解いて、形式を確認
1週間の具体例(2か月目)
- 月〜金:単語30分、文法30分、短い英文15分、音読15分
- 土:1週間の文法単元を混ぜて解き直し、単語の確認テスト
- 日:休み、または単語と音読だけ
3か月で英語がすべて得意になるわけではありませんが、「英文を見ても逃げたくならない」状態にはなれるはずです。そこから、長文演習や過去問に本格的に進んでいきましょう。
やってはいけない勉強法
英語が苦手な受験生がはまりやすい落とし穴を紹介します。
1. いきなり難しい長文問題集を解く
周りの受験生と同じ問題集を使いたくなる気持ちはわかりますが、単語と文法の土台がないまま長文を解いても、ほとんど理解できずに終わってしまいます。まずは土台づくりを優先しましょう。
2. 問題集を何冊も買う
不安から問題集を何冊も買うと、どれも途中で終わってしまいがちです。単語帳1冊・文法問題集1冊を決めて、繰り返しましょう。
3. 解説を読んだだけで次に進む
「わかった」と「できる」は違います。解説を読んだら、何も見ずにもう一度解く習慣をつけましょう。
4. 苦手だからと英語の時間を減らす
苦手な科目ほど避けたくなりますが、英語は多くの大学で配点が大きい科目です。毎日少しずつでも触れる時間を確保しましょう。
5. 他人と比べて落ち込む
周りと比べると焦りが増えますが、比べるべきは「1か月前の自分」です。単語テストの正答率や、読めるようになった英文の数など、自分の成長を記録していきましょう。
モチベーションを保つ工夫
英語が苦手な状態から勉強を続けるのは、気持ちの面でも大変です。やる気を保つための工夫を紹介します。
小さな目標を設定する
「偏差値を上げる」のような大きな目標だけでなく、「今週は単語帳を300語進める」「文法問題集を5単元終わらせる」のような、1週間で達成できる目標を立てましょう。達成するたびに、自信が少しずつ積み上がります。
記録をつける
毎日の勉強内容と時間を、手帳やアプリに記録しましょう。記録が積み上がると、「これだけやってきた」という事実が支えになります。
楽しめる英語にも触れる
勉強の合間に、好きな洋楽の歌詞を調べてみたり、英語の短いアニメーション動画を見たりするのもおすすめです。「英語=つらいもの」というイメージを少しずつ変えていくことも、長く続けるためには大切です。
ポイント:苦手な人ほど、「できた」という小さな体験を意識的に作ることが、継続の力になります。
まとめ:今日から逆転を始めよう
英語が苦手でも、正しい順番で基礎を固めれば、点数は伸ばせます。
- まず「どこからわからないか」を確認する
- 必要なら中学英語まで戻り、2〜3週間で土台を固める
- 単語・文法・音読の3本柱を毎日続ける
- 3か月で「英文から逃げない」状態を目指す
- 教材は絞り、他人ではなく過去の自分と比べる
逆転は、今日の小さな一歩から始まります。まずはこの記事のセルフチェックの3文をもう一度読んで、自分がどこから始めるべきかを決めてみましょう。そして今日のうちに、単語帳を開いて20語だけ覚えてみてください。その20語が、逆転プランの最初の1ページです。



