まず知っておきたい:スコアは「階段状」に伸びる
英語力は、勉強した分だけ毎回まっすぐ上がっていくものではありません。しばらく横ばいが続き、あるとき一段上がる、という階段のような伸び方をすることがよくあります。
また、TOEICのスコアは、その日の体調や集中力、問題との相性などによっても多少上下します。1回の結果だけで「伸びていない」と判断するのは早いかもしれません。
とはいえ、何回受けても変わらない、半年以上横ばいが続いている、という場合は、勉強のやり方に原因がある可能性が高いです。次のセクションから、よくある原因を見ていきましょう。
ポイント:1回の上下で一喜一憂しない。ただし、長く続く停滞には必ず理由がある。
原因チェックリスト:当てはまるものは?
次の7つのうち、自分に当てはまるものにチェックを入れてみてください。
- 解きっぱなし:模試や問題集を解いたあと、答え合わせだけで次へ進んでいる
- 単語不足:Part 5やPart 7で、知らない単語が多くて意味が取れない
- 音で復習していない:リスニングの復習がスクリプトを読むだけで終わっている
- 時間配分が崩れている:リーディングで毎回10問以上残る
- 教材が多すぎる:いろいろな問題集に手を出し、どれも1周しかしていない
- 弱点を放置している:得意なパートばかり練習している
- 学習量が足りていない:週に数時間しか英語に触れていない
いくつ当てはまりましたか? 複数当てはまるなら、最も影響が大きそうなもの1つから手をつけましょう。全部を一度に直そうとすると、どれも中途半端になりがちです。
原因を見つけるための記録
チェックリストで迷ったら、次の模試で以下の3つを記録してみてください。
- パート別の正答数(どこで落としているか)
- リーディングで残った問題数(時間の問題か)
- 間違えた理由の分類:語彙・文法・聞き取り・理解・時間(何が足りないか)
たとえば、間違いの半分以上が「語彙」なら原因2、「聞き取り」なら原因3、「時間」なら原因4が有力です。感覚ではなく数字で原因を特定すると、対策がぶれません。
原因別の対策①:復習・単語・リスニング
1. 解きっぱなし → 復習の比率を上げる
新しい問題を解く時間より、解いた問題を復習する時間を長くします。目安として、解く時間と同じか、それ以上の時間を復習に使いましょう。間違えた問題について「なぜ間違えたか」を一言で書くだけでも効果があります。
2. 単語不足 → 単語帳1冊を何周も
知らない単語が多いと、文法や読解のテクニックも活かせません。TOEIC向けの単語帳を1冊決めて、毎日少しずつ、何周も回しましょう。問題集で出会った知らない単語も、例文ごと追加していきます。
3. 音で復習していない → 音読・シャドーイング
リスニングは、スクリプトを読んで「意味が分かった」だけでは伸びません。本番では文字が見えないからです。復習では、
- 音声に合わせてスクリプトを見ながら読む
- スクリプトなしでシャドーイング
- 何も見ずに聞いて全部分かるか確認
の3段階を踏みましょう。「読めば分かるのに聞くと分からない」部分こそ、スコアが伸びる余地です。
「分かったつもり」を見抜く
復習のときに解説を読んで「なるほど」と思った問題も、翌日にもう一度解いて、正解の根拠を自分の言葉で説明できるかを確かめましょう。説明できなければ、まだ本当には身についていないサインです。
原因別の対策②:時間配分・教材・弱点・学習量
4. 時間配分が崩れている → パート別の時間を測る
模試を解くとき、Part 5・6・7それぞれにかかった時間を記録します。Part 5で考え込んでいる、Part 7の1文書で粘っている、など、時間を失っている場所が見えてきます。時間配分の詳しい考え方は別記事「TOEICの時間配分と解き方のコツ」で紹介しています。
5. 教材が多すぎる → 1冊に絞る
公式問題集1冊+単語帳1冊を軸にし、それを使い倒すことを優先します。新しい教材は、今の教材を十分に復習し終えてから追加しましょう。
6. 弱点を放置 → 苦手パートに時間を寄せる
パート別の正答率を出し、最も低いパートに学習時間の多くを割きます。得意なパートを練習するのは気持ちがいいですが、伸びしろは苦手なパートにあります。
7. 学習量が足りない → 毎日の最低ラインを作る
忙しくて時間が取れない人は、「毎日最低15分」のように最低ラインを決め、通勤時間などに英語を聞く習慣を作りましょう。量を増やすより、ゼロの日をなくすことから始めるのが現実的です。
停滞期を抜ける2週間の立て直しプラン
原因が見えたら、2週間の立て直しプランで集中的に手を打ちます。以下は、「解きっぱなし」と「音で復習していない」が主な原因だった場合の例です。
1週目:現状分析と復習の型づくり
- 1日目:公式問題集を1回分、本番どおりに解く(リスニング)
- 2日目:リーディングを本番どおりに解く
- 3日目:パート別の正答数と、Part 5〜7の所要時間を記録
- 4〜7日目:間違えた問題を毎日1パートずつ復習。リスニングは音読とシャドーイングまで
2週目:弱点パートの集中練習
- 8〜11日目:最も正答率が低いパートを毎日20分練習し、同じ手順で復習
- 12日目:1週目で間違えた問題を解き直す(根拠を言えるか確認)
- 13日目:リスニングの復習済み音声を通しで聞く
- 14日目:2週間でやったことを振り返り、次の2週間の計画を立てる
この2週間は、新しい模試をどんどん解くより、1回分を深く掘ることを優先します。
メンタル面の停滞への対処
停滞期には、やり方だけでなく気持ちの面でもつまずきやすくなります。
- 比べる相手を変える:他人のスコアではなく、1か月前の自分と比べる。「Part 2の聞き取りが楽になった」など、スコア以外の変化にも目を向ける
- 小さな成功を記録する:「Part 5を15問、根拠まで言えた」など、毎日の達成を書き出す
- 目的を思い出す:なぜTOEICのスコアが必要なのか(就職、昇進、海外旅行など)を1行で書いて、見える場所に貼る
また、疲れがたまっているときは、思い切って1〜2日、軽い学習(好きな英語の動画を見るなど)に切り替えるのも一つの方法です。長く続けることが、最終的にはスコアアップへの一番の近道です。
よくある失敗とまとめ
- 原因を分析せずに勉強量だけ増やす:やり方が同じなら、量を増やしても結果が変わりにくい
- 新しい教材に乗り換え続ける:復習が浅いまま、同じミスを繰り返す
- 全部の原因を一度に直そうとする:1つずつ、最も影響の大きい原因から
- 1回のスコアで判断する:数回分の結果と、パート別の変化を見る
スコアが伸びないときは、努力が足りないのではなく、努力の向きを少し調整する時期なのかもしれません。今日は、この記事のチェックリストで当てはまる原因を1つ選び、そのための対策を1つだけ、今日の勉強に取り入れてみましょう。



