Part 7の形式と「時間が足りない」の正体
IIBCの公式案内によると、Part 7はいくつかの文書を読んで設問に答える問題です。1つの文書に関する問題が29問、複数の文書に関する問題が25問、合計54問で、選択肢はいずれも4つ。文書の中に新しい一文を入れるのに最も適切な箇所を選ぶ設問も含まれます。
Part 7で時間が足りなくなる原因は、大きく2つに分けられます。
- 解き方の問題:本文を何度も読み返している、1つの設問で粘りすぎている
- 読むスピードの問題:そもそも英文を読むのに時間がかかる
テクニックで改善できるのは1番目です。2番目は、ふだんの練習で英語を読む量とスピードを上げていくしかありません。この記事では、両方を扱います。
ポイント:「解き終わらない」の原因が、解き方なのか読む速さなのかを最初に見極めましょう。
設問が先か、本文が先か
Part 7の解き方にはいろいろな流儀がありますが、よく使われるのは次の方法です。
おすすめの基本手順
- 設問だけをざっと見る(選択肢までは読まない)
- 本文を最初から読む。設問に関係しそうな部分が出てきたら、その場で答える
- 残った設問は、キーワードで本文を探す
設問を先に見ておくと、「何を探しながら読めばいいか」が分かります。ただし、選択肢まで全部読んでから本文に入ると、情報が多すぎて頭に残りません。設問の中の名詞や数字だけを頭に置くくらいがちょうどよいでしょう。
設問のタイプ
- 目的・主題:What is the purpose of the e-mail?(冒頭に答えがあることが多い)
- 詳細:When will the event begin?(キーワードで探せる)
- NOT問題:What is NOT mentioned?(選択肢を1つずつ本文と照合する必要があり、時間がかかる)
- 推測:What is suggested about〜?(本文の情報から言えることを選ぶ)
- 同義語:本文中の単語に最も近い意味を選ぶ(文脈での意味を問われる)
NOT問題や推測問題は時間がかかるので、「最後に回す」判断も選択肢の一つです。
複数の文書の問題:情報を「つなぐ」
Part 7の後半は、メールと請求書、広告と申込書のように、2つ以上の文書を組み合わせた問題です。ここで特徴的なのが、2つの文書の情報を組み合わせないと解けない設問です。
作例で考える
- 文書1(広告):「会員は全商品10%割引。ゴールド会員はさらに送料無料」
- 文書2(注文確認メール):「ゴールド会員のSatoさま、ご注文ありがとうございます」
- 設問:Sato さんについて正しいことは?
- 正解:配送料を払う必要がない
文書2だけでは「送料無料」は分からず、文書1だけでは「Satoさんが誰か」は分かりません。2つの文書の情報をかけ合わせるのが、複数文書の典型的なパターンです。
読み方のコツ
- それぞれの文書の種類と、誰から誰へを最初に確認する
- 表・リスト・日付・金額など、条件になりそうな情報に注目する
- 設問に人名や日付が出てきたら、それがどの文書にあるかを探す
言い換えと文挿入の問題
言い換えに気づく
Part 7の正解の選択肢は、本文の表現をそのまま使わず、言い換えていることがほとんどです。
- 本文:Our store will be closed for renovation from May 1 to May 10.
- 正解:The store will temporarily stop operating.
「closed for renovation → temporarily stop operating」のように、意味が同じで表現が違う形に慣れておくと、正解に気づきやすくなります。反対に、本文の単語がそのまま並んでいる選択肢は、内容がずれていないか慎重に確認しましょう。
文挿入の問題
文書中の [1]〜[4] の位置のうち、与えられた一文を入れるのに最も適切な場所を選ぶ問題です。
- 挿入する文の中の代名詞やつなぎ言葉(this, such, also, however など)に注目
- それが指す内容がすぐ前にある位置を探す
- 入れてみて、後ろの文とも自然につながるか確認
本文を読みながら、各位置の前後を意識しておくと、最後に探し直す時間が減ります。
読むスピードを上げる練習と1週間メニュー
テクニックだけでは限界があります。読む速さを上げるには、ふだんから「返り読みしない読み方」に慣れることが大切です。
スピードを上げる3つの練習
- スラッシュリーディング:意味のカタマリごとに / を入れ、前から順に意味を取る(例:We are writing / to inform you / that your order / has been shipped.)
- 音読:解き終わった文書を、意味を思い浮かべながら音読する。英語の語順のまま理解する練習になる
- やさしい英文の多読:自分のレベルより少しやさしい英文を大量に読み、「止まらずに読む」感覚をつける
1週間メニュー(1日25〜30分)
- 月:1つの文書の問題を3文書。解いた後にスラッシュを入れて音読
- 火:同じく3文書。言い換え表現をノートに3つ
- 水:複数の文書の問題を1セット。情報をつなぐ設問の根拠に線を引く
- 木:やさしい英文(多読用の本や学習者向けニュース)を15分読む
- 金:月〜水の文書を音読で総復習
- 土:Part 7をまとめて解き、時間を記録
- 日:休み、または好きな英文を10分だけ読む
よく出る文書の種類と読み方のコツ
Part 7には、さまざまな種類の文書が登場します。種類ごとに「どこを見ればいいか」を知っておくと、読む時間を短縮できます。
- Eメール・手紙:件名(Subject)、差出人と受取人、最初の1〜2文で目的をつかむ
- 広告・お知らせ:何の広告か、条件(期間、対象者、割引率)、問い合わせ方法
- 記事:タイトルと第1段落で主題をつかみ、段落ごとの役割を意識する
- チャット・テキストメッセージ:誰が誰に返答しているか、発言の時刻の流れを追う
- 表・フォーム・請求書:項目名を先に確認し、設問に関係する行だけを見る
チャット形式のコツ
複数人のチャットでは、短い発言が続くため、「その発言がどの発言への返事なのか」を見失いやすくなります。発言の意図を問う設問が出ることもあるので、直前の発言とセットで読む習慣をつけましょう。
作例:
A: Can someone cover the front desk at 3 P.M.?
B: I have a client call then.
C: I can do it.
B の発言は、「3時は無理です」という意味の遠回しな断りです。このように、文字通りの意味だけでなく、会話の流れの中での役割を考えることが大切です。
よくある失敗とまとめ
- 設問の選択肢まで全部読んでから本文に入る:情報過多で本文の内容が頭に入らない
- 1つの設問で本文を何度も読み返す:答えが見つからない設問は後回しにする
- 解きっぱなし:解いた文書を音読・再読しないと、読むスピードは上がらない
- 難しすぎる教材ばかり読む:スピード練習は、少しやさしい英文のほうが効果的
Part 7は、解き方の工夫と、読む量の積み重ねの両方でスコアが伸びるパートです。今日は、公式問題集のPart 7から1文書だけ選び、スラッシュを入れて音読するところから始めてみましょう。同じ文書を3回読むと、1回目より明らかに速く読めることに気づくはずです。



