夏休みの英語で目指すゴール
まず、夏休みが終わった時点でどうなっていたいかを決めましょう。高3の場合、秋からは共通テストの演習や志望校の過去問が本格化します。そのため、夏休みのゴールは「演習に入れる状態を作ること」です。
高3の夏休みゴール例
- 受験用単語帳の主要部分を2周以上して、見て意味がすぐ出る
- 高校文法の全単元をひととおり復習し、弱点単元をつぶしている
- 複雑な英文でも、主語・動詞・修飾関係を見抜いて訳せる
- 標準レベルの長文を、時間を計って1日1題解ける
- 志望校の過去問を1年分見て、出題形式を知っている
全部を完璧にするのは難しくても、このリストを基準に「自分はどこが足りないか」をチェックすると、やるべきことがはっきりします。
ポイント:夏休みは「新しい問題集を増やす時期」ではなく、「今までの穴を埋めて演習の準備を整える時期」です。
優先順位は「単語→文法→解釈→長文」
英語の力は、下の段が崩れていると上の段が積み上がらないピラミッドのようなものです。
- 単語・熟語:知らない単語が多すぎると、どんなに読み方を工夫しても読めない
- 文法:単語がわかっても、文の構造がわからないと意味がとれない
- 英文解釈:文法の知識を使って、長く複雑な1文を正確に読む
- 長文読解:複数の文・段落のつながりを追い、速く全体を理解する
夏休みの最初に、自分がどの段で止まっているかを確認しましょう。模試の結果を見て、「単語で知らないものが多かった」なら単語を厚めに、「単語はわかるのに文の意味がとれない」なら文法と解釈を厚めにします。
よくある失敗
一番多いのは、単語や文法があやふやなまま長文問題集を何冊も解いてしまうことです。解いた量のわりに伸びず、「長文は才能だ」と誤解してしまいます。長文で間違えた原因が単語や文法にあるなら、その段に戻ることが一番の近道です。
1日の時間割例(英語に3時間使う場合)
他の科目とのバランスもあるので、ここでは英語に1日3時間程度使う想定で時間割を作ってみます。
午前(集中力が高い時間)
- 9:00〜9:30 単語(新出+復習)
- 9:30〜10:30 英文解釈 または 文法問題集
午後
- 14:00〜14:40 長文読解 1題(時間を計る)
- 14:40〜15:10 長文の復習(わからなかった文の構造確認・単語チェック)
- 15:10〜15:30 復習した長文の音読
夜
- 21:00〜21:20 リスニング
- 寝る前 10分 今日の単語の確認
大切なのは、長文を解いたら必ず同じくらいの時間をかけて復習することです。解きっぱなしでは、同じミスを繰り返します。わからなかった文を1文ずつ分析し、最後に音読までして「スラスラ読める英文」にしましょう。
夏期講習がある日は、講習の予習・復習を優先し、単語と音読だけは毎日続けるようにすると無理がありません。
講習や学校の補習がある日の時間割
講習で英語の授業を受ける日は、自習の時間を減らしてかまいません。そのかわり、講習で扱った英文の復習と音読をその日のうちに済ませましょう。「授業を受けた量」ではなく「自分で復習した量」が力になります。単語30分だけは、講習の有無にかかわらず毎日のメニューに固定しておくのがおすすめです。
40日を4つの期間に分けるプラン
夏休みを約40日として、10日ずつの4期間に分けて考えてみます。
第1期(1〜10日目):弱点の洗い出しと文法総復習
- 模試の見直しで弱点単元をリストアップ
- 文法問題集を1周(弱点単元は2回)
- 単語帳は毎日続ける
第2期(11〜20日目):英文解釈に集中
- 英文解釈の問題集で、1日5〜10文を分析
- 標準レベルの長文を2日に1題
第3期(21〜30日目):長文演習を毎日
- 長文を1日1題、時間を計って解く
- 復習と音読を必ずセットにする
- 英作文や和訳など、志望校で出る記述問題の練習も週2回入れる
第4期(31〜40日目):過去問で現在地を確認
- 志望校の過去問を1年分解いてみる
- 共通テスト形式の問題を1回分解く
- 結果から、秋以降の課題を3つ書き出す
途中で予定がずれるのは当たり前です。週に1日は予備日にして、遅れを取り戻す日にしておくと計画倒れを防げます。
高2の夏休みはこうアレンジ
高2の夏休みは、高3ほど追い込む必要はありませんが、まとまった時間で土台を作れる貴重なチャンスです。
- 単語帳:1周目を最後まで終わらせる(1日30〜50語)
- 文法:高1〜高2で習った範囲を問題集で総復習
- 英文解釈:入門レベルの問題集を1冊始める
- 長文:短めの英文を週2〜3題読み、音読する
1日1〜2時間でも、40日続ければ大きな力になります。高2の夏に文法の総復習を終えておくと、高3の春から英文解釈や長文に集中しやすくなります。
ポイント:高2は「広げる」より「1冊をやり切る」夏に。終わらせた達成感が、高3への自信になります。
夏休みにやりたい英語の具体的な練習例
ここでは、夏休みにぜひ取り入れてほしい練習を、具体例つきで紹介します。
英文解釈の練習:1文を徹底分析する
たとえば次のような1文を、自作の例で分析してみましょう。
「The students who had finished their homework early were allowed to leave the classroom.」
- 動詞を探す:finished と were allowed の2つ
- who からの部分が The students を説明している(関係代名詞節)
- 文全体の主語は The students、動詞は were allowed
- 訳:宿題を早く終えていた生徒たちは、教室を出ることを許された
このように「動詞の数を数える」「どこからどこまでが名詞の説明かを括弧でくくる」練習を1日5〜10文続けると、長文の読み違いが目に見えて減っていきます。
長文の復習:3回読みの手順
- 1回目:時間を計って解く
- 2回目:辞書を使いながら、わからない文をすべてなくす
- 3回目:意味を理解した状態で音読する
英作文:1日1文の和文英訳
「私は毎朝、電車の中で単語を覚えている」→「I memorize English words on the train every morning.」のように、身近な内容を1日1文英語にするだけでも、書く力の土台になります。書いたら文法書や辞書で確認し、先生に見てもらえる機会があればまとめて添削してもらいましょう。
ポイント:夏休みは量をこなすだけでなく、1文・1題を深く扱う練習を入れることで、秋以降の伸びが変わります。
計画倒れを防ぐ3つのコツ
最後に、夏休みの計画を最後まで走り切るためのコツを紹介します。
1. 1日の計画は「8割でOK」にする
計画を詰め込みすぎると、1日遅れただけでやる気がなくなります。予定の8割できれば合格、というくらいの計画にしておきましょう。
2. やったことを記録する
手帳やアプリに、その日やった内容と時間を記録します。「今日は単語30分・長文1題」と書くだけで、積み上がりが見えてやる気が続きます。
3. 週に1回振り返る
日曜日の夜などに、1週間の記録を見て「予定通りか」「遅れているならどこを削るか」を考えます。
夏休みが終わったとき、「この夏は英語をやり切った」と言えるかどうかは、最初の数日の動き出しで大きく変わります。まずは今日、夏休みのゴールを3つ紙に書くところから始めてみましょう。



