過去問演習を「3つの箱」に分ける
大学受験の英語の過去問は、大きく3つの箱に分けて考えると計画が立てやすくなります。
箱1:共通テスト
大学入学共通テストの過去問・試作問題・予想問題。形式が全国共通なので、多くの受験生が使います。
箱2:第一志望
最も行きたい大学(学部)の過去問。形式や傾向を深く理解するために、最も多くの時間をかける箱です。
箱3:併願校
第二志望以降の大学の過去問。大学ごとに形式が違うので、傾向をつかむことと時間配分の確認が中心になります。
年間の配分イメージ
- 春〜夏:基礎固めが中心。過去問は「傾向を知る」ために少しだけ
- 秋:第一志望の過去問を本格化、共通テスト形式の演習も並行
- 冬(12月〜共通テスト):共通テスト演習を集中的に
- 共通テスト後:第一志望と併願校の過去問に切り替え
過去問は「実力を測る」ためだけでなく、「残りの時間で何をすべきかを決める」ための道具。早めに見て、計画に反映させましょう。
4〜7月:傾向を知るための「お試し」期
やること
- 第一志望の過去問を1年分だけ解いてみる(時間は気にしすぎなくてOK)
- 共通テストの過去問を1回分解いて、形式を知る
- 併願校の候補の過去問を見るだけ(解かなくてもよい)
目的
- どんな形式が出るか(長文の本数、和訳、英作文、文法問題など)を知る
- 自分の弱点がどこにあるかを知る
- 夏休みの勉強の重点を決める
自作の分析メモの例
第一志望A大学:
- 長文2題(1題は700語程度)
- 下線部和訳あり
- 自由英作文(100語程度)
- 文法問題なし
→ 夏休みの重点:英文解釈(和訳対策)、英作文の型、長文の量
この時期は基礎(単語・文法・英文解釈)が最優先。過去問は解きすぎず、傾向を知ることにとどめましょう。
8〜10月:第一志望の本格演習期
やること
- 第一志望の過去問を、月に2〜3年分のペースで時間を計って解く
- 共通テスト形式の問題を、月に2〜3回分
- 併願校のうち、形式が第一志望と大きく違う大学を1年分解いておく
解いた後の復習に時間をかける
過去問は、解く時間と同じか、それ以上の時間を復習に使います。
- 答え合わせ(根拠の確認)
- 知らなかった単語・表現をノートに
- 和訳・英作文は先生に添削をお願いする
- 時間配分の反省
第一志望は何年分?
目安として、5〜10年分を解く受験生が多いようです。ただし、形式が大きく変わった年より前の問題は、傾向が違う場合があるので注意しましょう。最新の年度のいくつかは、直前期の仕上げ用に残しておく人もいます。
よくある失敗
- 過去問を解くだけで、復習をしない
- 解いた年数を増やすことが目的になる
- 第一志望の最新年度を早い時期に使い切ってしまう
11月〜共通テスト:共通テスト集中期
やること
- 共通テスト形式の問題を、週1〜2回分、本番と同じ時間で解く
- リーディングは大問ごとのラップタイムを記録
- リスニングは毎日(1回読みの問題を中心に)
- 第一志望の過去問は週1回程度で感覚を保つ
共通テストの問題集の使い方
共通テストの過去問に加えて、大学入試センターが公表している試作問題や、予備校などの予想問題集も活用できます。本番の形式に近い問題を優先しましょう。
12月の注意点
12月は、共通テストの演習に集中するあまり、個別試験の記述問題から離れすぎる受験生がいます。和訳や英作文は、週に1〜2回は書くようにしておくと、共通テスト後の切り替えがスムーズです。
共通テストの日程
令和9年度(2027年1月)の共通テストは、2027年1月16日(土)・17日(日)に実施予定とされています。最新情報は大学入試センターで確認しましょう。
共通テスト後〜入試本番:個別試験の仕上げ期
やること
- 第一志望の過去問(残しておいた年度)を本番と同じ時間で解く
- 併願校の過去問を、受験日の近い順に1〜2年分ずつ
- 間違いノート・復習ノートの見直し
併願校が多い人の優先順位
併願校が多いと、すべての過去問を十分に解く時間はありません。次の順番で優先しましょう。
- 第一志望:最優先
- 形式が独特な併願校:慣れていないと点を落としやすい
- 受験日が早い併願校:最初の試験で調子をつかむため
- 形式が第一志望や共通テストに近い併願校:対策が重なるので最小限でOK
併願校の過去問の最低ライン
- 1年分を時間を計って解く
- 形式・時間配分・設問タイプをカードにまとめる
- 受験前日にカードを見直す
「形式を知っている」だけで、本番の落ち着きが大きく変わります。
過去問の「解き方」と「記録の残し方」
過去問は、解き方と記録の残し方で効果が大きく変わります。
本番と同じ条件で解く
- 試験時間を守る(タイマーを使う)
- 辞書やスマートフォンは使わない
- できれば本番と同じ時間帯に解く
記録シートの項目(自作例)
- 大学名・年度・学部
- 大問ごとの所要時間と得点
- 失点の原因(語彙/構文/設問の読み違い/時間不足)
- 次にやること(1行)
記録から見えること
記録が5回分たまると、「長文の2題目で必ず時間が足りなくなる」「和訳で指示語の説明が抜ける」など、自分の失点のくせが見えてきます。くせがわかれば、次の1か月の勉強の重点が決まります。
過去問を「使い切らない」工夫
第一志望の最新の1〜2年分は、直前期の最終確認用に残しておく受験生もいます。残す年度を決めておくと、直前期に「本番のリハーサル」ができます。
赤本・過去問集の選び方
大学の過去問は、市販の過去問集のほか、大学が公式サイトで公開している場合もあります。解答例や解説がついているものを選ぶと、復習がしやすくなります。記述式の解答例は出版社によって異なることもあるので、学校の先生にも見てもらいましょう。
年間カレンダーのまとめと1週間の例
月別カレンダー(例)
- 4〜7月:基礎固め/第一志望1年分・共通テスト1回分で傾向把握
- 8月:第一志望2〜3年分/共通テスト形式2回分
- 9〜10月:第一志望を月2〜3年分/共通テスト形式を月2〜3回分/形式の違う併願校1年分
- 11〜12月:共通テスト形式を週1〜2回分/第一志望を週1回
- 1月(共通テスト後):第一志望の残り年度/併願校を受験日の近い順に
- 2月:受験の合間に、次の大学の過去問カードを見直し
1週間の例(10月)
- 月:第一志望の過去問(長文)
- 火:月曜の復習+単語
- 水:共通テスト形式(リーディング)
- 木:水曜の復習+リスニング
- 金:英作文・和訳(先生に提出)
- 土:第一志望の過去問1年分(通し)
- 日:1週間の復習、間違いノートの整理
今日やることは、第一志望と併願校候補の名前を書き出し、それぞれの過去問を「いつ・何年分」解くか、このカレンダーに当てはめてみること。計画があるだけで、秋以降の焦りが減ります。



