前半3問の役割:「時間を貯金するゾーン」
令和7年度・令和8年度の共通テスト英語リーディングは、第1問〜第8問の8つの大問で構成されていました。前半の第1問〜第3問は、比較的短い英文を読んで情報を探したり、内容をつかんだりする問題です。
前半3問のおおまかな特徴(近年の傾向)
- 第1問:テキストメッセージのやり取りや掲示など、短い実用的な英文
- 第2問:ウェブサイトや記事と、それに対するコメントなど。事実と意見の区別が問われることが多い
- 第3問:体験記や記事など。出来事の順番(時系列)や内容の理解が問われる
形式や題材は年度によって変わる可能性があります。最新の情報は大学入試センターの公表資料で確認しましょう。
前半3問は英文が短いぶん、1問あたりの配点も比較的小さめ。ここで粘りすぎず、目標時間内に解き終えて、後半の長文に時間を回すのが基本戦略です。
目標時間の決め方
80分の中での配分は人によって違いますが、前半3問を合計20分前後で終える受験生が多いようです。
配分の考え方(例)
- 第1問:4〜5分
- 第2問:7〜8分
- 第3問:6〜7分
後半(第4問〜第8問)は英文が長く、配点も大きい問題が並ぶので、前半で時間を使いすぎると最後まで解き切れなくなります。
自分の目標時間を決める手順
- 過去問や予想問題を1回分、時間を計って解く
- 大問ごとの所要時間を記録
- 最後まで解き切れなかった場合は、前半のどこで時間を使いすぎたかを確認
- 次回は前半の目標時間を1〜2分短く設定
大問ごとにストップウォッチのラップを取る習慣をつけると、自分の時間感覚がつかめます。
第1問:情報を「探す」読み方
第1問は、短いメッセージや掲示などから必要な情報を見つける問題です。すべてを丁寧に読むより、設問が求める情報を探す読み方が有効です。
手順
- 設問を先に読み、何を探すかを確認(日時?場所?理由?)
- 英文をざっと見て、該当しそうな部分を探す
- 該当部分を丁寧に読んで答える
自作の例(練習用)
メッセージ:
Hi Mika, the club meeting has moved from Tuesday to Thursday because the gym will be closed. Can you tell the others?
設問(自作):Why was the meeting moved?
→ 探す情報は「理由」。because のあとを見れば答えが見つかります。
注意点
- 予定の変更(moved / changed / instead)は、変更前と変更後のどちらが問われているかに注意
- 数字(時刻・金額・人数)は、計算が必要な場合がある
第2問:事実と意見を見分ける
第2問では、ウェブサイトや記事、そこに寄せられたコメントなどを読み、事実(fact)と意見(opinion)を区別する設問が出されることがあります。
見分け方のヒント
事実:客観的に確かめられること
- The event was held on May 3.
- About 200 students took part.
意見:人の考えや評価
- I think the event was a great success.
- It was the best festival I have ever attended.
- The price should be lower.
意見のサインになりやすい語
- I think / I believe / In my opinion
- should / must
- best / amazing / boring / too expensive などの評価語
練習法
英語のニュース記事やレビューを読みながら、文ごとに「F(事実)」「O(意見)」とメモをつける練習がおすすめです。1日5文でも、選択肢を見分けるスピードが上がります。
よくある失敗
- 「多くの人が参加した」(事実)と「多くの人が楽しんだ」(意見の可能性)を混同する
- 本文に書かれた意見を、事実を問う設問で選んでしまう
第3問:時系列と話の流れをつかむ
第3問では、体験記や記事などを読み、出来事の順番や内容を問う設問が出されることがあります。
時系列問題のコツ
本文の登場順と、実際に起きた順番が違うことがあります。時を表す語に印をつけながら読みましょう。
- before / after / then / later / finally
- the day before / the next morning
- had + 過去分詞(過去完了:それより前に起きたこと)
自作の例
I arrived at the station at noon. I had bought the ticket online the night before. After lunch, I took the train to the lake.
→ 実際の順番:チケットを買う(前夜)→駅に着く(正午)→昼食→電車に乗る
過去完了(had bought)は「さらに前の出来事」のサインです。本文の最初に書かれていても、時間的には一番前ではない場合があります。
メモの取り方
問題冊子の余白に、出来事を短く書き出して番号をふると、選択肢と照らし合わせやすくなります。
前半3問のよくある失敗
失敗1:最初から全文を精読する
前半の英文は短いので、つい丁寧に読んでしまいがち。設問を先に読み、必要な情報を探す読み方に切り替えましょう。
失敗2:1問で悩みすぎる
迷った問題は、いったん答えを選んで印をつけ、先へ進みます。最後に時間が余ったら戻りましょう。
失敗3:本文の単語と同じ選択肢に飛びつく
本文と同じ単語が入っている選択肢が、必ずしも正解とは限りません。言い換え(パラフレーズ)されている選択肢が正解になることが多いので、意味で判断しましょう。
- 本文:The shop is closed on weekends.
- 正解の選択肢の例:You cannot visit the shop on Saturdays.
失敗4:図表や写真の情報を見落とす
英文以外の情報(表、イラスト、注意書き)に答えのヒントがあることもあります。
前半3問の練習メニュー
1日20分のトレーニング
- 過去問・予想問題の前半1題を時間を計って解く(7分)
- 答え合わせ:根拠の文に線を引く(5分)
- 間違えた問題の言い換えを確認(3分)
- 解いた英文を音読(5分)
音読は、読むスピードを上げるのに効果的な練習です。一度内容を理解した英文を、声に出して何度か読みましょう。
1週間メニュー
- 月:第1問タイプ
- 火:第2問タイプ(事実と意見のメモつき)
- 水:第3問タイプ(時系列メモつき)
- 木:前半3問を通しで20分
- 金:木曜の復習と音読
- 土:リーディング全体を80分で
- 日:時間の記録を見直し、目標時間を調整
今日やることは、過去問の第1問〜第3問をストップウォッチで計りながら解き、大問ごとのラップを記録すること。あなたの「時間の貯金額」がわかります。



