後半4問の特徴(近年の傾向)
近年の本試験では、第3問以降の音声は1回だけ読まれる構成でした(年度によって変わる可能性があるので、大学入試センターの資料で確認してください)。
おおまかな特徴
- 第3問:短めの対話を聞いて、内容に関する質問に答える
- 第4問:説明などを聞いて、図表を完成させたり、複数の条件に合うものを選んだりする
- 第5問:講義を聞いて、ワークシートを完成させたり、内容に関する質問に答えたりする
- 第6問:複数の人の対話や議論を聞いて、それぞれの意見や立場を答える
後半になるほど、音声が長くなり、情報量も増えます。音声が流れる前の準備と、聞きながらのメモが得点を分けます。
1回読みは「聞き逃したら終わり」ではありません。準備で「何を聞くか」を決めておけば、必要な情報は拾えます。
第3問:状況設定を必ず読む
第3問のような対話問題では、問題冊子に状況設定(場面の説明)と質問が書かれていることがあります。音声が流れる前に、これを必ず読みましょう。
先読みでつかむこと
- 誰と誰の会話か(友人同士?店員と客?)
- どこでの会話か
- 何を答えればよいか(質問の疑問詞)
自作の例
状況:大学のカフェで、2人の学生が週末の予定について話している。
質問:What will the woman do on Saturday?
→ 聞くべきは「女性の」「土曜日の」予定。男性の予定や日曜日の予定は聞き流してOK。
注意点
- 対話の途中で予定が変わることがある(Actually, I changed my plan.)
- 「誰の」行動かを取り違えない
- 提案(Why don't we ~?)と、それに対する返事(Sounds good. / I'm not sure.)の両方を聞く
第4問:図表と条件を先に整理する
第4問のような問題では、説明を聞いて図表を完成させたり、複数の条件に合うものを選んだりします。
図表完成問題の手順
- 図表の空欄と項目を確認
- 空欄に入りそうな情報の種類を予測(数字?順番?名前?)
- 聞きながら、空欄の近くにメモ
条件に合うものを選ぶ問題の手順
- 問題冊子に示された条件(例:予算、場所、時間)を確認
- 条件を表にして、選択肢ごとに ◯ × を書き込める形にしておく
- 聞きながら、選択肢ごとに条件を満たすかチェック
自作の例:条件の表
条件:①駅から徒歩10分以内 ②週末も開いている ③1,000円以下
- A:①◯ ②× ③◯
- B:①◯ ②◯ ③◯
- C:①× ②◯ ③◯
→ すべて ◯ のBが答え。表を作ってから聞くのがポイントです。
第5問:講義はワークシートで「地図」を作る
第5問のような講義の問題は、リスニングの中でも最も長く、難しい問題の一つです。問題冊子のワークシートや質問を先に読み、講義の地図を頭に入れてから聞きましょう。
先読みでつかむこと
- 講義のテーマ(ワークシートのタイトル)
- ワークシートの構成(原因・結果・比較など)
- 空欄に入る情報の種類
聞きながらのメモのコツ
- 英語のまま全部書こうとしない
- キーワードと数字だけを、短く書く
- 記号を使う(↑増える、↓減る、→結果、×問題点)
講義の「道しるべ」表現
- First, / Second, / Finally,(順番)
- For example,(具体例)
- However, / On the other hand,(対比)
- As a result, / This means ~(結果)
- The main point is ~(主張)
こうした表現は、講義の構成を教えてくれる道しるべです。聞こえたら、メモの段落を変えましょう。
講義のあとの問題
講義のあとに、グラフや追加の情報を見て答える問題が続くことがあります。講義の内容と、追加の情報を組み合わせて考えましょう。
第6問:複数人の意見を聞き分ける
第6問のような問題では、2人または複数の人が意見を述べ合う対話や議論を聞きます。
難しさのポイント
- 話者が複数いて、誰が何を言ったかを区別する必要がある
- 意見が途中で変わることがある
- 賛成・反対がはっきりしないこともある
先読みでやること
- 話者の名前を確認し、余白に並べて書いておく
- 質問(「誰が賛成か」「最終的に誰の意見が変わったか」など)を確認
メモの例(自作)
テーマ:学校の制服
- Ken:反対(自由な服で個性)
- Mary:賛成(毎朝迷わない)
- Tom:最初反対 → 最後は賛成(費用が安いと知って)
意見のサインになる表現
- I agree. / I'm with you on that.(賛成)
- I see your point, but ~.(部分的に認めつつ反論)
- I've changed my mind.(意見の変化)
I see your point, but のように、一度認めてから反論する表現は、立場を取り違えやすいので要注意です。
30分間の集中力を保つコツ
リスニングの解答時間は30分。後半になるほど音声が長くなるので、集中力の配分も得点に関わります。
本番前にできること
- 試験の直前に、英語の音声を5分ほど聞いて耳を慣らしておく(会場のルールに従って)
- 前の科目の出来は忘れて、リスニングだけに意識を向ける
試験中にできること
- 問題と問題の間の短い時間に、深呼吸を1回する
- 聞き逃した問題は勘で埋め、すぐに次の先読みへ
- 講義の問題の前は、特にワークシートの確認に時間を使う
普段の練習でできること
練習では、1題ずつ解くだけでなく、30分通しで聞く練習を週1回は入れましょう。通しで聞くと、「第5問あたりで集中が切れる」など、自分の弱いタイミングがわかります。
弱いタイミングがわかったら、その問題タイプを毎日の練習に多めに入れます。長い音声に慣れることで、本番でも集中力が続くようになります。
1回読みに慣れる工夫
普段の練習から、最初の1回は必ず止めずに聞いて答えるルールにしましょう。何度も巻き戻して聞く練習だけでは、1回読みの本番に対応しにくくなります。答え合わせのあとで、何度でも聞き直せばよいのです。
よくある失敗と練習メニュー
よくある失敗
- 先読みの時間に前の問題の見直しをして、次の問題の準備ができない
- メモを英語で全部書こうとして、聞くのがおろそかになる
- 講義の後半で集中力が切れる
- 複数人の議論で、話者の名前と意見がごちゃごちゃになる
1日20分のトレーニング
- 過去問・予想問題の後半1題を1回だけ聞いて解く(7分)
- スクリプトで答え合わせ、メモと比べる(5分)
- 講義や議論の一部をシャドーイング(5分)
- 「道しるべ」表現をスクリプトから探して印をつける(3分)
1週間メニュー
- 月:第3問タイプ
- 火:第4問タイプ(条件の表を作って聞く)
- 水:第5問タイプ(メモの練習)
- 木:第6問タイプ(話者ごとのメモ)
- 金:英語の講義動画や学習者向けニュースを10分聞く
- 土:リスニング全体を通しで
- 日:1週間で聞き取れなかった表現のまとめ
TED-Edのような教養系の短いアニメーション動画は、講義型の英語に慣れるのに向いています。字幕を使いながら話の構成をつかむ練習をしましょう。
今日やることは、過去問の第5問を1回だけ聞き、キーワードと記号だけでメモを取ってみること。スクリプトと比べると、自分のメモの改善点が見えてきます。



