リスニングの全体像と第1問・第2問の位置づけ
共通テストの英語リスニングは、試験時間60分のうち解答時間が30分で、残りはICプレーヤーの作動確認などに使われます。
近年の本試験では、第1問・第2問は音声が2回、第3問以降は1回読まれる構成でした(読み上げ回数は年度によって変わる可能性があるので、大学入試センターの資料で確認してください)。
第1問・第2問の特徴(近年の傾向)
- 第1問:短い発話を聞いて、内容に合う英文やイラストを選ぶ
- 第2問:短い対話を聞いて、イラストや場面に合う答えを選ぶ
どちらも音声は短め。2回聞けるので、確実に正解したい問題です。後半の1回読みの問題で集中力を保つためにも、前半で落ち着いて得点を積み上げましょう。
第1問・第2問は「取れて当たり前」ではなく「取り切るための準備」が必要なゾーン。聞き方の手順を固めておきましょう。
先読みの手順:音声が流れる前にやること
リスニングで最も大切なのは、音声が流れる前の準備(先読み)です。
英文の選択肢の場合
- 選択肢の違いに注目する(主語が違う?時制が違う?否定がある?)
- 違う部分に印をつける
- 「何を聞き分ければいいか」を決めて音声を待つ
自作の例
選択肢:
- The speaker has already finished her homework.
- The speaker will finish her homework soon.
- The speaker hasn't started her homework yet.
- The speaker wants someone to help with her homework.
→ 違いは「終わった/これから/まだ始めていない/手伝ってほしい」。時制と状態を聞き分ければよいとわかります。
イラストの選択肢の場合
4枚のイラストの違う部分を探します。人物の位置、持ち物、天気、時計の時刻、数など。違いを一言で余白にメモしておくと、音声を聞くときに迷いません。
1回目と2回目の聞き方を変える
2回読まれる問題では、1回目と2回目で聞き方の役割を分けると、正答率が上がります。
1回目:全体をつかむ
- 話の状況(誰が・何について話しているか)をつかむ
- 答えの候補を1〜2つに絞る
2回目:確認する
- 1回目で迷ったポイントに集中して聞く
- 否定語(not / never / no longer)や数字を確認する
注意したいポイント
- 否定と肯定の聞き間違い:can と can't は、弱く発音される can と、はっきり発音される can't の違いで区別することが多い
- 時制:I'm going to ~(これから)と I was going to ~(するつもりだったが…)
- 比較:more / less / not as ~ as
自作の例
音声:I was going to buy a new bag, but I decided to fix my old one.
→ 新しいかばんは「買わなかった」。was going to は「予定していたけれど実行しなかった」ことを示す場合があります。
イラスト問題の攻略
第1問・第2問では、イラストを選ぶ問題がよく出題されます。
見比べるポイント
- 位置関係:on / under / next to / between / in front of
- 動作:sitting / standing / holding / carrying
- 数と量:two cups / a few / no
- 時刻・天気・季節
自作の練習例
音声(対話):
A: Where did you put my glasses?
B: They're on the desk, next to the lamp.
4枚のイラストのうち、「机の上」かつ「ランプの隣」にメガネがあるものを選びます。2つの条件を両方満たすものを選ぶのがポイントです。
最後の一言に注意
対話問題では、最初に言ったことが最後に変わることがあります。
A: Let's meet at the station.
B: Actually, the café would be better. It's closer to the museum.
→ 待ち合わせ場所はカフェ。Actually / But / Oh, wait のあとは要注意です。
音の変化に慣れる
リスニングで「知っている単語なのに聞き取れない」原因の多くは、音の変化です。
よくある音の変化
- つながる音:pick it up →「ピキラップ」のように聞こえる
- 消える音:good night の d がほとんど聞こえない
- 弱くなる音:can、to、for などの機能語が弱く短く発音される
自作の練習文
- Can I have a cup of tea?(can と a が弱く、cup of がつながる)
- I want to check it out.(want to が「ワナ」、check it out がつながる)
- What are you going to do?(going to が「ガナ」のように聞こえることがある)
練習法
- 音声を聞く
- スクリプトを見て、聞き取れなかった部分に印をつける
- 印をつけた部分を、音声をまねして10回言う
自分で言える音は、聞き取れるようになる。これが音の変化に慣れる一番の近道です。
よくある失敗
失敗1:先読みをせずに音声を待つ
選択肢を見ないまま聞くと、何に注意すればいいかわからず、聞き流してしまいます。
失敗2:1問間違えたと思って引きずる
気になる問題があっても、次の問題の先読みに切り替えましょう。1問を引きずって次の2問を落とすのが最も痛いパターンです。
失敗3:聞こえた単語が入っている選択肢を選ぶ
音声に出てきた単語がそのまま入っている選択肢が、ひっかけになっていることがあります。意味で判断しましょう。
失敗4:ICプレーヤーの操作に慣れていない
本番ではICプレーヤーを使います。操作方法の説明をよく聞き、指示に従いましょう。
失敗5:普段イヤホンでしか練習しない
本番の音の聞こえ方に近づけるため、ときどきスピーカーやイヤホンを変えて練習すると、環境の変化に強くなります。
毎日の練習メニュー
1日15分のトレーニング
- 過去問・予想問題の第1問か第2問を解く(5分)
- スクリプトで答え合わせ、聞き取れなかった部分に印(4分)
- 印の部分を音声のまねで言う(3分)
- 同じ音声をスクリプトなしでもう一度聞く(3分)
1週間メニュー
- 月:第1問タイプ
- 火:第2問タイプ(イラスト問題)
- 水:音の変化の練習(つながる・消える音)
- 木:第1問・第2問を通しで
- 金:シャドーイング(音声に少し遅れて声に出す)
- 土:リスニング全体を通しで
- 日:1週間で聞き取れなかった表現のまとめ
今日やることは、過去問の第1問を解いたあと、聞き取れなかった部分をスクリプトで確認し、音声をまねして10回言うこと。15分で「聞こえる音」が1つ増えます。



