受験英語で4技能はどう関わるか
大学受験の英語で、それぞれの技能がどう関わるかを整理してみましょう。
- 読む(リーディング):共通テスト、個別試験の長文。受験英語の中心
- 聞く(リスニング):共通テストのリスニング(100点)、一部の大学の個別試験
- 書く(ライティング):個別試験の和文英訳・自由英作文、英語外部試験
- 話す(スピーキング):英語外部試験(英検の二次試験など)、一部の推薦・総合型選抜の面接
直接スピーキングが試される場面は限られていますが、話す・書く練習は、読む・聞く力を伸ばすことにもつながると考えられています。たとえば音読は、読むスピードとリスニングの両方に効く練習として、多くの先生がすすめています。
4技能は別々に伸ばすものではなく、互いに支え合うもの。受験勉強の中に、少しずつ「出す」練習を混ぜるのがコツです。
読む×話す:音読で読解スピードを上げる
音読の効果
一度内容を理解した英文を声に出して読むと、英語を英語の語順のまま理解する練習になります。返り読み(後ろから訳す読み方)が減り、読むスピードが上がると考えられています。
受験生向けの音読の手順
- 長文を解き、答え合わせと精読で内容を完全に理解する
- 音声がある場合は、音声を聞いて発音とリズムを確認
- 意味を思い浮かべながら、1日3〜5回音読
- 数日間続け、スラスラ読めるようになったら次の英文へ
自作の例:意味のまとまりで区切る
Many students believe / that studying late at night / is effective, / but research on sleep suggests / that getting enough rest / helps us remember / what we have learned.
スラッシュで区切った単位ごとに意味をとりながら読むのがポイントです。
よくある失敗
- 意味を考えずに、声を出すだけになる
- 理解していない英文を音読する
- 1回読んで終わりにする
聞く×話す:シャドーイングでリスニング力を上げる
シャドーイングとは
音声を聞きながら、少し遅れてそのまま声に出してまねする練習です。音の変化やリズムに慣れ、リスニング力の向上に役立つとされています。
受験生向けの手順
- 共通テストのリスニング問題などを解く
- スクリプトを見ながら音声を聞き、内容を確認
- スクリプトを見ながら音声に合わせて読む(オーバーラッピング)
- スクリプトを見ずに、少し遅れてまねする(シャドーイング)
素材の選び方
- 共通テストのリスニングの過去問(短い対話から始める)
- 学習者向けの英語ニュースや、少しゆっくりめの英語の動画
難しすぎる素材は逆効果です。スクリプトを見れば8割以上わかるレベルの音声を選びましょう。
1日の量
1つの音声を5〜10分練習するだけでも十分です。毎日続けることが大切です。
書く:自由英作文と和文英訳を日常に
書く練習が他の技能に効く理由
英文を書くと、文法や語法の知識が「使える知識」になるので、長文を正確に読む力や、文法問題の正答率にもつながります。
1日5分の「1行英作文」
その日の出来事や考えを、1〜2文の英語で書きます。
自作の例:
- I solved three long passages today, but I spent too much time on the first one.
- I think listening practice in the morning helps me concentrate.
文法的に正しいかを確認しながら書くのがポイント。わからない表現は辞書で調べ、使える表現を増やしていきます。
週2回の本格練習
- 志望校の自由英作文・和文英訳の過去問を時間を計って書く
- 先生に添削してもらう
- 添削後、直した答案をもう一度書く
英語外部試験との関係
英検などのライティング(要約・意見論述)の練習は、大学入試の英作文の力にもつながります。外部試験を受ける予定があるなら、両方に使える練習として取り組みましょう。
話す:受験生ができる現実的なスピーキング練習
受験生が本格的な英会話の時間をとるのは難しいかもしれません。でも、次のような方法なら、受験勉強の合間にできます。
独り言英語
勉強の休憩中や移動中に、今やっていることを英語でつぶやきます。
- I'm going to review the vocabulary now.
- This passage is about climate change. The writer says...
英作文を声に出す
書いた自由英作文を、見ないで声に出して言ってみます。書く→話すの流れで、英語を「出す」力が鍛えられます。
英語外部試験の面接練習
英検の二次試験などを受ける人は、面接の練習がそのままスピーキングの練習になります。
推薦・総合型選抜の面接
英語の面接がある大学を受ける場合は、志望理由や自己紹介を英語で話す練習が必要です。募集要項で面接の内容を確認しましょう。
4技能をつなぐ「1素材多用途」勉強法
時間がない受験生におすすめなのが、1つの英文を4技能すべてに使う方法です。
手順(1つの長文で)
- 読む:長文を解き、精読で内容を理解する
- 聞く:音声があれば聞く(なければ読み上げ機能などを活用)
- 話す:音読・シャドーイングを数日続ける
- 書く:長文の要旨を英語で3〜4文にまとめる、または長文のテーマについて自分の意見を英語で書く
自作の例
長文のテーマ:オンライン学習の広がり
要旨(英語):Online learning is becoming more common. It allows students to study anywhere, but it can be hard to stay motivated without classmates.
意見(英語):I think online learning is useful, but students should also have chances to study with others.
1つの英文を何度も使うことで、単語や表現が4技能を通して定着します。新しい教材を次々に解くより、効率がよい場合も多いです。
英検の要約問題との相性
英語で要旨をまとめる練習は、英検の要約問題の練習にもなります。英語外部試験を受ける予定の人は、特に取り入れてみましょう。
1日の時間配分と1週間メニュー
1日の配分例(英語に2時間使える日)
- 単語・熟語:20分
- 長文読解(精読+速読):40分
- 音読:15分(読む×話す)
- リスニング+シャドーイング:20分(聞く×話す)
- 英作文:20分(書く)
- 1行英作文・独り言:5分
「出す」練習(音読・シャドーイング・英作文)が合計で約1時間。インプットとアウトプットを半分ずつくらいにすると、バランスよく伸びていきます。
1週間メニュー
- 月:長文+音読
- 火:リスニング+シャドーイング
- 水:長文+自由英作文
- 木:リスニング+音読
- 金:和文英訳(先生に提出)
- 土:過去問演習
- 日:1週間の音読素材を総復習、1行英作文をまとめて見直し
よくある失敗
- 読む・聞くだけで「出す」練習がゼロ
- 4技能すべてを同じ時間ずつやろうとして、受験の中心である読解がおろそかになる
今日やることは、今日解いた長文を1つ選び、意味のまとまりで区切りながら3回音読すること。読む力と話す力を同時に伸ばす、いちばん手軽な4技能トレーニングです。



