私大英語の特徴:形式の多様さ
私立大学の一般選抜の英語は、大学・学部ごとに出題形式が大きく異なります。よく見られる形式には次のようなものがあります。
- 長文読解:内容一致、空所補充、下線部の意味、タイトル選択など
- 文法・語彙問題:空所補充、整序(並べ替え)、正誤、同意語選択など
- 会話文:会話の流れに合う表現を選ぶ問題
- 記述式:下線部和訳、和文英訳、自由英作文など
マーク式が中心の大学もあれば、記述式の比重が大きい大学もあります。また、同じ大学でも学部によって問題が異なる場合があります。
さらに、英語外部試験のスコアを活用できる方式を設けている大学もあります。利用条件や扱いは大学ごとに異なるので、必ず最新の募集要項で確認しましょう。
ポイント:私大の英語対策は、「英語の総合力」を土台にしながら、「志望校の形式への慣れ」を上乗せすることが基本です。
まずは共通の土台を固める
形式が多様だからといって、最初から大学ごとの対策ばかりに時間を使うのはおすすめできません。どの形式でも、次の力は共通して必要だからです。
- 単語・熟語:私大では語彙問題が直接出ることもあり、単語力が得点に直結しやすい
- 文法・語法:文法問題だけでなく、長文の正確な読解にも必要
- 長文読解:多くの大学で配点の大きな部分を占める
- 速読力:英文量の多い大学では、時間内に読み切る力が欠かせない
高3の夏までは、この土台づくりを中心に進めましょう。単語帳と文法問題集を仕上げ、標準レベルの長文を毎日読む習慣を作っておけば、秋以降の大学別対策がスムーズに進みます。
私大で特に意識したいこと
私大では、熟語や語法の知識が問われる問題が出ることがあります。単語帳で単語を覚えるだけでなく、熟語帳や文法問題集の語法のページも1冊仕上げておくと安心です。
たとえば、次のような知識が問われます(自作例)。
- look forward to ~ing(~するのを楽しみにする):to の後ろは動名詞
- be used to ~ing(~することに慣れている)と used to do(以前はよく~した)の区別
- It is no use ~ing(~しても無駄だ)
形式別の対策ポイント
土台ができたら、志望校の形式に合わせた対策に移ります。
長文の内容一致問題
- 選択肢を先に軽く読み、何を探しながら読むかを決めておく
- 本文の根拠となる部分を見つけてから選ぶ。「なんとなく」で選ばない
- 本文の表現を言い換えた選択肢が正解になりやすい一方、本文の語句をそのまま使って内容を少し変えた選択肢は誤りのことがある
空所補充問題
- 空所の前後だけでなく、文全体・段落全体の流れを確認する
- 接続語(however, therefore, for example など)の空所は、前後の関係(逆接・因果・例示)を考える
会話文問題
- 会話の場面(誰と誰が、どこで、何について話しているか)をまず把握する
- 空所の直後の発言がヒントになることが多い
記述式問題
- 和訳は構造を確認してから訳す
- 英作文は確実に書ける表現で、ミスなく書く
大学によっては、1つの大問の中に複数の形式が組み合わされていることもあります。過去問で、どの形式に何分使えるかを確認しておきましょう。
同意語・言い換え問題
下線部の語句と最も意味の近いものを選ぶ問題も、私大ではよく見られます。知っている単語なら即答できますが、知らない場合でも、下線部を空所だと思って文脈から意味を推測すると、正解にたどり着けることがあります。日頃から、単語帳の例文で「その単語がどんな文脈で使われるか」を意識しておくと、この形式に強くなります。
時間配分を大学ごとに決める
私大の英語では、試験時間に対して問題量が多い大学も少なくありません。時間配分を決めずに本番を迎えると、最後の大問に手が回らないことがあります。
時間配分の決め方
- 過去問を1年分、時間を計らずに解き、大問ごとにかかった時間を記録する
- 試験時間から見直しの時間(5分程度)を引く
- 配点と自分の得意・不得意をもとに、大問ごとの目標時間を決める
- 次の年の過去問で、その時間配分を試して調整する
解く順番を考える
- 文法・語彙問題は短時間で解けることが多いので、先に解いて時間を確保する作戦もある
- 長文が得意なら、配点の大きい長文から解いて確実に得点する作戦もある
どちらがよいかは人によって違います。過去問で両方試してみて、自分に合う順番を決めておきましょう。
ポイント:大学ごとに「解く順番」と「大問ごとの目標時間」をメモしておき、試験前日に見返せるようにしておくと安心です。
併願校が多いときの過去問の回し方
私大を複数受ける場合、全ての大学の過去問を何年分も解く時間はなかなかとれません。優先順位をつけて計画しましょう。
優先順位の例
- 第一志望:5年分以上を目安に、徹底的に復習
- 第二志望群:3年分程度
- 併願校:最低1〜2年分で形式に慣れておく
形式が似ている大学をまとめる
形式が似ている大学同士は、対策を共有できます。たとえば「長文中心でマーク式」「文法問題が多い」「記述式あり」のようにグループ分けすると、効率よく準備できます。
受験日の順番を意識する
受験日が近い大学から順に、直前に過去問を解き直して形式を思い出しておくと安心です。
1週間の練習メニュー例(秋〜冬)
- 月:第一志望の過去問1年分
- 火:月曜の復習(単語回収・精読・音読)
- 水:併願校Aの過去問1年分
- 木:文法・語法問題集 30分+長文1題
- 金:併願校Bの過去問1年分
- 土:1週間の復習、ミスの分類
- 日:休養または単語の総復習
よくある失敗
失敗1:過去問を解かずに本番を迎える
「英語の力があれば形式は関係ない」と考えて併願校の過去問を解かないと、本番で形式に戸惑って時間を失うことがあります。最低1年分は目を通しましょう。
失敗2:文法・語法問題を軽視する
長文ばかり練習して、文法・語法問題の対策が手薄になるパターンです。文法問題が多い大学では、ここでの取りこぼしが合否に影響することがあります。
失敗3:大学ごとに別の問題集を買う
大学別の問題集を何冊も買うと、どれも中途半端になりがちです。まずは過去問を中心にし、共通の土台は1冊ずつの単語帳・文法問題集・長文問題集で固めましょう。
失敗4:入試方式を確認しない
同じ大学でも、方式によって試験科目や英語の扱いが違うことがあります。英語外部試験の活用方式などもあるため、募集要項で方式ごとの内容を必ず確認しましょう。
まとめ:土台+形式慣れで私大英語を攻略
私大の英語は形式が多様ですが、やるべきことはシンプルです。
- 単語・文法・長文の共通の土台を夏までに固める
- 志望校の過去問で形式を確認し、形式別の解き方を身につける
- 大学ごとに解く順番と時間配分を決めておく
- 併願校は優先順位をつけて、最低1〜2年分は過去問に触れる
今日は、受験を考えている私大を3つ書き出し、それぞれの英語の大問構成と試験時間を過去問や大学の公式情報で調べてみましょう。形式の違いが見えるだけで、これからの勉強の計画がぐっと立てやすくなります。



