英作文の力を3つに分解しよう
英作文を「英語で文章を書く力」とひとまとめにすると、何から手をつければいいかわかりません。そこで、次の3つに分けて考えてみましょう。
- 型:どんな順番で何を書くかという設計図
- ネタ:主張を支える理由や具体例
- 部品:正確に書ける英文のパーツ(例文、決まり文句、文法)
この3つのうち、どれが足りないかで対策が変わります。
- 書き始めるまでに時間がかかる → 型が決まっていない
- 理由が1つしか思いつかない、内容が薄い → ネタが足りない
- 言いたいことはあるのに英語にできない → 部品が足りない
ポイント:英作文は「センス」ではなく「準備」です。型を決め、ネタと部品を貯めておけば、本番では組み立てるだけになります。
和文英訳のコツ:日本語を「英語にしやすい日本語」に変える
和文英訳では、日本語をそのまま英語に置き換えようとすると、たいてい行き詰まります。コツは、日本語をいったん「英語にしやすい日本語」に言い換えることです。
言い換えの3つのテクニック
- 主語をはっきりさせる:日本語は主語を省略しがち。「〜と言われている」なら It is said that... や People say that... のように、主語を補う
- 難しい言葉を簡単にする:「一石二鳥だ」→「1つのことで2つの利益が得られる」→ We can get two benefits from one action.
- 文を短く分ける:長い1文は、2〜3文に分けても意味が伝われば問題ない
減点されにくい書き方
- 自信のない単語より、確実に使える単語を選ぶ
- 時制、主語と動詞の一致、冠詞、名詞の単数・複数をていねいにチェック
- 知っている構文(It is ... for 人 to ...、too ... to ... など)に当てはめる
和文英訳は「正確さ」が最優先です。難しい表現で1点を狙うより、確実な表現で減点を防ぐほうが、結果的に高得点につながります。
自由英作文の型:4段落で「主張・理由・具体例」
自由英作文や英検の意見論述では、次の型が使いやすくおすすめです。
- 主張:問いに対する自分の立場を1文で明確に述べる
- 理由1:理由 + 説明 + 具体例
- 理由2:理由 + 説明 + 具体例
- まとめ:主張をもう一度、言い換えて述べる
語数が少ない場合(60〜80語程度)は、段落を分けずに1段落で同じ流れを書けば大丈夫です。
編集部オリジナルの「骨組み」例文
- 主張:I believe that students should learn to cook at school.
- 理由の導入:First, cooking is an essential skill for living independently.
- 説明:If young people can cook, they can eat healthier meals and save money.
- 具体例:For example, students who live alone after graduation will benefit from this skill.
- 2つ目の理由:Second, cooking together helps students develop teamwork.
- まとめ:For these reasons, I think cooking classes should be part of the school curriculum.
ポイント:型のいいところは、テーマが変わっても使い回せることです。骨組みの文はそのままに、中身の単語だけ入れ替える練習をしてみましょう。
ネタ帳の作り方:よく出るテーマごとに「理由のストック」を
自由英作文で差がつくのは、理由と具体例の説得力です。本番でその場で考えるのは大変なので、ふだんから「ネタ帳」を作っておきましょう。
よく出るテーマ(例)
- 教育(オンライン授業、制服、留学、部活動)
- テクノロジー(スマートフォン、AI、SNS、キャッシュレス)
- 環境(プラスチック、再生可能エネルギー、食品ロス)
- 社会・生活(都市と地方、働き方、高齢化、ボランティア)
- 健康(運動、睡眠、食事)
ネタ帳の書き方
1つのテーマにつき、ノート1ページを使います。
- テーマ:例「AIは教育に役立つか」
- 賛成の理由:2〜3個(日本語でOK)
- 反対の理由:2〜3個(日本語でOK)
- 具体例:身近な例や、ニュースで知ったこと
- 使えそうな英語表現:5個程度
ポイントは、賛成・反対の両方の理由を用意しておくことです。本番では、書きやすい方の立場を選べるからです。
理由を出すときの「観点リスト」
理由が思いつかないときは、次の観点から考えてみましょう。
- お金(費用、節約、経済効果)
- 時間(効率、便利さ)
- 健康(心と体)
- 人間関係(家族、友人、地域)
- 将来(キャリア、スキル、社会への影響)
- 環境(資源、自然)
TED・TED-Edが最高のネタ帳になる理由
ネタを貯めるのにおすすめなのが、TEDトークやTED-Edのアニメーション動画です。
なぜネタ帳にぴったりなのか
- 教育、テクノロジー、環境、心理、健康など、英作文でよく出るテーマが幅広く扱われている
- 話し手が、1つのアイデアを理由や例を使ってわかりやすく伝えようとしている。つまり、「主張を支える構成」のお手本になる
- TED-Edは数分程度の短い動画が多く、毎日1本ずつ見やすい
ネタ帳への落とし込み方
- テーマを決めて、関連するトークや動画を1本見る
- 見終わったら、話の主張を自分の言葉で日本語1〜2文にまとめる
- 自分が賛成できる点、疑問に思う点をそれぞれ1つメモ
- 動画の中で気になった単語や言い回しを3つまでメモし、辞書で使い方を確認
- そのテーマで、自分の意見を英語で3文書いてみる
ポイント:動画の発言を英作文にそのまま引用するのではなく、「こういう考え方もある」という視点を自分の中に取り込むのが目的です。自分の言葉で書き直すことで、初めて本当のネタになります。
字幕の設定は、最初は英語字幕、慣れてきたら字幕なしで挑戦すると、リスニングの練習にもなって一石二鳥です。
「部品」を増やす:例文暗記と自分用フレーズ集
型とネタがそろっても、それを英語にする部品がなければ書けません。部品を増やすいちばんの近道は、例文を覚えることです。
例文暗記のやり方
- 文法の問題集や英作文用の例文集から、1日3〜5文を選ぶ
- 意味と構造を確認したうえで、5回音読する
- 日本語を見て英文を言えるか、翌日と3日後にテストする
単語を1つずつ覚えるより、文のかたまりで覚えたほうが、英作文でそのまま使いやすくなります。
自分用フレーズ集を作る
覚えた例文や、動画・読み物で見つけた表現の中から、英作文で使えそうなものをテーマ別に整理しましょう。
- 賛成・反対を述べる:I agree with the idea that... / I do not think that...
- 利点を述べる:One advantage of ... is that...
- 問題点を述べる:One problem with ... is that...
- 条件をつける:As long as..., ... / Unless..., ...
- 結果を述べる:This would allow people to... / This could result in...
ポイント:フレーズ集の表現は、必ず自分で1回は英作文に使ってみましょう。「知っている」表現が「使える」表現に変わる瞬間です。
書いた英作文を伸ばす「見直し」と「書き直し」
英作文は、書きっぱなしではなかなか上達しません。書いた後の見直しと書き直しこそが、力を伸ばす時間です。
見直しチェックリスト
- 問いに対する答えになっているか
- 主張と理由がずれていないか
- 理由に具体的な説明や例があるか
- 時制・主語と動詞の一致・冠詞・単数と複数
- 同じ表現をくり返していないか
- 指定の語数に収まっているか
添削をお願いできるときは
学校の先生などに添削をお願いできる場合は、書き直した版をもう一度見てもらうと、同じミスをくり返していないか確認できます。生成AIを使う場合は、「文法の誤りだけ指摘して」と頼み、直すのは自分でやると、力がつきやすくなります。
書き直しのすすめ
同じテーマで2回書くと、1回目よりも内容も英語も必ずよくなります。1週間に新しいテーマ1本、書き直し1本のペースが、無理なく続けられておすすめです。書き直した英文を音読して覚えてしまえば、それがそのまま次の英作文の「部品」になりますよ。



