話せない原因は「英語力」だけじゃない
英語で意見を言う場面は、学校の授業、英検の面接、IELTSのスピーキングテスト、大学のディスカッション、仕事の会議など、たくさんあります。そして多くの人が、「単語は知っているのに、うまく話せない」と感じています。
その原因の一つは、話の組み立て方です。日本語でも、急に「〇〇についてどう思う?」と聞かれて、筋道立てて答えるのは簡単ではありませんよね。英語ではそこに「英語で言う」という負担が加わるので、なおさら難しくなります。
逆に言えば、話の型を先に身につけておけば、頭の中は「中身を考える」ことと「英語にする」ことに集中できます。型は、スピーキングの「補助輪」のようなものです。
この記事で紹介する型は、主に次の2つです。
- PREP法:自分の意見をわかりやすく伝える型
- 反論の4ステップ:相手の意見に反論する型
そして、ディベートやスピーチの動画を見ながら、これらの型が実際にどう使われているかを観察し、自分でも練習していきます。
ポイント:話す力は「英語力 × 組み立て力」。組み立て力は、型を覚えればすぐに伸ばせます。
PREP法:意見を伝える基本の型
PREP法とは
PREP法は、次の4つの順番で話す方法です。
- P(Point)結論:私の意見は〇〇です
- R(Reason)理由:なぜなら〜だからです
- E(Example)具体例:たとえば〜
- P(Point)結論をくり返す:だから、私は〇〇だと思います
最初に結論を言うので、聞き手は話のゴールがわかった状態で理由や例を聞くことができます。英語のスピーチや議論では、結論を先に言う話し方が好まれることが多く、PREP法はその基本になります。
英語で使えるフレーズ
- Point:I think that... / In my opinion, ... / I believe that...
- Reason:This is because... / The main reason is that...
- Example:For example, ... / For instance, ...
- Point:That is why I think... / For these reasons, ...
例:「学生は制服を着るべきか?」
(以下は編集部による作例です)
- P:I think students should wear school uniforms.
- R:This is because uniforms help students focus on studying rather than fashion.
- E:For example, students do not have to spend time choosing clothes every morning, and they may feel less pressure to buy expensive clothes.
- P:That is why I believe school uniforms are a good idea.
このように、4つのパーツに分けるだけで、短くても筋の通った意見になります。
ポイント:理由(R)と具体例(E)は、それぞれ1つで十分。まずは「短く・筋が通っている」ことを目指しましょう。
反論の4ステップ:相手の意見に答える型
ディベートやディスカッションでは、自分の意見を言うだけでなく、相手の意見に反論することも必要です。反論にも型があります。ここでは、ディベートの練習でよく使われる4ステップを紹介します。
- 相手の主張を引用する(They say...)
- 反論を示す(But...)
- 理由・根拠を述べる(Because...)
- 結論として、自分の主張の強さを示す(Therefore...)
例:「制服は必要ない」という意見への反論
(以下は編集部による作例です)
- They say:The other side says that uniforms limit students' freedom of expression.
- But:However, students can still express themselves in many other ways.
- Because:For example, they can show their personality through their ideas, club activities, and the way they speak.
- Therefore:Therefore, uniforms do not seriously limit students' freedom.
反論のポイント
- 相手の主張を正確にくり返す:相手の意見をきちんと聞いていることを示すと、議論がかみ合います。
- 人ではなく意見に反論する:相手を否定するのではなく、主張の内容に対して反論しましょう。
- 一部を認めるのもあり:I understand your point, but... のように、一部を認めてから反論すると、やわらかく、説得力のある印象になります。
便利なフレーズ
- I see your point, but...
- That may be true in some cases, but...
- I'm not sure I agree, because...
動画で「型」を観察する見方
型を知ったら、次は実際のディベートやスピーチの動画を見て、型がどう使われているかを観察しましょう。YouTubeには、大学のディベート大会、スピーチコンテスト、TEDトークなど、英語で意見を述べる動画がたくさんあります。
観察のポイント
- 結論はどこで言っている?:最初の何秒で主張が出てくるか
- 理由はいくつ?:First, ... Second, ... のように番号をつけて整理しているか
- 具体例はどんな種類?:数字、自分の経験、たとえ話など
- つなぎの言葉:However, In addition, On the other hand などの使い方
- 反論のしかた:相手の意見をどう引用し、どう切り返しているか
見方のステップ
- 1回目:内容を楽しむ(必要なら字幕あり)
- 2回目:英語字幕で、PREPや反論の型に当てはまる部分を探す
- 3回目:気に入った表現をメモし、30秒ほどをオーバーラッピング
スピーチから学べること
TEDなどのスピーチ動画は、話し方のお手本にもなります。声の大きさ、間(ポーズ)の取り方、強調のしかた、ジェスチャーなど、英語そのもの以外の「伝える技術」もたくさん学べます。
ポイント:うまい話し手の「型」を見つけたら、それが自分の練習の設計図になります。
試験別:英検の面接・IELTSスピーキングへの応用
PREP法と反論の型は、英語の試験でもそのまま役立ちます。※試験の形式は変更されることがあるので、最新の情報は必ず各試験の公式サイトで確認してください。
英検の面接(二次試験)
英検の準2級以上の面接では、あるテーマについて自分の意見を問われる質問があります。「Do you think...?」のような質問に対して、次のように答えるとPREP法が活きます。
- まず Yes / No をはっきり言う(Point)
- 理由を1〜2文で説明する(Reason)
- 必要なら具体例を1つ加える(Example)
準1級や1級になると、より社会的なテーマについて意見を求められ、まとまった長さで話す力が必要になります。1級では、与えられたトピックから1つを選んでスピーチをする形式があり、PREP法を基本にした構成力が重要です。
IELTSスピーキング
IELTSのスピーキングテストは、面接官との1対1の形式で、主に3つのパートで構成されています。
- Part 1:自分自身や身近な話題についての質問
- Part 2:カードに書かれたトピックについて、準備時間のあと、まとまった長さで話す
- Part 3:Part 2のテーマに関連した、より抽象的な話題についてのディスカッション
特にPart 3では、意見とその理由を説明する力や、別の見方と比べる力が問われます。PREP法に加えて、On the other hand, some people think... のように、反対の立場にも触れる練習をしておくとよいでしょう。
試験対策の練習法
- 過去問や問題集の質問を使って、PREP法で答える練習をする
- 答えを録音して、「結論が最初にあるか」「理由は明確か」をチェックする
- 時間を計り、決められた時間内で話す練習をする
1人でもできる!スピーキング練習メニュー
スピーキングの練習相手がいなくても、1人でできる練習はたくさんあります。
毎日5分:ワントピック・スピーチ
- 身近なトピックを1つ選ぶ(例:Is it better to live in a city or in the countryside?)
- 30秒でPREPのメモを作る(キーワードだけでOK)
- 1分間、PREP法で話して録音する
- 録音を聞いて、言えなかった表現を調べる
- もう一度、同じトピックで話す
週1回:一人ディベート
1つのテーマについて、賛成側と反対側の両方の立場で、PREP法で意見を言ってみます。そのあと、反論の4ステップで、お互いの意見に反論してみましょう。両方の立場で考えることで、論理的に考える力が鍛えられます。
練習用トピックの例
- Should homework be banned?
- Is it important to learn a foreign language?
- Should people use cashless payments more?
- Are online classes better than face-to-face classes?
- Should cars be banned from city centers?
動画と組み合わせる
ディベートやスピーチの動画で見つけた表現を、翌日のワントピック・スピーチで1つ使ってみる。インプットとアウトプットをつなげることで、表現が自分のものになっていきます。
ポイント:最初は同じトピックを何度話してもOK。くり返すうちに、スムーズに言える表現が増えていきます。
まとめ:型を身につければ、英語の意見はもっと言える
英語で意見を言うためのポイントを振り返りましょう。
- 話せない原因は、英語力だけでなく「組み立て方」にもある
- PREP法(結論→理由→具体例→結論)で、意見をわかりやすく伝える
- 反論の4ステップ(They say → But → Because → Therefore)で、議論をかみ合わせる
- ディベートやスピーチの動画で、型の使われ方を観察する
- 英検の面接やIELTSのスピーキングでも、型はそのまま役立つ
最初は型どおりに話すのがぎこちなく感じるかもしれません。でも、何度も使ううちに、型は自然と自分の話し方の一部になっていきます。今日は1つトピックを選んで、1分間だけ英語で意見を言ってみましょう。



