なぜ「順番」が大事なのか
英検の単語帳には、級によって1,000語以上の見出し語が並んでいます。すべてを同じ重みで覚えようとすると、試験日までに一周するだけで精一杯になりがちです。
一方、単語には「よく出る語」と「たまに出る語」、「長文を読むのに欠かせない語」と「選択肢でしか見ない語」があります。得点に効く語から先に覚えると、同じ勉強時間でも点数の伸び方が変わってきます。
覚える順番を決める4つの軸
- 頻度:単語帳のランク(頻出・重要など)
- 品詞:動詞→名詞→形容詞・副詞の順
- 形:単語→熟語
- テーマ:環境・健康・教育など、長文によく出る話題
最初の1周は「全部覚える」ではなく「頻出語を確実に」。2周目以降で範囲を広げます。
軸1:頻度ランクの高い語から
多くの英検向け単語帳は、過去の出題データなどをもとに、見出し語を頻度や重要度でグループ分けしています。まずは最上位のグループだけを先に2〜3周しましょう。
おすすめの進め方
- 1週目:最上位ランクの前半を毎日回す
- 2週目:最上位ランクの後半を追加
- 3週目:最上位ランクを通しで復習+次のランクに入る
最上位ランクだけでも、長文やリスニングで「見たことがある」語が一気に増えます。知っている語が増えると長文を読むスピードも上がるので、語彙問題以外の点数にも効いてきます。
単語帳の構成は本によって違うので、自分の単語帳の「はじめに」や目次で、どのように並んでいるかを確認しましょう。
軸2:動詞を先に、名詞・形容詞はあとから
同じランクの中でも、動詞を優先するのがおすすめです。
理由
- 英文の意味の中心は動詞。動詞がわかると文の骨組みがつかめる
- 語彙問題でも動詞は出題されやすい
- 動詞はライティングや面接でも使える
例:2級レベルの動詞(自作例文つき)
- reduce(減らす):We should reduce plastic waste.
- improve(改善する):Reading every day can improve your English.
- require(必要とする):This job requires a lot of patience.
- prevent(防ぐ):Washing your hands helps prevent colds.
名詞は「動詞とセット」で
動詞を覚えたら、その動詞と一緒に使われる名詞を覚えると定着しやすくなります。
- reduce + costs / stress / waste
- improve + skills / quality / health
このようにコロケーション(よく一緒に使う組み合わせ)で覚えると、ライティングでもそのまま使えます。
軸3:熟語はいつから?
熟語(句動詞・イディオム)は、単語の最上位ランクを2周したころから始めるのがおすすめです。
級ごとの目安
- 3級・準2級:短文の空所補充で熟語がよく出るので、早めに並行してOK
- 2級・準2級プラス:単語の頻出ランクが固まってから
- 準1級・1級:句動詞も出題されるので、単語と並行して計画的に
熟語は例文ごと
熟語は、単語よりも「使われる場面」とセットで覚えるのが効果的です。
- look forward to:I'm looking forward to the school trip.
- come up with:She came up with a great idea.
- put off:Don't put off your homework until tomorrow.
- run out of:We ran out of milk this morning.
熟語は、意味だけでなく前置詞まで正確に覚えることが大切です。look forward to のように、前置詞を入れ替えた選択肢がよく並びます。
軸4:テーマ別にまとめて覚える
長文やライティングでは、特定のテーマの語がまとまって出てきます。単語帳を1周したら、テーマ別ノートを作ると記憶が整理されます。
テーマ別ノートの例(2級向け・自作)
環境
- pollution(汚染)/ recycle(再利用する)/ carbon dioxide(二酸化炭素)/ renewable energy(再生可能エネルギー)
健康
- nutrition(栄養)/ symptom(症状)/ prevent(防ぐ)/ mental health(心の健康)
テクノロジー
- device(機器)/ access(アクセスする)/ artificial intelligence(人工知能)/ online(オンラインの)
教育
- curriculum(教育課程)/ graduate(卒業する)/ academic(学問の)/ scholarship(奨学金)
テーマ別に覚えた語は、要約・英作文・面接の意見の質問でそのまま使えます。「読むための語」と「書くための語」を同時に増やせるのがテーマ別の強みです。
級をまたぐときの順番
準2級に合格して2級へ、2級から準1級へ、と級を上げるときも、覚える順番にコツがあります。
ステップ1:前の級の「取りこぼし」を回収
新しい単語帳に入る前に、前の級の単語帳で印がついたまま残っている語を1週間で見直します。前の級の語は、上の級の長文の「地の文」に普通に出てくるからです。
ステップ2:新しい級の最上位ランク
前の級の回収が終わったら、新しい級の単語帳の最上位ランクへ。ここからは上で紹介した「頻度→品詞→熟語→テーマ」の順番で進めます。
ステップ3:過去問で出会った語を追加
新しい級の過去問を解いたら、知らなかった語を単語カードやアプリに追加します。特に準1級・1級では、語彙問題の不正解の選択肢も別の回で正解になることがあるので、選択肢4つをまとめて覚えるのがおすすめです。
級の間の「つなぎ」に準2級プラス
準2級と2級の間には、2025年度に新設された準2級プラスがあります。準2級から2級への語彙のジャンプが大きいと感じる人は、準2級プラスを目標にすると、覚える順番に段差がつき、無理なくステップアップできます。
1日の回し方と1週間メニュー
1日の回し方(30分)
- 前日に覚えられなかった語(印つき):5分
- 今日の新しい範囲:15分(英語→意味を言う)
- 今日の範囲を逆向き:5分(意味→英語を言う)
- 3日前の範囲の復習:5分
「思い出す」練習を中心にするのがポイントです。単語帳を眺めるだけより、隠して思い出すほうが記憶に残りやすいことが、学習研究でも示されています。
1週間メニュー
- 月〜金:上の30分ルーティン
- 土:1週間分をまとめてテスト(言えなかった語に印)
- 日:印のついた語だけ復習+テーマ別ノートに追加
よくある失敗
- 1ページ目から順番に覚えて、後半にたどり着かない
- 意味だけ覚えて、発音やつづりを確認しない
- 1日で100語を「見るだけ」で終わる
- 級を上げたとき、前の級の単語を復習しない
今日やることは、単語帳の目次を開いて、最上位ランクの範囲を確認すること。そこが、あなたの最初の「覚える範囲」です。



