英検S-CBTの基本
英検S-CBTは、日本英語検定協会が実施するコンピューター方式の英検です。公式サイトでは、主な特徴として次の点が挙げられています。
- 4技能を1日で測定する(従来型は一次試験と二次試験の2日間)
- 取得できる級やスコアは、従来型と同じ扱い
- 原則毎週土日に実施(級や地域によって毎週でない場合もある)
- 同じ検定回で、同じ級を最大3回まで受験できる
- 従来型との併願も可能
実施されている級
英検S-CBTは、準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級で実施されています。1級・4級・5級はS-CBTでは受験できないので、従来型を選びます。
合格すれば、従来型と同じく「英検○級合格」です。入試や単位認定などで使うときも、同じ級として扱われます(ただし、提出先によって受け付ける条件が異なることもあるので、利用する学校の要項は必ず確認しましょう)。
従来型との違い:技能ごとに見る
スピーキング
従来型では、一次試験に合格した人が別の日に面接委員との対面の面接を受けます。S-CBTでは、ヘッドセットを装着して、解答を録音する吹込み式です。画面に表示される問題カードを見ながら、マイクに向かって話します。
リスニング・リーディング
どちらもパソコンの画面上でマウスを操作して解答します。リスニングはヘッドセットで音声を聞きます。
ライティング
申し込みのときに、次の2つから解答方式を選べます。
- 筆記型:解答用紙に手書きで書く
- タイピング型:キーボードで入力する
一次試験免除
準1級〜3級で、一次試験に合格して二次試験(スピーキング)が不合格だった人は、S-CBTの申し込み時に一次試験免除を申請すると、スピーキングテストのみで受験できます。従来型などで取得した一次試験免除資格でも申請できるとされています。
最新の条件は変更される可能性があるので、申し込み前に公式サイトで確認しましょう。
S-CBTが向いている人
次のような人には、S-CBTが選択肢になります。
1. 日程を自分で選びたい人
原則毎週末に実施されているので、部活や仕事の予定に合わせて受験日を選びやすくなります。
2. 受験のチャンスを増やしたい人
同じ検定回で同じ級を最大3回まで受けられ、従来型との併願もできます。大学入試の出願時期が近いなど、スコアを早めに取りたい人にはメリットがあります。
3. タイピングが得意な人
ライティングをタイピング型にすれば、書き直しや語順の入れ替えがしやすくなります。普段からパソコンで英文を打ち慣れている人には向いています。
4. 対面の面接で緊張しやすい人
吹込み式のスピーキングは、面接委員と向き合わない分、「人前だと緊張して頭が真っ白になる」という人には話しやすいと感じられるかもしれません。
5. 1日で終わらせたい人
一次と二次の2回会場へ行く必要がなく、1日で4技能を受けられます。
従来型のほうが合う人
一方で、次のような人は従来型を選ぶほうが安心なこともあります。
1. 1級・4級・5級を受ける人
これらの級はS-CBTでは実施されていません。
2. 画面で長文を読むのが苦手な人
紙の問題冊子なら、本文に線を引いたり、段落の横にメモを書いたりできます。画面での読解に慣れていない人は、紙のほうが力を発揮しやすいかもしれません。
3. 面接委員とのやりとりのほうが話しやすい人
対面なら、相手の表情を見ながら話せます。聞き取れなかったときに自然に聞き返せるのも、対面ならではです。一方、録音形式では、画面の指示に合わせてテンポよく話し続ける必要があります。
4. 団体(学校)で受験する人
学校などの団体でまとめて申し込む場合は、従来型で受けることが多いでしょう。どの方式を選べるかは所属団体に確認してください。
ポイント:どちらが「簡単」ということではありません。級・スコアは同じ扱いなので、自分が力を出しやすい形式を選ぶことが大切です。
S-CBTを受ける前の準備
S-CBTを選んだら、形式に合わせた準備をしておきましょう。
1. 公式サイトの体験版で操作に慣れる
公式サイトでは、S-CBTの受験の流れや画面を確認できるページが用意されています。本番の前に、画面の見え方や操作の流れを一度確認しておきましょう。
2. 画面で英文を読む練習
普段の長文練習の一部を、パソコンやタブレットで読む形に変えてみましょう。紙のように書き込めないので、段落の要点を頭の中で整理しながら読む練習になります。メモ用紙の扱いについては、当日の案内に従ってください。
3. タイピング型を選ぶなら
- 英文を打つスピードを上げる(1分間に何語打てるか測ってみる)
- スペルチェック機能に頼らず、正しいつづりで打つ練習をする
- 本番と同じくらいの語数を、時間を計って入力してみる
4. 録音形式のスピーキング練習
スマートフォンの録音機能を使って、問題カードの音読と質問への答えを録音し、聞き返しましょう。黙ってしまっても録音は進むので、Well, let me see... などでつなぎながら話し続ける練習が役立ちます。
受験スケジュールの立て方
S-CBTの「同じ検定回で最大3回」「従来型と併願できる」という仕組みは、うまく使えば学習の計画づくりにも役立ちます。
例:2級を目指す高校生の場合
- 検定回の前半にS-CBTで1回目を受ける
- 結果の英検CSEスコアで、4技能のうちどこが弱いかを確認する
- 弱い技能を1か月ほど集中的に練習する
- 同じ検定回のうちに、2回目に挑戦する
このように、受験→スコアで弱点確認→集中練習→再挑戦のサイクルを回せるのがS-CBTの強みです。
ただし、受験料はそのつどかかります。「とりあえず何回も受ける」のではなく、1回ごとに何を改善して次に臨むかを決めてから申し込みましょう。検定回の区切りや申込期間は公式サイトで確認し、学校行事や定期テストと重ならない日を選ぶのがおすすめです。
選び方の手順とよくある失敗
選び方の3ステップ
- 受験級を確認:1級・4級・5級なら従来型。
- 日程を確認:受けたい時期にどちらの方式が合うか。入試などで提出期限がある場合は、結果が出る時期も公式サイトで確認。
- 得意な形式を考える:紙と画面、手書きとタイピング、対面と録音。どちらで力を出しやすいか。
迷ったら、一度S-CBTで受けてみて、自分に合うかを確かめるのも1つの方法です。
よくある失敗
- 操作に慣れずに本番を迎える:体験できるページで、事前に流れを確認しておきましょう。
- タイピング型を選んだのに練習していない:手書きより遅くなってしまっては本末転倒です。
- 録音形式で沈黙が長くなる:答えを考える間も英語でつなぐ練習を。
- 提出先の条件を確認しない:入試などで使う場合は、要項で受験方式や有効期限などを確認しましょう。
ポイント:S-CBTは「受験のチャンスを増やせる方式」。形式に慣れておけば、自分の予定に合わせて挑戦できる心強い選択肢になります。
今日は、公式サイトでS-CBTの受験の流れを確認し、自分の受験級で使えるかチェックしてみましょう。



