まず押さえたい:いまの英検の全体像
英検は5級から1級まで、2025年度に新設された準2級プラスを含めて8つの級があります。準2級プラスは準2級と2級のあいだに置かれた級で、準2級から2級へのジャンプが大きすぎると感じていた人の「中間の目標」として使えます。
もうひとつ大事なのが、2024年度第1回からの問題形式リニューアルです。日本英語検定協会の発表をもとに、ポイントを自分の言葉でまとめるとこうなります。
- 3級・準2級:ライティングが1題から2題になり、従来の「意見論述」に加えてEメール問題が登場
- 2級・準1級・1級:ライティングが2題になり、意見論述に加えて要約問題が登場
- 2級以上:その分、語彙問題や長文問題の数が減った
- 試験時間は3級(65分)と準2級(80分)が延長、それ以外の級は据え置き
さらに準2級プラスも、ライティングは要約と意見論述の2本立てです。つまり、準2級プラス以上はすべて「要約」がある時代になりました。
ポイント:英検のスコア(英検CSEスコア)は、一次試験ではリーディング・ライティング・リスニングがほぼ均等に配分されます。ライティングは問題数こそ少ないものの、得点の重みは大きいのです。
試験の細かい形式は年度によって変わることもあるので、受験前には必ず英検の公式サイトで最新情報を確認してくださいね。
5級・4級:英語を「音」と「かたまり」でつかむ時期
5級と4級は、一次試験がリーディングとリスニングだけで、ライティングはありません。スピーキングテストはコンピューターで録音する形式で、一次試験の合否とは別に判定されます。
この段階でいちばん大切なのは、英語を声に出して、音と意味を結びつけることです。単語帳を眺めて覚えるだけだと、リスニングで「知っているはずなのに聞き取れない」が起きやすくなります。
おすすめの進め方(1日20〜30分)
- 単語:級別の単語帳を1日10〜15語。必ず音声を聞き、発音しながら覚える
- 文法:be動詞・一般動詞・疑問文・過去形など、基本の文の形を例文ごと音読
- リスニング:過去問の音声を聞き、スクリプトを見ながらもう一度聞く
- 過去問:本番1か月前から、週1回を目安に時間を計って解く
5級・4級は「英語って意外とわかる!」という成功体験をつくる級です。完璧主義にならず、過去問で合格ラインを超えたら次の級へ、くらいの軽やかさで進めるのがおすすめです。
3級・準2級:Eメールと意見論述で「書く型」を身につける
3級から二次試験(面接)が加わり、ライティングも2題になります。ここが英検で最初の大きな壁です。
3級のEメール問題は短いメールに返信する形式、意見論述は質問に対して自分の考えと理由を書く形式です。準2級も同じ2本立てで、語数と内容のレベルが一段上がります。どちらも語数の指定は問題冊子に明記されるので、過去問で自分がどのくらいの長さを書けばいいかを体で覚えておきましょう。
書く力を伸ばす3ステップ
- 型を決める:意見論述なら「意見 → 理由1 → 理由2 → まとめ」。Eメールなら「お礼・あいさつ → 質問への回答 → 相手への質問(指示がある場合)」
- 使い回せる表現を自分で5つ作る:たとえば I think that... / One reason is that... / Also, ... / For these reasons, ... のように、どの話題にも使える骨組みを自分のノートにまとめる
- 週2本書いて見直す:書いたら音読して、主語と動詞がそろっているか、三単現のsや時制が合っているかをチェック
面接は、パッセージの音読、パッセージやイラストについての質問、受験者自身についての質問が中心です。音読練習をそのまま面接対策にできるので、教科書や過去問の文章を毎日1本、声に出して読む習慣をつけましょう。
ポイント:3級・準2級のライティングは「難しい単語」より「ミスのない文」が得点源。知っている単語で、確実に書ける文を積み上げましょう。
準2級プラス・2級:要約デビューの時期
準2級プラスと2級では、いよいよ要約問題が始まります。英検協会の案内では、要約の語数は2級が45〜55語、準2級プラスが25〜35語と明示されています。
要約で求められるのは、「本文を短くコピーすること」ではなく、内容を自分の言葉で言い換えて、要点だけを並べることです。ここで多くの人がつまずくのが次の3点です。
- 本文の文をそのまま抜き出してしまう
- 具体例や数字を入れすぎて語数オーバーになる
- 段落のつながり(しかし・その結果)が消えて、話の筋がわからなくなる
要約の基本手順
- 本文を段落ごとに読み、各段落の言いたいことを日本語で1行メモする
- メモをつなげて、全体の話の流れ(導入 → 利点 → 欠点、など)を確認する
- 具体例は「たとえば〇〇など」のようにまとめ役の言葉に置き換える
- 英語にするとき、本文の単語をなるべく別の言い方に変える(例:increase → rise / grow)
- 最後に語数を数え、指定の範囲に収まっているか確認する
2級の意見論述は、社会的な話題(テクノロジー、環境、働き方など)について意見を述べる形式です。語彙問題が減ったぶん、長文読解とライティングの比重が相対的に上がったと考えて、単語は「読んでわかる」から「書いて使える」へ一歩進めましょう。
準1級・1級:要約と論述で「論理の筋肉」を鍛える
準1級・1級では、要約の語数が準1級で60〜70語、1級で90〜110語と指定されています。本文も長くなり、テーマも社会問題・科学・政策など抽象度の高いものが中心です。
この級で差がつくのは、本文の論理構造を見抜く力です。筆者が「問題 → 原因 → 対策」の順に書いているのか、「賛成派の主張 → 反対派の主張」を並べているのか。構造がわかれば、要約は構造どおりに英文を並べるだけになります。
準1級・1級の1週間メニュー例
- 月・木:語彙(単語帳を30〜50語。例文ごと音読)
- 火・金:長文1題を精読 → 段落ごとの要点を英語で1文ずつ書く
- 水:要約1本(時間を計って)
- 土:意見論述1本 + 前週分の書き直し
- 日:リスニング過去問1回分 + 面接の練習(独り言でスピーチ)
語彙問題は減りましたが、1級・準1級の語彙は長文やリスニングの理解の土台です。単語学習をやめるのではなく、単語帳 → 長文 → 自分の要約で使うというサイクルにすると、覚えた単語が生きた知識に変わります。
面接は、準1級が4コマのイラストのナレーションと質疑応答、1級が複数のトピックから選ぶ2分間のスピーチと質疑応答です。どちらも「その場で論理的に話す力」が問われるので、ライティングで作った型をそのまま口で言う練習が効果的です。
級に関係なく効く「3つの共通習慣」
どの級を目指すにしても、次の3つは共通して効果があります。
- 間隔を空けて復習する:単語は覚えた翌日・3日後・1週間後にもう一度見る。間隔反復(spaced repetition)は記憶研究でも効果が確かめられている方法です
- 思い出す練習をする:答えを見る前に、まず自分で思い出す。単語カードで日本語から英語を言う、要約を本文を閉じて書く、などが「想起練習」になります
- 過去問は「解く」より「解き直す」:一度解いた過去問を1〜2週間後にもう一度解くと、本当に理解したかどうかがわかります
ポイント:過去問は英検の公式サイトで直近の回が公開されています。まずは1回分、時間を計って解いてみると、今の自分と合格ラインの距離がはっきりします。
合格までの期間は人によってまったく違います。「〇か月で必ず合格」という目標より、「毎週これだけやる」という行動の目標を立てるほうが、ぶれずに続けられますよ。



