3級・準2級で小学生がつまずきやすい3つの壁
3級は中学卒業程度、準2級は高校中級程度とされる級です。小学生にとっての壁は、主に次の3つです。
壁1:文法
3級では、過去形・未来の表現・比較・不定詞など、中学で学ぶ文法が一通り必要になります。準2級では、関係代名詞や現在完了なども出てきます。「なんとなく」で読めても、書くときに困るのが文法の壁です。
壁2:ライティング
3級・準2級ともに、Eメールと英作文の2題があります。自分の意見を理由つきで書く経験は、小学生には新鮮なぶん難しく感じやすいところです。
壁3:話題の内容
準2級になると、社会的な話題(環境・テクノロジー・仕事など)が増えます。日本語でも考えたことがないテーマは、英語で答えるのがより難しくなります。
3つの壁は「英語の力」だけの問題ではありません。年齢に合わせて、時間をかけて越えていけば大丈夫です。
文法は「書けるようになる順番」で先取り
小学生が文法を先取りするときは、ライティングで使う順番で進めると、勉強がすぐに英検の得点につながります。
3級に向けた順番の例
- be動詞・一般動詞の現在形(I am ~ / I like ~)
- 過去形(I went ~ / I played ~)
- 未来の表現(I'm going to ~ / I will ~)
- can / want to ~ / like to ~
- 比較(bigger / more interesting / the best)
- because を使った理由の文
1日の進め方
- 文法の説明を読む(5分)
- 例文を3つ音読する(5分)
- 自分のことで1文作る(5分)
自作例:
- 過去形:I went to the aquarium last Sunday.
- 比較:I think dogs are cuter than cats.
- 理由:I like summer because I can swim.
「自分のこと」で文を作るのが、小学生にとって一番記憶に残る方法です。
ライティング:まずは「型」を体で覚える
小学生のライティングは、上手な文を書くことより、型どおりに最後まで書けることを目標にします。
3級の英作文の型(語数の目安25〜35語)
I think ~. / I like ~.
First, ~.
Second, ~.
自作例(QUESTION:What do you like to do on rainy days?)
I like to read books on rainy days. First, I can read at home and don't get wet. Second, reading is fun because I can learn new things.(28語)
Eメールは「質問に全部答える」
3級のEメールでは、メールの中の質問に答えます。質問の文に線を引いて、1つずつ答えを書くと抜けがなくなります。
家庭でのサポート
- 書いた答案を一緒に声に出して読む
- 主語と動詞があるか、文の終わりに「.」があるかを確認する
- 内容を否定しない(「その理由はおかしい」より「もう一つ理由があるとすごいね」)
英語の細かい誤りは、学校や教室の先生に見てもらえると理想的です。家庭では、書く習慣を続けることを優先しましょう。
面接:声の大きさとアイコンタクトから
3級以上の二次試験は、面接委員と1対1で話す面接形式です。小学生にとっては、英語より「知らない大人と話す」ことが緊張の原因になることもあります。
家庭でできる面接練習
- 保護者が面接委員役になり、入室からのやり取りをまねする
- 問題カードの代わりに、教科書や問題集の短い英文で音読練習
- 「Do you like ~?」「What do you do on weekends?」などの質問に2文で答える
自作のやり取り例:
Q:What do you like to do after school?
A:I like to play soccer with my friends. It's very exciting.
準2級の面接で気をつけたいこと
準2級では、社会的な話題について意見を聞かれることがあります。ふだんの会話で、「スマホを使う時間を決めたほうがいいと思う?」「ゴミを減らすにはどうしたらいい?」など、日本語で意見を言う練習をしておくと、英語でも答えやすくなります。
リーディングとリスニングの進め方
ライティングと面接に目が行きがちですが、リーディングとリスニングも合否を左右する大切な技能です。
リーディング:長文は「一緒に読む」から
小学生にとって、準2級の長文は量も内容も手ごわいものです。最初は保護者が隣に座り、1段落ずつ「何の話だった?」と聞きながら読むと、内容をつかむ練習になります。慣れてきたら、設問を先に読んでから本文を読む解き方に進みましょう。
語彙:絵や体験と結びつける
小学生は、単語を「意味の暗記」より「場面」と結びつけると覚えやすい傾向があります。たとえば environment なら公園のゴミ拾いの思い出と、invite なら誕生日会と結びつけて、自作の短い文で覚えます。
- We picked up trash to protect the environment.
- I invited my friends to my birthday party.
リスニング:毎日10分、同じ音声を繰り返す
リスニングは、新しい問題をたくさん解くより、同じ音声を何度も聞いてまねするほうが力がつきます。過去問の音声を1日1パート聞き、答え合わせのあとにスクリプトを見ながら一緒に声に出して読みましょう。準2級のリスニングは放送が1回なので、慣れてきたら「1回で答える」練習も入れます。
保護者が気をつけたいこと
級を急ぎすぎない
英検は、年齢に関係なくどの級でも受けられます。ただ、3級・準2級の内容には、社会や生活の経験があってこそ理解しやすい話題も含まれます。合格できる力があるかどうかは、過去問で確かめてから受験級を決めましょう。
「合格」だけをゴールにしない
合格はうれしい目標ですが、英語を嫌いにならないことのほうがずっと大切です。不合格のときは、成績表の技能別スコアを見て「リスニングはすごく伸びたね」など、できたことを具体的に伝えるようにしましょう。
よくある失敗
- 過去問の答えを丸暗記させてしまう
- 毎日長時間の勉強を課して、英語の時間が苦痛になる
- 面接練習を本番直前に一度しかしない
1週間メニュー(小学生・1日30分)
- 月:単語15分+文法1項目
- 火:長文1題(一緒に読む)
- 水:英作文1題
- 木:単語15分+リスニング
- 金:Eメール1題
- 土:過去問の一部(リーディングだけ等)
- 日:お休み、または英語の絵本・動画を楽しむ
週に1日は「楽しむだけの英語」の日を入れると、長く続けやすくなります。
勉強を楽しく続ける工夫
小学生の英検の勉強は、「続ける仕組み」がとても大事です。
- カレンダーにシール:1日の勉強が終わったらシールを貼る
- 単語クイズを家族で:保護者が日本語を言い、子どもが英語で答える
- 英語の動画を一緒に見る:学習者向けのやさしい英語の動画や、英語の歌など
- 英語で日記を1文:「Today I ~.」だけでもOK
自作の日記例:
- Today I played tag with my friends.
- Today I ate curry. It was spicy!
1文日記は、そのまま英作文やEメールの練習になります。
今日やることは、「Today I ~.」の日記を1文書くこと。今日の出来事を英語にするだけで、ライティングの一歩が始まります。



