語数の指示はなぜ大事か
多くの英作文の問題では、「〇〜〇語程度」という語数の指示があります。この指示には、その語数で書ける程度の内容の深さを求めるという意味があります。
- 語数が足りない:理由や具体例が不十分で、主張を支えきれていないと判断されやすい
- 語数が多すぎる:要点を絞れていない、あるいは時間配分に問題があると見なされることがある
試験によって、語数の扱いや採点への影響は異なります。受験する試験の公式情報で、語数の数え方や、範囲外の場合の扱いを確認しておきましょう。
ここで紹介するのは、どの試験でも使える「内容を損なわずに語数を調整する」考え方です。大切なのは、語数を合わせるためにムダな言葉を足したり、必要な情報を削ったりしないことです。
ポイント:語数調整は「水増し」や「カット」ではなく、「内容の厚みを調整する」作業です。
語数を増やすテクニック5つ
1. 理由に「なぜなら」をもう一段足す
- ビフォー(9語):I think students should read books. It is useful.
- アフター(24語):I think students should read books. This is because reading helps them learn new words, which makes it easier to understand difficult texts.
「役に立つ」だけで終わらせず、「どう役に立つのか」を説明すると、自然に語数が増えます。
2. 具体例を入れる
- ビフォー:Exercise is good for health.
- アフター:Exercise is good for health. For example, walking for thirty minutes a day can help people sleep better at night.
具体的な場面、時間、人物を入れると、内容も説得力も増します。
3. 反対意見に触れる
「確かに〜という意見もある。しかし〜」という形を1〜2文入れると、主張に深みが出て語数も増えます(反論パートの詳しい書き方は、意見文の反論の記事で紹介しています)。
4. 結果や影響を書く
- アフター:If students read more books, they will be able to express their ideas more clearly in the future.
「そうするとどうなるか」を書くことで、主張の意味がはっきりします。
5. 結論を言い換えて締める
最初の主張を、別の表現で最後にもう一度書きます。For these reasons, I believe that reading books is one of the best ways for students to improve their language skills. のように、理由をまとめる形にすると自然です。
語数を減らすテクニック5つ
1. 前置きを削る
- ビフォー(14語):In my opinion, I personally think that this is a very important issue.
- アフター(7語):I think this is an important issue.
In my opinion と I think、personally は意味が重なっています。どれか1つで十分です。
2. 意味のない強調語を減らす
very、really、actually などは、使いすぎると語数だけが増えます。本当に強調したい箇所だけに残しましょう。
3. 重なった情報をまとめる
- ビフォー:Smartphones are convenient. They are also useful. They make our lives easier.
- アフター:Smartphones make our lives more convenient.
3つの文がほぼ同じことを言っている場合は、1文にまとめます。
4. 節を短い句に変える
- ビフォー:Students who are studying for exams need to sleep well.
- アフター:Students preparing for exams need to sleep well.
関係代名詞の who are を省いて分詞にすると、意味を変えずに短くできます。
5. 例を1つに絞る
例を3つ並べていたら、一番説得力のある1つだけ残して、そのかわり少し詳しく書くほうが、語数も内容のバランスもよくなります。
語数の数え方と時間配分のコツ
本番で毎回数えないための工夫
試験本番で1語ずつ数えるのは時間がかかります。そこで、ふだんの練習で自分の1行あたりの平均語数を知っておきましょう。
- 練習で英作文を書き、1行に何語書いているか、3〜4行分数えて平均を出す
- 指定語数をその平均で割り、「何行くらい書けばいいか」の目安を出す
- 本番では、行数でおおよその語数を判断する
たとえば1行に平均10語書く人なら、80〜100語の問題はおよそ8〜10行が目安です。解答用紙の形式によって行の長さが違うので、過去問の解答用紙に近い形で練習しておくと安心です。
数え方の注意
短縮形(don't など)や数字、ハイフンでつながった語をどう数えるかは、試験によってルールが決まっている場合があります。気になる人は公式の案内を確認しておきましょう。
時間配分の例(20分で100語前後の場合)
- 構成メモ:3〜4分(主張・理由2つ・例)
- 書く:12〜13分
- 見直しと語数調整:3〜4分
構成メモの段階で「理由2つ+例1つずつ」と決めておけば、書き終わったときに語数が大きく外れることは少なくなります。
よくある失敗と1週間の練習メニュー
よくある失敗
- 同じ内容の繰り返しで語数を稼ぐ:採点者には「言い換えただけ」と伝わります。
- 難しい言い回しで引き延ばす:It is a fact that it is important that... のような回りくどい表現は、かえって読みにくくなります。
- 削りすぎて理由が消える:語数を減らすときに、主張を支える理由まで削ってしまう。削るのはまず前置きと強調語から。
1週間の練習メニュー
- 月:過去に書いた英作文の語数を数え、1行あたりの平均語数を出す
- 火:40語程度の短い英作文を書き、「増やす技」で80語に広げる
- 水:火曜の80語の文章を、「減らす技」で50語に縮める
- 木:新しいテーマで、構成メモを書いてから80〜100語で書く
- 金:木曜の文章が範囲に入っているか確認し、足りなければ具体例、多ければ前置きを調整
- 土:時間を測って、構成メモ→書く→見直しの流れで1本書く
- 日:増やす技・減らす技のうち、自分がよく使ったものを3つずつメモする
語数調整に慣れると、「あと20語足りない」という焦りがなくなり、内容に集中して書けるようになります。



