1級の全体像と社会人の戦略
1級の一次試験は、リーディング・ライティング100分、リスニング約35分。二次試験は約10分の面接で、5つのトピックから1つを選んで2分間のスピーチを行い、質疑応答が続きます。
一次試験の構成
- 語彙22問、長文空所補充6問、長文内容一致7問
- 要約1問(90〜110語)、英作文1問(200〜240語)
- リスニング:会話、文、Real-Life形式、インタビュー
社会人の戦略
- 語彙は長期の毎日積み上げ(通勤時間を使う)
- 時事知識は仕事と生活の中で集める(ニュースを英語で)
- 書く体力は週末に集中して鍛える
- スピーチは英作文のネタを流用する
1級は「一度で受かる試験」と考えず、成績表を見ながら段階的に近づく試験と考えると、気持ちが楽になります。
語彙:1級レベルの語を「毎日・少しずつ・何度も」
1級の語彙問題は、日常ではあまり見かけない語も出題されます。社会人にとって最も時間がかかるパートなので、毎日の積み上げが欠かせません。
進め方
- 1級向けの単語帳を1冊決める
- 1日の新出は少なめにして、復習の回数を多くする
- 通勤時間は「英語を見て意味を思い出す」だけに集中
- 週末に「意味から英語を思い出す」逆向きテスト
句動詞も忘れずに
1級では句動詞も出題されます。句動詞は、似た形が多いので、自作の例文で場面ごと覚えましょう。
- iron out:We need to iron out the details before signing the contract.
- stave off:The company cut costs to stave off bankruptcy.
- brush up on:I'm brushing up on my presentation skills.
語彙が苦手でも戦える
語彙問題で大きく得点するのは簡単ではありません。語彙は着実に積み上げつつ、ライティングとリスニングで点を積む戦略も現実的です。
時事・社会問題の知識を集める
1級の要約・英作文・スピーチでは、環境・経済・医療・教育・テクノロジー・国際関係などの社会問題が扱われます。英語力に加えて、話題についての基本的な理解が必要です。
社会人の情報収集ルーティン
- 朝:英語のニュースサイトで見出しを5本読む
- 通勤:英語のポッドキャストやニュース番組を聞く
- 週末:気になったテーマを1つ選び、賛成・反対の論点をノートにまとめる
論点ノートの例(自作)
テーマ:週4日勤務制
- 賛成:生産性の向上、健康、人材確保
- 反対:顧客対応、中小企業の負担、業種による不公平
- 自分の立場:条件つきで賛成(業種に応じた柔軟な制度設計)
このノートは、英作文にもスピーチにもそのまま使えます。仕事で扱っているテーマは、実務経験を具体例として入れられるのが社会人の強みです。
ライティング:書く体力を週末に鍛える
1級のライティングは、要約(90〜110語)と英作文(200〜240語)の2題です。100分の中で2題を書き切るには、書く体力が必要です。
週末の練習メニュー
- 要約1題(20分)
- 英作文1題(30分)
- 書いた答案の見直し(20分):論理の飛躍、同じ表現の繰り返し、文法
英作文の序論テンプレ(自作)
It is often debated whether ~. I believe that ~ for three reasons: A, B, and C.
よくある失敗
- 理由3つのうち2つが似ている
- 具体例が抽象論のままで説得力がない
- 手書きの速度が遅く、結論まで書けない
本番の受験方式に合わせて、手書きかタイピングで練習しましょう。書いた答案は、英語の先生や添削サービスで客観的に見てもらえると、上達が早くなります。
長文:限られた時間で「読み切る」技術
1級の長文は、専門的なテーマを扱い、1題の量も多めです。仕事で英語の資料を読む機会がある人でも、試験では時間との戦いになります。
設問起点の読み方
- 設問を先に読み、何を問われているかを押さえる
- 各段落の最初の1〜2文で段落の役割をつかむ
- 設問に関係する段落を丁寧に読み、根拠の文を特定する
語彙がわからなくても読み進める
1級の長文には、知らない語が必ず出てきます。文脈から「プラスの意味かマイナスの意味か」だけ判断して先へ進む練習をしましょう。1語で止まらないことが、時間内に読み切るコツです。
社会人向けの長文トレーニング
- 平日:英語の論説記事を1本、10分で読み、主張を1文でメモ
- 週末:過去問の長文1題を時間を計って解き、根拠の文に線を引いて答え合わせ
仕事で読む英文(メール、報告書)と、試験の論説文は文体が違います。論説文特有の「譲歩→反論」「問題提起→解決策」といった流れに慣れておきましょう。
リスニングとスピーチの準備
リスニング:インタビュー形式
1級のリスニングには、インタビューを聞いて答える問題があります。英語のインタビュー番組やポッドキャストで、話者の主張を一文でメモする練習が効果的です。
スピーチ:2分間の型
1級の二次試験では、5つのトピックから1つを選び、2分間のスピーチを行います。準備の時間は短いので、型を決めておきます。
- 立場の表明(10秒)
- 理由1+例(40秒)
- 理由2+例(40秒)
- 結論(15秒)
自作のスピーチ冒頭例(トピック:Should governments do more to promote remote work?)
I believe governments should do more to promote remote work. I have two reasons: reducing traffic congestion in cities and supporting working parents.
質疑応答
スピーチのあとは、その内容や関連する話題について質問されます。反対意見を想定しておくと、質問に落ち着いて答えられます。社会人は、仕事の具体的な経験を交えて答えると説得力が増します。
長期計画と1週間メニュー
長期計画の例
- 最初の3か月:語彙の土台作り+過去問で現在地を確認
- 次の3か月:ライティングの型を固め、時事ノートを作る
- その後:過去問演習と成績表の分析を繰り返す
1週間メニュー(平日1時間、週末3時間)
- 月:通勤で語彙/夜に長文1題
- 火:通勤でリスニング/夜に時事ノート
- 水:通勤で語彙/夜に要約1題
- 木:通勤でリスニング(インタビュー)/夜に句動詞
- 金:通勤で語彙/夜は休み
- 土:英作文1題+2分スピーチ練習(録音)
- 日:過去問の一部+1週間の復習
続けるコツ
- 成績表の技能別スコアで、前回からの伸びを確認する
- 語彙の進み具合を記録して、目に見える形にする
- 仕事が忙しい時期は「語彙だけ」でも続ける
今日やることは、気になっているニュースのテーマを1つ選び、賛成・反対の論点を3つずつ書き出すこと。それが英作文とスピーチの最初のネタになります。
![英検3級ライティングはこの型に沿って書けばOK!正しい英作文の書き方[#03]](https://i.ytimg.com/vi/y_6f-eHUdWM/mqdefault.jpg)


