ライティングの基本情報と採点の4観点
まずは形式を整理しましょう。
- 英文要約:準1級は60〜70語、1級は90〜110語。語数の範囲は問題冊子に明示されるので、受験時に必ず確認しましょう
- 意見論述:与えられたトピックに対して、自分の立場と理由を述べる英作文。語数の目安は準1級で120〜150語程度、1級で200〜240語程度です(受験時は問題冊子の指示を必ず確認)
英検協会が公表している採点の観点は、内容・構成・語彙・文法の4つです。
- 内容:課題に答えているか、理由や具体的な説明があるか
- 構成:論理の流れがわかりやすいか
- 語彙:課題にふさわしい語を正しく使えているか
- 文法:多様な文の形を正しく使えているか
ポイント:協会は「トピックの問いに答えていない答案は全観点0点になることがある」と注意しています。どんなに英語が上手でも、問いからずれたら得点になりません。書き始める前に、問いを日本語で言い直すクセをつけましょう。
英文要約の手順:「構造メモ」を作ってから書く
要約でいちばん大切なのは、書き始める前の設計です。いきなり英文を書き始めると、前半の段落に語数を使いすぎて、後半の大事な論点が入らなくなりがちです。
5ステップ要約法
- 段落ごとに役割をつける:「背景」「利点」「問題点」「解決策」など
- 各段落の要点を5〜8語の英語メモにする:例 "remote work: saves commuting time"
- 具体例を抽象語でまとめる:「電車の遅延や渋滞」→ travel-related stress
- つなぎ言葉で論理を見せる:However / As a result / In addition など
- 語数を数えて調整する:多すぎたら形容詞と例を削り、少なすぎたら理由を1つ補う
言い換えのコツ
本文の表現をそのまま使うのではなく、次のような変換を意識すると自然に言い換えられます。
- 動詞を名詞に:The city decided to reduce... → The city's decision to reduce...
- 具体を抽象に:smartphones, tablets and laptops → digital devices
- 反対語+否定で:It is difficult → It is not easy(使いすぎには注意)
- 主語を変える:Many people support the plan → The plan has gained wide support
準1級では「本文の3段落 → 3文前後」、1級では「本文の4段落前後 → 4〜5文」が、語数的にも収まりやすい目安です。
意見論述の型:4段落で迷わず書く
意見論述は、型を1つ決めてしまうのが最短ルートです。STUDY HACK編集部おすすめの型は、次の4段落構成です。
- 序論:立場を明確に述べる(賛成か反対か、はい か いいえ か)
- 本論1:理由1 + 具体的な説明
- 本論2:理由2 + 具体的な説明(1級は理由3まで書くと語数を満たしやすい)
- 結論:立場と理由を言い換えて締める
準1級では問題文に「POINTS」として観点のヒントが示されることがあります。使うかどうかは受験者次第ですが、自分で理由を一から考えるより早く、論点のずれも防げるので、うまく活用しましょう。
理由の「深さ」を出す3点セット
理由を1文で終わらせると「内容」の評価が伸びません。次の3点セットで、1つの理由を3〜4文に広げます。
- 主張:何がどうなるのか
- 仕組み:なぜそうなるのか
- 結果:その結果、社会や個人にどんな影響があるのか
たとえば「在宅勤務を広げるべきか」というトピックなら、主張「通勤時間が減る」→ 仕組み「移動が不要になり、その時間を仕事や休息に使える」→ 結果「生産性や生活の質が上がる」という流れになります。
編集部オリジナル:そのまま使える表現リスト
ここに挙げる表現は、STUDY HACK編集部が型に合わせて作った例文です。自分のテーマに合わせて単語を入れ替えて使ってください。
序論
- I firmly believe that governments should invest more in public transportation.
- In my view, the benefits of online education clearly outweigh its drawbacks.
理由を示す
- The primary reason is that this policy would reduce the burden on young families.
- Another important point is that such technology can widen the gap between regions.
具体化・例示
- For instance, local companies could offer flexible schedules to working parents.
- This is particularly true in rural areas, where public services are limited.
結果・影響
- As a consequence, fewer students would be forced to give up higher education.
- This, in turn, would lead to a more sustainable economy in the long run.
結論
- For these reasons, I am convinced that the government should take action now.
- In conclusion, although there are some concerns, the advantages are far greater.
ポイント:表現は「覚える」より「使う」ことで定着します。1つの表現につき、自分でテーマを変えた例文を2つ作ってノートに残しましょう。
時間配分とミスを減らす見直しチェック
リーディングとライティングは同じ試験時間の中で解くため、ライティングにどれだけ時間を残すかを先に決めておくことが大切です。一般的には、要約に15〜20分、意見論述に20〜25分程度を確保する人が多いようです。自分の読むスピードに合わせて、過去問で配分を試してみましょう。
解く順番も工夫できます。語彙問題 → ライティング → 長文読解の順にすると、「時間切れでライティングが白紙」という最悪の事態を避けやすくなります。
見直しチェックリスト(最後の3分で)
- 問いに対する答えになっているか(立場が冒頭で明確か)
- 主語と動詞の一致、三単現のs
- 時制のぶれ(現在形で書いていたのに急に過去形になっていないか)
- 冠詞と名詞の単数・複数
- 同じ単語を何度も使っていないか(important が3回以上なら要注意)
- 語数が指定範囲内か
見直しでは、全部を読み直すよりチェック項目を1つずつ目で追うほうが、ミスを見つけやすくなります。
添削なしでも上達する「自己添削」のしかた
理想は第三者の添削ですが、毎回お願いするのは難しいですよね。そこで、1人でもできる上達法を紹介します。
- 24時間寝かせる:書いた直後は自分の文の粗が見えにくいもの。翌日に読み返すと、意外なほどミスに気づけます
- 音読する:声に出すと、文のリズムの悪さや主語の抜けがわかります
- 模範解答と構造を比べる:過去問の解答例と、段落の数・理由の数・具体例の入れ方を比べる。表現を丸写しするのではなく、構造だけを学ぶ
- AIに文法チェックだけ頼む:生成AIに添削を頼む場合は、「文法の誤りだけ指摘して、書き直しはしないで」と指定すると、自分の力で直す練習になります
- 書き直し版を作る:直したものをもう一度清書して、「ビフォー・アフター」をノートに並べる
ポイント:同じトピックで2回書くと、1回目より確実によくなります。新しい問題をたくさん解くより、1本を磨き上げるほうが力がつく時期もあります。
週に要約2本・意見論述1本を目安に、1か月続けると、書くスピードと型の安定感が目に見えて変わってくるはずです。



