高校入試の英語はどんな力を見ているか
高校入試の英語の問題は、都道府県や学校によって形式がさまざまですが、多くの場合、次のような力が問われます。
- リスニング:短い会話や説明を聞いて、内容に合う答えを選ぶ・書く
- 長文読解:会話文やスピーチ、説明文などを読んで設問に答える
- 文法・語彙:空所補充、並べかえ、語形変化など
- 英作文:自分の意見や、絵・表の内容を英語で書く
公立高校の入試では、長文読解の占める割合が大きい傾向があり、問題全体の英文量も少なくありません。そのため、限られた時間で英文を読み切る力が重要になります。
一方で、使われている単語や文法の多くは、中学校の教科書で学ぶ範囲です。特別な難しい知識より、中学英語を「速く・正確に」使えるかどうかが問われていると考えましょう。
ポイント:まず志望校の入試問題を1年分見て、大問の構成と試験時間を確認しましょう。敵を知ることが、対策の第一歩です。
長文読解:解いた後の「音読」で速く読めるようになる
長文読解の力は、たくさん解くことよりも、解いた長文をどう復習するかで伸び方が変わります。
長文の解き方
- 先に設問にざっと目を通し、何が問われているかを確認
- 本文を最初から読み、設問に関係しそうな部分に線を引く
- 選択肢は、本文の内容と照らし合わせて選ぶ(自分の想像で選ばない)
長文の復習5ステップ
- 答え合わせをして、間違えた理由を書く
- わからなかった単語を調べ、ノートにまとめる
- 意味がわからなかった文を、スラッシュで区切って訳す
- 本文を音声(あれば)に合わせて音読
- 翌日、もう一度本文を音読し、スラスラ読めるか確認
解いた長文を音読すると、「英語を英語の順番で理解する」練習になり、読むスピードが少しずつ上がっていきます。
本文を区切って読む例
- Many people in my town / use bikes / to go to work, / so the city built / new bike lanes / last year.
このように、前から順番に意味をとる練習を繰り返すと、返り読み(後ろから訳すこと)が減り、時間内に読み切れるようになります。
リスニング:聞きっぱなしにしない
リスニングは、毎日少しずつ続けることが一番大切な分野です。1日10〜15分でいいので、早い時期から始めましょう。
リスニングの練習手順
- 問題を解く(本番と同じように1回か2回聞く)
- 答え合わせ
- スクリプト(読まれた英文)を見ながら、もう一度聞く
- 聞き取れなかった部分に線を引く
- スクリプトを見ながら、音声に合わせて音読する
聞き取れない原因を分ける
聞き取れなかった部分は、原因が主に2つあります。
- 単語を知らなかった → 単語を覚える
- 知っている単語なのに聞き取れなかった → 音のつながりや弱く読まれる音に慣れる
たとえば、Would you like some water? は、自然な速さでは would と you がつながって聞こえることがあります。こうした音の変化は、スクリプトを見ながら音読をまねすることで、少しずつ聞き取れるようになります。
本番のコツ
- 音声が流れる前に、選択肢や図・表に目を通しておく
- メモは単語レベルで短く(数字・曜日・場所など)
ポイント:リスニングは「問題を解く」より「解いた後にまねして読む」ほうが力がつきます。
英作文と文法:正確さで点を取る
英作文
高校入試の英作文は、多くの場合、難しい表現より正しい英語で、指示に合った内容を書けるかが見られます。
練習の手順はこうです。
- よく出る形式のテーマで、まず日本語でメモを作る(意見と理由2つ)
- 中1・中2で習った文法を使って、短い文で書く
- 三単現のs、複数形、時制、つづりを見直す
- 学校の先生に添削してもらう
- 直された文を書き写し、次に使える「自分の表現集」にする
例:「好きな季節とその理由」がテーマなら、
- I like spring the best. I have two reasons. First, the weather is warm and comfortable. Second, I can see beautiful cherry blossoms in the park near my house.
このように、シンプルな文でも、理由がはっきりしていれば伝わる英作文になります。
文法・語彙
文法問題は、中1〜中3の基本問題を確実に解けることが最優先です。特に、並べかえ問題は、文の骨組み(主語+動詞)を先に見つけることが正解への近道です。
単語:すべての分野の土台を固める
長文もリスニングも英作文も、単語がわからなければ始まりません。高校入試に向けては、中学校で学ぶ単語を「見て意味がわかる」だけでなく、「聞いてわかる」「書ける」状態にしておくことが理想です。
受験の単語対策の進め方
- まずは教科書に出てきた単語を総復習する
- 次に、高校入試向けの単語帳を1冊選び、1日20〜30語ずつ進める
- 単語帳の音声を使って、発音とセットで覚える
- 長文やリスニングで出てきた知らない単語は、ノートにまとめて復習する
単語はフレーズで覚える
- look forward to the trip(旅行を楽しみにする)
- be good at making cakes(ケーキ作りが得意だ)
- solve the problem(問題を解決する)
フレーズで覚えると、長文の中で出てきたときに意味をすばやくつかめるうえ、英作文でもそのまま使えます。
入試までの週間プランと直前期の過ごし方
分野ごとの対策を、1週間の中でバランスよく回すプランの例です(平日1時間、休日2時間を想定)。
週間プラン例
- 月:長文1題(時間を計る)+復習・音読
- 火:リスニング15分+英作文1本
- 水:長文1題+復習・音読
- 木:文法の弱点単元(問題集1単元)+単語
- 金:リスニング15分+単語テスト
- 土:過去問または模試形式の問題1回分
- 日:1週間の間違い直し+英作文の書き直し
単語は、毎日10〜15分、ほかのメニューと組み合わせて必ず入れましょう。
直前期(入試1か月前〜)
- 過去問を本番と同じ時間で解き、大問ごとの点数を記録
- 時間が足りない大問があれば、解く順番を見直す
- 新しい教材より、今まで間違えた問題の解き直しを優先
時間配分の考え方
試験時間の中で、リスニング以外の問題をどの順番で解くか、あらかじめ決めておきましょう。英作文を先に書く人、長文を先に読む人など、自分に合った順番を過去問で試しておくと、本番で焦りません。
よくある失敗と、今日からの一歩
よくある失敗
- 長文を解きっぱなしにする
答え合わせだけで終わると、同じレベルの長文を何題解いても、読むスピードはなかなか上がりません。解いた長文は必ず音読しましょう。
- 英作文で難しいことを書こうとする
難しい表現にチャレンジして文法を間違えるより、確実に書ける文で書くほうが点数は安定します。
- リスニングを直前にまとめてやる
リスニングは短期間では伸びにくいので、早めに毎日の習慣にしておきましょう。
- 単語を後回しにする
長文もリスニングも、単語がわからなければ理解できません。単語はすべての分野の土台です。
高校入試の英語は、分野ごとに正しい練習を積み重ねれば、確実に伸ばせる科目です。今日は、志望校の入試問題を1年分だけ見て、どんな大問があるかを確認してみましょう。それが、あなた専用の対策の出発点になります。



