中3英語は「新しい単元」と「総復習」の二刀流
中3の英語が大変なのは、新しい文法を学びながら、同時に中1・中2の復習もしなければならないからです。
多くの教科書で中3に扱われる主な単元はこちらです。
- 現在完了(経験・継続・完了)、現在完了進行形
- 分詞の形容詞的用法(the boy playing tennis など)
- 関係代名詞(who / which / that)
- 間接疑問文(I know where he lives. など)
- 仮定法(If I were a bird, ... など)
- 原形不定詞(help 人 do / let 人 do など)
2021年度から全面実施された中学の学習指導要領では、仮定法や現在完了進行形などが中学で扱われるようになりました。一方で、高校入試で出題される英語の大部分は、中1・中2の文法と単語でできています。
ポイント:中3の1年間は「新しい単元を授業で固める」と「中1・中2の穴を自分で埋める」の2本立てで考えましょう。
4月〜7月:中1・中2の総点検と中3文法
この時期の目標
中1・中2の文法と単語の「穴」を見つけてふさぐこと。部活が続いている人も多いので、1日30〜45分で回せる計画にします。
やること
- 中1・中2の文法問題集(薄いもの1冊)を、単元ごとに基本問題だけ解く
- 間違えた単元に印をつけ、教科書の基本文を音読して復習
- 単語は、教科書の中1・中2の単語を1日20語ずつテスト
- 授業で習う現在完了は、3つの意味ごとに例文を覚える
現在完了の例文
- I have visited Okinawa twice.(沖縄に2回行ったことがある)=経験
- She has lived in this town since 2020.(2020年からこの町に住んでいる)=継続
- I have just finished my homework.(ちょうど宿題を終えたところ)=完了
この時期の週間プラン例
- 月・水・金:中1・中2の文法復習(1単元ずつ)
- 火・木:中3の授業内容の復習+教科書音読
- 土:1週間分の単語テスト
- 日:間違えた問題の解き直し
8月(夏休み):受験英語の土台を完成させる
夏休みは、受験英語でいちばん大きく伸ばせる時期です。部活を引退した人は時間が増えるので、1日1.5〜2時間を目安に英語に取り組みましょう。
夏休みの3つの目標
- 中1・中2の文法をすべて1周終える
- 中学単語を一通り確認する(教科書の単語や、受験用単語帳の基本レベル)
- 長文とリスニングに慣れ始める
夏休みの1日メニュー例(英語90分)
- 20分:単語(新しい語30語+復習)
- 30分:文法問題集(1単元)
- 25分:短めの長文1題を解き、本文を音読
- 15分:リスニング問題1回分+スクリプトを見ながら音読
長文は、最初は短いものから始めて大丈夫です。解いた後に本文を音読することで、同じ文章から単語・文法・読むスピードをまとめて伸ばせます。
ポイント:夏休みは「新しい問題集を何冊も買う」より「1冊を2回やり切る」ほうが確実に力がつきます。
9月〜12月:実戦力を上げる
2学期は、定期テストや模試が続く時期です。授業の内容をしっかり押さえつつ、入試形式の問題に慣れていきます。
やること
- 志望校がある都道府県の過去問を、形式を知るために1年分解いてみる
- 長文は週2〜3題。時間を計って解く
- リスニングは週3回以上。音声を聞きながら音読する
- 英作文は、よく出る形式(自分の意見を書く、絵や表を説明する等)で週1〜2本書き、先生に見てもらう
模試の使い方
模試は点数や判定よりも、「どの大問で点を落としたか」を分析する材料です。
- 単語がわからなかった → 単語の復習を増やす
- 時間が足りなかった → 長文を時間を計って解く練習を増やす
- 英作文で減点された → 型を決めて書く練習をする
週間プラン例
- 月:長文1題+音読
- 火:リスニング+英作文1本
- 水:長文1題+音読
- 木:文法の弱点単元の復習
- 金:リスニング+単語テスト
- 土:過去問または模試の復習
- 日:1週間の間違い直し
1月〜入試直前:過去問と弱点つぶし
この時期の中心は過去問
志望校の入試問題(公立なら都道府県の問題)を、数年分解きます。
- 本番と同じ時間で解く
- 答え合わせをして、大問ごとの点数を記録
- 間違えた問題の原因(単語・文法・時間・うっかり)を書き出す
- 長文とリスニングの本文を音読する
直前期にやらないほうがいいこと
- 新しい問題集に次々と手を出す
- 難しすぎる問題に長時間こだわる
- 睡眠時間を削る
直前期は、今まで使ってきた教材の「間違えた問題」を見直すのがいちばん効果的です。自分のノートや問題集の印は、世界にひとつだけの弱点リストです。
ポイント:入試前日は、新しいことはせず、よく使う例文と単語を軽く確認して早めに寝ましょう。
分野別:長文・リスニング・英作文の伸ばし方
月別の計画とは別に、入試の3大分野それぞれの伸ばし方も押さえておきましょう。
長文
解いた長文は、必ず「解きっぱなし」にしないこと。答え合わせの後に、わからなかった単語を調べ、本文を3回音読します。同じ文章を何度も読むことで、読むスピードが少しずつ上がっていきます。
リスニング
問題を解いた後に、スクリプト(読まれた英文)を見ながら音声を聞き、聞き取れなかった部分に線を引きます。聞き取れない原因の多くは、「知らない単語」か「音のつながり」です。たとえば Can I have a cup of tea? は、ゆっくり読む時と、自然な速さで読む時とで、聞こえ方がかなり変わります。
英作文
英作文は「型」を決めてから練習すると安定します。
- I think that students should read books every day.(自分の意見)
- I have two reasons.(理由の数)
- First, ... Second, ...(理由1・理由2)
難しい単語は使わず、中1・中2の文法で正確に書くことを優先しましょう。書いたら、学校の先生に添削をお願いするのが一番の近道です。
中3でよくある失敗と、今日からの一歩
最後に、中3でよくある失敗を3つ紹介します。
- 計画を立てるだけで満足する
きれいな年間計画を作っても、実行できなければ意味がありません。月ごとの目標は1〜2個に絞り、週単位で「できた・できなかった」を確認しましょう。
- 苦手な単元から目をそらす
苦手な単元は、入試でも同じように点を落とします。1つずつでいいので、苦手単元を「ふつう」に引き上げることを意識してください。
- リスニングを後回しにする
リスニングは短期間では伸びにくい分野です。1日10分でも、早い時期から毎日続けることが大切です。
受験勉強は長距離走です。最初から全力で走る必要はありません。今日は、中1の教科書を開いて、最初の数課を音読してみてください。スラスラ読めれば自信に、つまずけばそこが最初の復習ポイントになります。



