ENGLISH TEACHER’S BRIEFING / LOMÉ EDITION
📬 原田先生の英語教育ニュースレター
中高英語教師のための授業アイデア&最新情報
2026年7月28日(火)| Vol.159
PAGNE I / TODAY’S HEADLINE
⚡ 7月24日発表
夏休みの宿題にAI「アリ」42.1% — ただし〈作文・読書感想文〉だけは3割止まり
SHIFT AIが小学生の保護者722名に実施した調査で、夏休みの宿題への生成AI利用を「積極的に活用させたい/内容によっては使ってよい」とした保護者は42.1%。許容度は用途で大きく割れ、「自由研究のテーマ決め・アイデア出し」67.0%/「わからない問題の解説」64.1%に対し、「読書感想文」32.7%/「作文・日記」31.3%と半減します。保護者は「考えるきっかけ」への利用は歓迎し、「自分の言葉で書く課題」には慎重、という線引きを直感的に持っている。
▶ 英語科への読み替え:この「線引き」は、そのまま英作文課題の設計図になります。夏課題のプリントに「AI OKゾーン」と「自分の手でゾーン」を最初から刷り込むのが最短ルート。たとえば〈トピック探し・単語調べ・言い換え候補〉はOK、〈最初のドラフト・自分の体験の描写・最終稿〉は自分の手で。禁止でも放任でもなく“どこで使うか”を先に配るだけで、2学期の返却指導が驚くほど楽になります。
PAGNE II / 5-MINUTE WARM-UP
🎯 今日の帯活動アイデア(5分でできる!)
西アフリカのワックス布は、柄ひとつひとつに名前がついています。今日はその発想を教室へ。
🎨 Cloth Names(柄に名前をつける)
対象:中2〜高3 | 時間:5分 | 準備:黒板に簡単な図形3つ
▶ やり方
① 黒板に単純な図を3つ描く(例:飛んでいく鳥/絡まった糸/重なる円)。
② ペアで1つ選び、英語で名前をつける:“We’d call it ‘Money Flies Away.'”
③ 必ず理由を1文添える:“…because the birds are leaving the nest.”
④ 3組だけ発表。クラス投票で「今日の一枚」を決める。
💡 命名は、抽象を1語に圧縮する作業。名詞句を作る力と because 節が同時に動きます。正解がないので、英語が苦手な生徒ほど手が挙がる活動です。
📏 Six Yards(6語ちょうどの文)
対象:中1〜高2 | 時間:5分 | 準備:不要
▶ やり方
① 布は6ヤード単位で売られる — 今日のルールは「ちょうど6語」。
② 教師がテーマを1つ(例:summer / my town / rain)。全員が6語ちょうどの文を書く。
③ ペアで交換し、相手の文に1語だけ足して7語にする(語順の変更も可)。
④ もう一度交換して8語に。3周したら音読して比べる。
💡 語数の縛りがあると、生徒は「削る」「差し替える」を自分でやり始めます。冠詞・前置詞の存在に気づかせるのに最適。
PAGNE III / AI × ELT
🤖 AI × 英語指導 最前線
FOR TEACHERS
🧵 Wizer
wizer.me — 紙のプリントを、そのまま“音声で答えられる”課題に
手持ちのPDFプリントを取り込んで、選択・記述・画像への書き込みに加えて音声・動画で回答させる問題を足せるワークシート作成プラットフォーム。提出物は自動採点され、教師は音声回答をその場で聞いて返せます。さらに、過去の成績や属性から条件を作っておくと自動でグループ分けし、生徒ごとに難度の違うプリントを配る「Differentiation Wizard」が動きます。
✅ 既存のプリント資産を捨てずにデジタル化できる
✅ 音声回答フィールドで“スピーキングの宿題”が成立する
✅ 自動採点+Google Classroom連携で回収の手間が消える
✅ 作成機能は無料プランで利用可能
🎓 2学期の音読課題に。教科書本文を貼って音声回答欄を1つ置くだけで、全員分の音読が“聞ける宿題”になります。
FOR STUDENTS
🗣 Promova
promova.com — レベル診断つきの短時間レッスン+AIとの会話練習
英語を含む多言語対応の学習アプリ。最初にレベル診断を受けてから、1回数分の短いレッスンを積み上げていく設計で、語彙・文法の練習に加えてAIチューターとの会話練習が用意されています。「毎日30分」より「毎日5分を続ける」が現実的な中高生の自学と相性がよく、無料で試せる範囲があるのも紹介しやすいところ。
✅ レベル診断から入るので“どこから始めるか”で迷わない
✅ 1回数分単位。部活後でも回せる分量設計
✅ AIチューターとの会話練習で発話量を確保できる
✅ 無料で試せる範囲あり(有料プランは要確認)
🎓 夏休みの自学メニューに。「1日1レッスン+AIと1往復」を課し、9月にスクリーンショットを提出させると継続率が上がります。
PAGNE IV / NEWS FLASH
📰 英語教育ニュース FLASH
🇯🇵 JAPAN
小学生の夏休みの宿題、約4割が「7月中に終わらせる」が目標=ベネッセ調べ
7月27日公表の調査で、宿題を終える目標を「7月中まで」とした子どもが38.9%と最多、前年から7.3ポイント増。「目標はない」は27.0%まで減りました。一方で最も大変な宿題は「自由研究・工作」、次いで「読書感想文」。前倒しで終わる課題と、最後まで残る課題がはっきり分かれているのが読みどころです。英語の夏課題も、単語・音読のような“毎日型”と、英作文のような“重い一発型”を分けて締切を置くと回収率が変わります。
🇯🇵 JAPAN
「Gemini for Education アイデアソン 2026 Showcase」最終発表会、8月7日オンライン開催
教育現場での生成AI活用アイデアを競うアイデアソンの最終発表会が8月7日に開かれます。他校の先生が「何を捨てて何を残したか」を実装レベルで聞ける機会は、夏休み中でこそ価値があります。英語科なら、教材の難易度調整・小テスト自動生成・添削の下書きあたりが、そのまま2学期に持ち帰れる射程です。
🌍 GLOBAL
米:英語学習者かつ障害のある生徒を支える人材が足りない — 教員の75%が「不十分」
Education Weekが7月に報じた自社調査(教育関係者1,122名)によると、英語学習者全般では55%が「適切に研修を受けた人員が不十分」と回答した一方、英語学習者かつ障害のある生徒(dually identified)については75%に跳ね上がりました。原因は指導の縦割り — 一般教員・英語担当・特別支援担当の間に、計画された協働がほとんどないこと。日本語指導が必要な生徒と特別支援が重なる教室を持つ先生には、他人事ではないデータです。
PAGNE V / TOOLBOX
🛠 超絶使える!英語学習ツール
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🔊 Sounds of Speech
アイオワ大学が公開する無料の発音教材。英語の各音を口の中の断面アニメ+動画+音声で確認できます。/l/ と /r/、th の指導を「口の形」で説明したい時に。
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📐 Grammaring
中上級者向けの英文法リファレンス。実例中心で、「間違いやすい構文」に絞って整理されているのが特徴。50問の無料文法テストもあり、高3の総復習に使えます。
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🗂 onestopenglish
マクミラン運営の教師向け教材サイト。文法・語彙・技能別のレッスンプランと活動アイデアが大量に蓄積されています。ネタ切れの週に開くと必ず1つは拾えます。
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PAGNE VI / WORLD CLASSROOM
🌎 世界の教室から学ぶ
🇹🇬 トーゴ — 英国に支配されたことがないのに、英連邦に入った国
公用語はフランス語。日常語はエウェ語やカビエ語。英国の植民地だった歴史はありません。そのトーゴが2022年6月、英連邦(コモンウェルス)に加盟しました。理由は歴史ではなく地理と経済です。西隣はガーナ、少し東にはナイジェリア。首都ロメの巨大市場グラン・マルシェには英語圏の商人が日常的に出入りし、国境をまたぐ商売では英語が「稼げる言語」として機能してきました。政府は中等教育の英語強化と教員研修を進め、若い世代にとって英語は“学校の科目”である前に“市場で通じる道具”です。
そのロメの市場を戦後長く仕切ってきたのが、「ナナ・ベンズ」と呼ばれた女性布商人たち。彼女たちが売るワックス・プリントには、柄ごとに名前とことわざがついています。布を選ぶことは、身につけるメッセージを選ぶこと。言葉が布に乗って歩き回る文化です。
🔑 明日から使えるテクニック — Wear Your Sentence
ナナ・ベンズ方式を教室へ。授業で扱った表現から生徒が1つだけ選んで名札サイズの紙に書き、机の角に置く。ルールはひとつ、その時間内に必ず1回使うこと。使えたら裏返す。週に5枚たまったら、金曜に「今週の5文」でペアトーク。教師が配った表現ではなく自分で選んだ表現なので、生徒は“自分の言葉”として持ち帰ります。覚えさせるのではなく、身につけさせる。布と同じです。
TODAY’S QUOTE FOR TEACHERS
“Creativity is not simply a property of exceptional people
but an exceptional property of all people.”
but an exceptional property of all people.”
創造性とは、特別な人だけが持つ性質ではない。
すべての人が持つ、特別な性質なのだ。
すべての人が持つ、特別な性質なのだ。
— Ronald Carter(ロナルド・カーター/英国の応用言語学者・『Language and Creativity』著者)
PAGNE VIII / TUESDAY PAGNE
🧶 Tuesday Pagne — 火曜の3分ふりかえり
火曜は、その週の「型」が見えはじめる日。布を裁つ前に、柄と端を確かめておきます。
MOTIF / 柄
今週、自分がいちばん繰り返している指導の“型”は何ですか。それは意図して選んだものですか。
LISIÈRE / 布の耳
ほつれかけている所はどこですか。回っていない手順を1つだけ名指ししてみてください。
COUPE / 裁つ
明日、1か所だけ切り落とすとしたらどこですか。足すのではなく、減らす方で考えます。
PAGNE IX / ONE-MINUTE TIP
💡 今日の1分ティップス — Last 30 Seconds
授業終了の30秒前にペンを置かせる。そして一言だけ:“Tell your partner one thing you learned today. In English.”書かせる振り返りより速く、しかも全員が声を出して終われるのが強みです。書く振り返りは「書けた生徒」しか残らないのに対し、口頭なら短い1文でも成立する。チャイムが鳴っても言い切らせる必要はありません。最後の記憶が“英語を話した”になること自体が目的です。1週間続けると、生徒が自分から要約を短くし始めます。
PAGNE + / INDEX OF LINKS
📎 今号の参考リンクまとめ
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FIN DU VOL.159 ◆ 28 JUILLET 2026
📬 原田先生のニュースレター Vol.159
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