恋人や友達のSNSを見るほど嫉妬が増える? 「見る→モヤモヤ→もっと見る」の悪循環

読む前に予想してみよう!
嫉妬の大きな原因のひとつは、「自分の価値が下がった」と感じることだ
実験では、自分への評価(自尊心)が脅かされたと感じる度合いが、嫉妬の強さを説明する主な要因になっていた。
- 対象
- カナダの大学生ほか
- 規模
- カナダの調査308人+オランダの調査・アメリカの実験
- 研究の種類
- 横断調査+実験
- 確かさ
- ★★★☆☆
SNSをよく使う人ほど、SNSがきっかけの嫉妬を感じやすかった。あいまいな投稿がモヤモヤを生み、確かめるためにまた見てしまう悪循環があるのかもしれない。
ひとことで言うとSNSをよく見る人ほど、SNSがきっかけのモヤモヤ(嫉妬)が強い傾向があった!
恋人や仲のいい友達のSNSを何気なく見ていたら、自分の知らない人と楽しそうに写っている写真が。「この人、誰?」「なんで誘ってくれなかったの?」——胸の奥がモヤッとする。
英語では嫉妬のことを「緑の目をした怪物(green-eyed monster)」と呼ぶことがあります。この怪物、SNSの時代になって、ますます出てきやすくなっているのかもしれません。
01SNSを長く使う人ほど、嫉妬しやすかった
研究チームは、ここに悪循環があるのではないかと考えました。
- SNSには、相手についてのあいまいな情報があふれている(誰かと写った写真、意味深なコメントなど)
- その情報が不安やモヤモヤを生む
- 不安を解消しようと、さらにSNSをチェックする
- また新しいあいまいな情報を見つけてしまう……
SNSがなかった時代には知りようがなかった情報まで、今は簡単に目に入ってしまう。それが、嫉妬の怪物にエサを与え続けているのかもしれません。

02ただし「SNSのせい」とは言い切れない
ここで注意が必要です。この研究はアンケートによる調査なので、「SNSを使うから嫉妬が増える」のか、「もともと嫉妬しやすい人がSNSをよくチェックする」のか、はっきりとは区別できません。
オランダの研究では、自尊心が低い人のあいだで、「人気者に見られたい」という気持ちが強い人ほど、SNSがきっかけの嫉妬を感じやすいという結果でした。研究者は、自尊心の低い人は理想的な自分像を見せて自信を補おうとするため、都合の悪い情報がその像をおびやかすのではと考えています。
03嫉妬の大きな要因は「自分の価値への不安」
では、そもそも嫉妬はなぜ生まれるのでしょうか。
アメリカの実験では、参加者にある課題をしてもらい、途中でパートナー役の人が別の人のほうへ行ってしまう、という場面を作りました。その結果、嫉妬の強さを大きく左右していたのは、「自分の価値が下がった」と感じる度合い(自尊心への脅威)でした。さらに、嫉妬を感じた人は、攻撃的にふるまう傾向も見られました(この実験では、関わった相手が食べる試食用に、激辛ソースを多めに盛るという形で測られました)。
つまり嫉妬は、「相手を取られる不安」であると同時に、「自分なんて大したことない」という心の痛みでもあるのです。
04まとめ
SNSを長く使う人ほど、SNSがきっかけの嫉妬を感じやすい——。その背景には、あいまいな情報が不安を生み、確かめるためにまた見てしまう悪循環があるのかもしれません。
そして嫉妬の大きな要因は、自分の価値への不安。モヤモヤしたら、スマホを置いて、自分を大切にする時間を作ってみてください。嫉妬の怪物は、エサがなければ小さくなっていきます。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIn English, jealousy is sometimes called "the green-eyed monster." Social media may be feeding it.
音声
4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く
原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
Have you ever felt jealous when you saw a friend's photo on social media? A study in Canada found that students who used Facebook more felt more jealousy because of it.
Photos and comments online are often unclear. They make people worried, so people check again and again. This can become a bad cycle. Jealousy also comes from feeling that you are not good enough.
65 words ・ CEFR A2
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SNSで友達の写真を見て、嫉妬を感じたことはありますか。カナダの研究で、Facebook をよく使う学生ほど、それがきっかけで嫉妬を感じていることが分かりました。
ネット上の写真やコメントは、はっきりしないことがよくあります。それが人を心配させるので、人は何度も確認してしまいます。これは悪い循環になることがあります。嫉妬は、自分には価値が足りないと感じることからも生まれます。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
SNSと嫉妬の関係が全体のテーマなので C。
Q2. Why do people check social media again and again?
Photos and comments online are often unclear. They make people worried, so people check again and again. とあるので A。
Q3. In this passage, "a bad cycle" means ...
心配して何度も確認する、を繰り返すことを指しているので D。cycle は「循環・くり返し」。
In English, jealousy is sometimes called "the green-eyed monster." Social media may be feeding it. In a 2009 survey of 308 Canadian university students, those who spent more time on Facebook reported more jealousy caused by Facebook, even after personality and relationship factors were considered. The researchers suggested a cycle. Social media is full of ambiguous information, such as photos with unknown people, which creates worry and leads people to check even more.
However, because this was a survey, it cannot show whether Facebook causes jealousy or whether jealous people simply check it more. A Dutch study found that among people with lower self-esteem, a strong need for popularity predicted more jealousy. An American experiment also showed that feeling a threat to one's self-worth was a major cause of jealousy.
130 words ・ CEFR B1
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英語では、嫉妬は「緑の目をした怪物」と呼ばれることがあります。SNSがその怪物にエサを与えているのかもしれません。カナダの大学生308人を対象にした2009年の調査では、Facebook に長い時間を使う学生ほど、性格や恋愛関係の要因を考慮したあとでも、Facebook がきっかけの嫉妬をより多く報告しました。研究者たちは悪循環を提案しました。SNSには知らない人と写った写真のようなあいまいな情報があふれていて、それが心配を生み、人はさらにチェックしてしまうというのです。
しかし、これは調査なので、Facebook が嫉妬を引き起こすのか、それとも嫉妬しやすい人がただよくチェックするだけなのかは示せません。オランダの研究では、自尊心が低い人のあいだで、人気者に見られたい気持ちが強いほど嫉妬が強いことが分かりました。アメリカの実験も、自分の価値がおびやかされたと感じることが嫉妬の大きな原因であることを示しました。
4択リーディングクイズ
Q1. What did the 2009 survey find?
those who spent more time on Facebook reported more jealousy caused by Facebook とあるので B。
Q2. What is a limitation of the survey?
it cannot show whether Facebook causes jealousy or whether jealous people simply check it more とあり、因果の方向が分からないので D。
Q3. According to the passage, what is a major cause of jealousy?
feeling a threat to one's self-worth was a major cause of jealousy とあるので C。
A partner tagged in a photo with someone you have never met. A cryptic comment under a friend's post. Social media shows us far more of other people's lives than ever before, and some researchers think this feeds jealousy. In a 2009 online survey of 308 Canadian university students, the more time people spent on Facebook, the more Facebook-related jealousy they reported, even after personality and relationship characteristics were taken into account.
The authors proposed a loop. Ambiguous content stirs up anxiety, the anxious person checks more often, and the extra checking turns up still more ambiguous content. But a survey taken at one point in time cannot say which comes first. Heavy use might cause jealousy, or jealous people might simply monitor more, and the loop itself has rarely been tested directly.
A Dutch study found that among people with low self-esteem, a strong need for popularity predicted more social media jealousy. Experiments in the United States probed the cause. When participants were made to feel jealous in the lab, the intensity of the feeling depended largely on how much their self-esteem felt threatened. Jealousy is fear of losing someone, and also a painful doubt about one's own worth.
200 words ・ CEFR B2
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恋人が、会ったこともない人と一緒に写真にタグ付けされている。友達の投稿の下に、意味深なコメントがついている。SNSは、かつてないほど多くの他人の生活を見せてくれます。そして一部の研究者は、これが嫉妬をあおっていると考えています。カナダの大学生308人を対象にした2009年のオンライン調査では、性格や関係の特徴を考慮に入れたあとでも、Facebookに使う時間が長い人ほど、Facebookがきっかけの嫉妬を多く報告しました。
著者らはある循環を提案しました。あいまいな内容が不安をかき立て、不安になった人はより頻繁にチェックし、そのチェックによってさらにあいまいな内容が見つかる、というものです。しかし、ある一時点で行われた調査では、どちらが先かは分かりません。頻繁な利用が嫉妬を生むのかもしれませんし、嫉妬しやすい人がただよくチェックするだけなのかもしれません。
また、この循環そのものが直接検証されたことはほとんどありません。オランダの研究では、自尊心の低い人のあいだで、人気を求める気持ちが強いほどSNSがきっかけの嫉妬が強いことが分かりました。アメリカでの実験は、嫉妬の原因を探りました。実験室で参加者に嫉妬を感じさせたところ、その感情の強さは、自尊心がどれだけおびやかされたと感じたかに大きく左右されていたのです。嫉妬とは誰かを失う恐れであると同時に、自分自身の価値への痛みを伴う疑いでもあります。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the loop proposed by the authors?
Ambiguous content stirs up anxiety, the anxious person checks more often, and the extra checking turns up still more ambiguous content とあるので A。
Q2. Why can't the 2009 study prove that Facebook causes jealousy?
a survey taken at one point in time cannot say which comes first とあるので C。一時点の調査(横断研究)では因果の向きを確定できない。
Q3. What does the final sentence suggest about jealousy?
a painful doubt about one's own worth とあり、自分の価値への疑いが関わるので B。
重要単語
- jealousyB2名詞嫉妬Jealousy can hurt a friendship.
形容詞 jealous。be jealous of ~「~をねたむ」。envy(うらやましさ)と区別して使う。 - ambiguousC1形容詞あいまいなThe message was ambiguous, so I misunderstood it.
ambi(両方)+「どちらにも取れる」。名詞 ambiguity。長文の設問で頻出。 - self-esteemB2名詞自尊心、自己肯定感Kind words can boost self-esteem.
esteem(尊重する)から。high / low self-esteem の形でよく使う。 - threatenB2動詞おびやかすRumors can threaten trust.
名詞 threat(脅威)。be threatened by ~「~におびやかされる」。 - cycleB1名詞循環、くり返しWorrying and checking can become a cycle.
vicious cycle(悪循環)は入試頻出。bicycle も「2つの輪」から。 - cross-sectionalC1形容詞横断的な(ある一時点で調べる)A cross-sectional survey cannot prove cause and effect.
反対は longitudinal(縦断的な=長く追跡する)。研究デザインの基本用語。
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恋人のSNSを見ていたら、知らない人と写った写真にモヤッ…。調査では、SNSを長く使う人ほどSNSがきっかけの嫉妬が強かったらしい。研究者は「あいまいな情報→不安→確かめるためにまた見る」という悪循環があるのでは、と考えている。
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出典・参考文献(3件)タップで表示
- Muise, Christofides & Desmarais (2009) More information than you ever wanted: Does Facebook bring out the green-eyed monster of jealousy?, CyberPsychology & Behaviordoi.org
- Utz & Beukeboom (2011) The role of social network sites in romantic relationships: Effects on jealousy and relationship happiness, Journal of Computer-Mediated Communicationdoi.org
- DeSteno, Valdesolo & Bartlett (2006) Jealousy and the threatened self: Getting to the heart of the green-eyed monster, Journal of Personality and Social Psychologydoi.org
※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。











