心理学

突然の音信不通「ゴースティング」。された側の心に起きる4つの段階と、"する側"の考え方

突然の音信不通「ゴースティング」。された側の心に起きる4つの段階と、"する側"の考え方

読む前に予想してみよう!

「人間関係は運命で決まる」と強く信じる人ほど、ゴースティングを受け入れやすい

研究カード(どんな研究?)
対象
欧米の若い成人など
規模
約100〜750人の調査を複数
研究の種類
質的分析+横断調査
確かさ
★★☆☆☆
3秒でわかる

理由も告げずに連絡を絶つ「ゴースティング」。された人の体験を分析すると、驚きと混乱→怒りや悲しみ→関係修復の試み→受け入れ、という段階が見えてきた。

ひとことで言うと急に連絡がなくなることは、研究者によると「無視」(仲間はずれ)の一種とみなせる。

もくじ
  1. した人も、された人も「経験あり」
  2. された側の心に起きる4つの段階
  3. 「運命」を信じる人ほど、ゴースティングしやすい?
  4. 意外な結果:もっとつらいのは「思わせぶり」?
  5. まとめ

昨日まで普通にやりとりしていたのに、急に返信が来なくなった。メッセージを送っても既読がつかない。SNSでブロックされたわけでもなさそう……。

理由も告げずに、突然すべての連絡を絶って関係を終わらせること。これを英語圏では「ゴースティング(ghosting)」と呼びます。まるでおばけ(ghost)のように、すっと消えてしまうからです。

もともとは恋愛の場面で使われ始めた言葉ですが、友達関係でも起こります。最近になって、心理学でも研究が始まりました。

01した人も、された人も「経験あり」

アメリカの研究チームが、若い大人99人にゴースティングの経験を聞いたところ、多くの人が「した側」と「された側」の両方を経験していました。

ゴースティングを選ぶ理由としては、「直接言うのが気まずい」「相手と対立したくない」などが挙げられています。面と向かって別れを告げるより、ラクに見えるのです。

02された側の心に起きる4つの段階

特につらいのは、最初の「なぜ?」が解けないこと。理由が分からないため、「自分が何か悪いことをしたのでは」と自分を責めてしまいやすいのです。

理由が分からないまま取り残されると、人は"答え"を探し続けてしまう
理由が分からないまま取り残されると、人は"答え"を探し続けてしまう

03「運命」を信じる人ほど、ゴースティングしやすい?

どんな人がゴースティングをしやすいのでしょうか。アメリカの研究では、人間関係についての考え方に注目しました。

  • 運命派:「相性のいい相手とは、最初から自然にうまくいくはず」
  • 成長派:「関係は、努力やすり合わせで育っていくもの」

約550人と約750人を対象にした2つの調査で、運命派の考えが強い人ほど、ゴースティングを「アリ」と考え、実際にしたことがある人も多かったのです。「合わないなら、それは運命じゃなかっただけ」と、説明や話し合いを省いてしまうのかもしれません。成長派の考えが強い人は、ゴースティングを「アリ」と考えにくく、するつもりも低い傾向でした。この傾向は、恋愛だけでなく友達関係でも見られました。

04意外な結果:もっとつらいのは「思わせぶり」?

スペインの研究では、成人626人に、ゴースティングや「ブレッドクラミング」(パンくずをまくように、気を持たせるメッセージだけ時々送ってくること)の経験と、心の状態を調べました。すると、生活満足度の低さや孤独感と結びついていたのは、ブレッドクラミングの経験のほうで、ゴースティング単独の経験とははっきりした関連が見られませんでした。

ただし、これは一時点の調査なので、「どちらがよりつらいか」を決めつけることはできません。

05まとめ

突然の音信不通「ゴースティング」は、された側に「なぜ?」という答えのない問いを残します。研究者は、それを仲間はずれの一種とみています。

もしあなたが今、その「なぜ?」の中にいるなら、答えが見つからないのはあなたのせいではありません。そして、いつか自分が関係を終える側になったときは、短くても誠実なひと言を。それが、相手の心を守る小さな思いやりになります。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerGhosting means ending a relationship by suddenly cutting off all contact without giving a reason. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Ghosting means ending a relationship by suddenly cutting off all contact without giving a reason. It began as a dating term, but it also happens between friends. In an American study of 99 young adults, many had experienced both ghosting someone and being ghosted. People often choose ghosting because it feels easier than an awkward conversation.

An Italian team asked 208 young adults to write about being ghosted or clearly rejected. Their stories showed several stages, starting with surprise and confusion, then anger, sadness, and self-blame, then attempts to repair the relationship, and finally acceptance. The researchers argued that ghosting is a kind of ostracism. Another study found that people who believe relationships depend on destiny were more accepting of ghosting.

121 words ・ CEFR B1

和訳を見る

ゴースティングとは、理由を告げずに突然すべての連絡を絶って関係を終わらせることです。それは恋愛の用語として始まりましたが、友達同士でも起こります。若い大人99人を対象にしたアメリカの研究では、多くの人がゴースティングをした経験とされた経験の両方を持っていました。人がゴースティングを選ぶのは、気まずい会話よりも楽に感じられるからであることが多いのです。イタリアのチームは、若い大人208人に、ゴースティングされた体験やはっきり断られた体験について書いてもらいました。

その話からは、いくつかの段階が見えてきました。驚きと混乱、次に怒り・悲しみ・自分を責める気持ち、次に関係を修復しようとする試み、そして最後に受け入れです。研究者たちは、ゴースティングは仲間はずれの一種だと論じました。別の研究では、人間関係は運命で決まると信じている人ほど、ゴースティングを受け入れやすいことが分かりました。

4択リーディングクイズ

Q1. Why do people often choose ghosting?

Q2. Which stage comes just before acceptance?

Q3. What can we infer about people who believe in destiny?

重要単語

  • ghostingB2
    名詞突然の音信不通で関係を終わらせることGhosting can leave people confused. ghost(おばけ)を動詞化した新語。ghost someone「~との連絡を突然絶つ」。
  • explanationB1
    名詞説明He left without any explanation. 動詞 explain とつづりが違う(explaination としない)点に注意。
  • acceptanceB2
    名詞受け入れAcceptance takes time after a loss. accept(受け入れる)の名詞形。acceptance letter「合格通知」。
  • destinyB2
    名詞運命Some people believe in destiny. fate とほぼ同義。fate は悪い運命のニュアンスを持つこともある。
  • growthB1
    名詞成長Hard times can lead to growth. grow の名詞形。growth mindset「成長思考(能力は伸ばせるという考え)」は教育分野で頻出。
  • confrontationC1
    名詞対立、直面She avoided confrontation with her friend. 動詞 confront「立ち向かう・直面させる」。be confronted with ~「~に直面する」。
理由も言わずに突然連絡を絶つ「ゴースティング」。された人の体験を分析すると、①驚きと混乱 ②怒り・悲しみ・自責 ③関係を戻そうとする ④受け入れる、という段階があったらしい。研究者はこれを"仲間はずれ"の一種とみている。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. LeFebvre et al. (2019) Ghosting in emerging adults' romantic relationships: The digital dissolution disappearance strategy, Imagination, Cognition and Personalitydoi.org
  2. Freedman et al. (2019) Ghosting and destiny: Implicit theories of relationships predict beliefs about ghosting, Journal of Social and Personal Relationshipsdoi.org
  3. Pancani et al. (2021) Ghosting and orbiting: An analysis of victims' experiences, Journal of Social and Personal Relationshipsdoi.org
  4. Navarro et al. (2020) Psychological correlates of ghosting and breadcrumbing experiences: A preliminary study among adults, International Journal of Environmental Research and Public Healthdoi.org