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ピラミッドより年上の木が、今もアメリカの山で生きている。地球の長寿ランキング

ピラミッドより年上の木が、今もアメリカの山で生きている。地球の長寿ランキング

読む前に予想してみよう!

ニシオンデンザメの年齢は、目のレンズの中の成分を調べて推定された

研究カード(どんな研究?)
対象
樹木・サメ・二枚貝・海草
規模
個体〜集団(各研究)
研究の種類
年輪・放射性炭素・成長線・遺伝子解析による年齢推定
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

樹齢約4800年のマツ、推定400年近く生きるサメ、500年以上生きた二枚貝。地球には信じられないほど長生きな生き物がいる。

ひとことで言うと4800才の木や、400才近いサメが、今も地球のどこかで生きている!

もくじ
  1. 第1位候補:樹齢約4800年のマツ「メトシェラ」
  2. 悲劇の「プロメテウス」
  3. 動物の長寿チャンピオン
  4. 「1本の木」の定義をゆるめると…
  5. まとめ

エジプトのギザの大ピラミッドができたのは、今からおよそ4500年前。

ところが、それよりもっと前から生きている木が、今もアメリカの山の上に立っています。

地球には、私たちの想像をはるかに超える「長生きチャンピオン」たちがいます。今回は、その驚きのラインナップを紹介しましょう。

01第1位候補:樹齢約4800年のマツ「メトシェラ」

アメリカ・カリフォルニア州のホワイト山脈。標高3000mを超える、乾いて寒い岩山に、グレートベースン・ブリッスルコーンパインというマツが生えています。

その中の1本が「メトシェラ」。旧約聖書に登場する、とても長生きした人物の名前がつけられた木です。1957年に年輪を調べたときの推定樹齢は約4790年。そこから数えると、今では約4800年以上になります。

この木が芽を出したのは、ピラミッドが建てられるより前のこと。ただし、どの木がメトシェラなのかは、いたずらや持ち去りから守るため、一般には秘密にされています。

なぜこれほど長生きできるのでしょう。過酷な環境でとてもゆっくり育つため、木がぎゅっと詰まって硬く、虫や菌に強いこと。そして幹の一部が死んでも、残った細い帯のような部分だけで生き続けられることが理由と考えられています。

幹の多くが枯れても、細い「命の帯」で生き続ける。
幹の多くが枯れても、細い「命の帯」で生き続ける。

02悲劇の「プロメテウス」

実は、メトシェラより年上だったかもしれない木がありました。

1964年、ネバダ州の山で、研究のために1本のブリッスルコーンパインが切り倒されてしまったのです。あとで年輪を数えると、樹齢は約4900年。この木は「プロメテウス」と呼ばれ、その出来事は、古い木を守る運動のきっかけの一つになりました。

03動物の長寿チャンピオン

動物にも、とんでもない長生きがいます。

ニシオンデンザメ:北大西洋や北極海の冷たい海に住む大きなサメ。2016年に『Science』に載ったデンマークの研究(Nielsen ら)では、目のレンズ(水晶体)の中心部分を調べて年齢を推定しました。レンズの中心は生まれたときに作られ、その後入れ替わらないため、「生まれた年のタイムカプセル」になるのです。調べた28匹のうち最大のメスは推定約390年(ただし誤差は前後120年で、少なくとも272年)。脊椎動物で最も長生きと考えられています。

アイスランドガイ(二枚貝):アイスランド沖で採集された一つの貝は、殻の成長線を数えると507歳でした。

04「1本の木」の定義をゆるめると…

日本の屋久島の縄文杉も、樹齢の推定には数千年の幅があり、正確な年齢はわかっていません。

05まとめ

ピラミッドより年上のマツ、400年近く泳ぎ続けるサメ、500年以上生きた貝。地球には、人間の歴史を何十世代分も見てきた生き物たちがいます。

私たちが一生のうちに見られるのは、彼らの人生のほんの一瞬。そう思うと、近所の大きな木も、少しちがって見えてきませんか。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerSome living things have survived for an astonishing length of time. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Some living things have survived for an astonishing length of time. A bristlecone pine called Methuselah, in California's White Mountains, was found in 1957 to be about 4,790 years old, so it is now over 4,800.

Scientists count tree rings by taking a thin sample from the trunk, so the tree does not have to be cut down. In 2016, Danish researchers estimated the age of Greenland sharks by studying the center of their eye lenses. The largest female was about 390 years old, although the margin of error was 120 years. A clam collected near Iceland was found to be 507 years old by counting growth lines on its shell.

111 words ・ CEFR B1

和訳を見る

驚くほど長いあいだ生き続けてきた生き物がいます。カリフォルニア州ホワイト山脈にある「メトシェラ」というブリッスルコーンパインは、1957年に樹齢約4790年とわかったので、今では4800年を超えています。

科学者は幹から細いサンプルを取り出して年輪を数えるので、木を切り倒す必要はありません。2016年、デンマークの研究者たちは、ニシオンデンザメの目のレンズの中心部を調べて年齢を推定しました。最も大きなメスは約390歳でしたが、誤差は120年ありました。アイスランドの近くでとれた二枚貝は、殻の成長線を数えることで507歳だとわかりました。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the passage mainly about?

Q2. How did researchers estimate the age of Greenland sharks?

Q3. Why is taking a thin sample from a tree useful?

重要単語

  • longevityC1
    名詞長寿The Greenland shark is famous for its longevity. long+aevum(時代)。発音は /lɒnˈdʒevəti/(ロンジェヴィティ)。
  • tree ringB2
    名詞(句)年輪Scientists counted the tree rings in a thin core. 年輪を使った年代測定は dendrochronology(年輪年代学)と呼ばれる。
  • radiocarbon datingC1
    名詞(句)放射性炭素年代測定Radiocarbon dating was used on the shark's eye lens. 炭素14の減り方から年代を推定する方法。考古学の長文でも定番。
  • estimateB2
    動詞・名詞推定(する)、見積もりIts age is estimated at about 400 years. 動詞 /ˈestɪmeɪt/、名詞 /ˈestɪmət/ と発音が変わる。underestimate(過小評価する)。
  • cloneB2
    名詞クローン(同じ遺伝子を持つ個体群)A seagrass clone can spread over a huge area. ギリシャ語「小枝(挿し木)」が語源。形容詞 clonal(クローンの)。
  • margin of errorC1
    名詞(句)誤差(の範囲)The shark's age had a large margin of error. margin は「余白・余地」。世論調査の記事でも頻出の表現。
  • perspectiveB2
    名詞視点、大局的な見方Ancient trees put human history in perspective. put ~ in perspective「~を正しい視点で捉える」。from a different perspective「別の観点から」。

動画でもっと知る

4コマでわかる

ピラミッドより年上の木が、今もアメリカの山で生きている。地球の長寿ランキングの4コマ漫画
アメリカの山の上には、エジプトのピラミッドができる前から生きているマツの木があるらしい。樹齢は約4800年。場所は守るために秘密。ほかにも推定400年近く生きるサメなど、地球の長寿チャンピオンたちがすごい。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. Nielsen et al. (2016) Eye lens radiocarbon reveals centuries of longevity in the Greenland shark (Somniosus microcephalus), Sciencedoi.org
  2. Butler et al. (2013) Variability of marine climate on the North Icelandic Shelf in a 1357-year proxy archive based on growth increments in the bivalve Arctica islandica, Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecologydoi.org
  3. Arnaud-Haond et al. (2012) Implications of Extreme Life Span in Clonal Organisms: Millenary Clones in Meadows of the Threatened Seagrass Posidonia oceanica, PLoS ONEdoi.org
  4. Edgeloe et al. (2022) Extensive polyploid clonality was a successful strategy for seagrass to expand into a newly submerged environment, Proceedings of the Royal Society Bdoi.org