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【マジか】バナナは放射線を出している。でも1本食べても心配いらない理由

【マジか】バナナは放射線を出している。でも1本食べても心配いらない理由

読む前に予想してみよう!

人間の体も、自然の放射性物質によって1秒間に数千回ほど放射線を出している

研究カード(どんな研究?)
対象
食品と人体の自然放射性物質
規模
国際機関・国の線量評価
研究の種類
公的レポート(線量評価)
確かさ
★★★★★
3秒でわかる

バナナに多いカリウムの一部は放射性の「カリウム40」。ごく弱い放射線は出ているが、体のカリウム量は一定に保たれるので食べても増えない。

ひとことで言うとバナナもヒトも、ほんの少しだけ放射線を出しているよ!

もくじ
  1. 犯人は「カリウム」の中のほんの一部
  2. 1本あたりの量は、どれくらい?
  3. 実は「バナナ等価線量」はちょっと大げさ
  4. あなたの体も「放射線を出す存在」
  5. まとめ

朝ごはんの定番、バナナ。実はこのバナナ、ほんの少しだけ放射線を出しているって知っていましたか?

「えっ、じゃあ食べちゃダメなの!?」と思った人、ちょっと待ってください。結論から言うと、まったく心配いりません。

それどころか、私たち人間の体そのものも、毎秒いくつもの放射線を出しています。今日は「身近な放射線」のふしぎをのぞいてみましょう。

01犯人は「カリウム」の中のほんの一部

バナナはカリウムというミネラルが多い果物です。カリウムは筋肉や神経がちゃんと働くために欠かせない栄養素。

ところが、自然界のカリウムの中には、ごくわずか(約0.01%、およそ1万個に1個)だけ「カリウム40」という、ちょっと不安定な仲間がまじっています。

カリウム40は、半減期が約13億年という長い時間をかけて少しずつ壊れていき、そのときにベータ線やガンマ線という放射線を出します。これを「放射性物質」と呼びます。カリウム40はなんと地球ができたときからずっと存在していて、すべての食べ物や土、そして私たちの体にも含まれているのです。

カリウムのうち、放射線を出すのは約1万個に1個だけ
カリウムのうち、放射線を出すのは約1万個に1個だけ

021本あたりの量は、どれくらい?

放射線の「体への影響の大きさ」はシーベルト(Sv)という単位で表します。

バナナ1本を食べたときの影響は、よく約0.1マイクロシーベルト(1000万分の1シーベルト)程度と紹介されます。これは海外で「バナナ等価線量」というジョーク交じりの単位として使われているほどです。

比べてみると、こんな感じです。

  • バナナ1本:約0.1マイクロシーベルト
  • 東京〜ニューヨークの飛行機の往復:約100〜200マイクロシーベルト=バナナ1000本分以上(上空では宇宙からの放射線が増えるため)
  • 1年間に自然から受ける量:世界平均で約2400マイクロシーベルト、日本平均で約2100マイクロシーベルト

ちなみに日本人の場合、食べ物からの自然放射線で大きいのはカリウム40よりも、魚介類に多いポロニウム210です。魚をよく食べる食文化のおかげで、食品からの線量は世界平均より高めに見積もられています(それでも健康を心配する量ではありません)。

03実は「バナナ等価線量」はちょっと大げさ

ここが面白いところです。じつは「バナナ1本で0.1マイクロシーベルト」という数字は、やや大げさだと指摘されています。

理由は、体の「カリウムの量を一定に保つしくみ」。私たちの体は、腎臓(じんぞう)がはたらいて、カリウムが多すぎれば尿として外に出し、ちょうどいい量をキープしています。お風呂の水があふれそうになると、あふれ口から自動で流れ出るようなイメージです。

だからバナナを何本食べても、体の中のカリウム40の量はほとんど変わりません。食べた分がたまっていくわけではないのです。環境省の資料も、食品のカリウムによる被ばく量は体格で決まり、食生活の影響は受けないと説明しています。

「0.1マイクロシーベルト」は、食べたカリウム40が体に残ったと仮定した計算上の値。実際には余分なカリウムは数時間〜数日で出ていくので、本当の上乗せはそれよりずっと小さいのです。

04あなたの体も「放射線を出す存在」

さらに驚きなのが、人間の体です。体重60kgくらいの大人の体には、カリウム40が約4000ベクレル含まれていると見積もられています。

ベクレルは「1秒間に何個の原子が壊れて放射線を出すか」を表す単位。つまり、私たちの体の中では1秒間に約4000回、カリウム40が放射線を出していることになります。

家族と並んで座っていても、満員電車に乗っていても、お互いにほんのわずか放射線を浴びせ合っている。そう聞くと不思議な気分になりますが、これは人類が誕生したときからずっと続いている、ごく当たり前の自然の姿です。

05まとめ

  • バナナに含まれるカリウムのごく一部「カリウム40」が、弱い放射線を出している
  • 1本分の影響は、1年間の自然放射線と比べればほんのわずか
  • 体はカリウム量を一定に保つので、食べても放射性物質はたまらない
  • 人間の体も1秒間に数千回、放射線を出している

「放射線」という言葉を聞いたら、まずは「どれくらいの量?」と考えてみる。それだけで、ニュースの見え方がぐっと変わりますよ。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerBananas are rich in potassium, a mineral our muscles and nerves need. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Bananas are rich in potassium, a mineral our muscles and nerves need. About 0.01 percent of natural potassium is potassium-40, a radioactive form that has existed since Earth was formed. Because of this, eating one banana is often said to give a dose of about 0.1 microsieverts. That is tiny compared with the roughly 2,400 microsieverts people receive from nature each year on average around the world.

In fact, even this number is too high, because our kidneys keep the amount of potassium in the body constant. Extra potassium is removed in urine, so radioactive material does not build up. An adult's body itself gives off radiation about 4,000 times every second.

112 words ・ CEFR B1

和訳を見る

バナナには、筋肉や神経に必要なミネラルであるカリウムが豊富です。自然界のカリウムの約0.01%は、地球ができたときから存在する放射性のカリウム40です。そのため、バナナ1本を食べると約0.1マイクロシーベルトの線量を受けるとよく言われます。これは、世界平均で人が1年間に自然から受ける約2400マイクロシーベルトと比べると、ごくわずかです。実は、この数字でさえ大きすぎます。

腎臓が体内のカリウムの量を一定に保っているからです。余分なカリウムは尿として排出されるので、放射性物質がたまっていくことはありません。大人の体自身も自然に、1秒間に約4000回放射線を出しています。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the main point of the passage?

Q2. Why does radioactive material from bananas not build up in the body?

Q3. What does the writer suggest about the figure of 0.1 microsieverts?

重要単語

  • radioactiveB2
    形容詞放射性のPotassium-40 is a natural radioactive substance. radio(放射)+active(活発な)。名詞 radioactivity(放射能)、radiation(放射線)と区別する。
  • isotopeC1
    名詞同位体Potassium has several isotopes. iso-(同じ)+tope(場所)。周期表の「同じ場所」に入る原子という意味。
  • doseB2
    名詞線量、(薬などの)量The dose from one banana is extremely small. 薬の「1回分の量」が基本の意味。a high / low dose、overdose(過剰摂取)。
  • natural background radiationC1
    名詞(句)自然放射線We are exposed to natural background radiation every day. background は「いつもそこにある」の意味。be exposed to ~「~にさらされる」とセットで覚える。
  • homeostasisC1
    名詞恒常性(体の状態を一定に保つしくみ)Homeostasis keeps our body temperature stable. homeo-(同じ)+stasis(状態)。生物系の長文でよく出る。
  • half-lifeC1
    名詞半減期Potassium-40 has a half-life of about 1.3 billion years. 放射性物質の量が半分になるまでの時間。薬が体内で半分になる時間にも使う。

動画でもっと知る

バナナってほんの少し放射線を出してるらしい。しかも人間の体も1秒に数千回レベルで放射線を出してるとか。でも心配いらない理由がちゃんとある。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. UNSCEAR (2008) Sources and Effects of Ionizing Radiation, Volume I, 国連科学委員会unscear.org
  2. 自然・人工放射線からの被ばく線量, 環境省 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料env.go.jp
  3. 体内、食品中の自然放射性物質, 環境省 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料env.go.jp
  4. 自然からの被ばく線量の内訳(日本人), 環境省 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料env.go.jp