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寝入りばなに体が「ビクッ」となるのはなぜ? 落ちる夢とセットになる入眠時ジャークの正体

寝入りばなに体が「ビクッ」となるのはなぜ? 落ちる夢とセットになる入眠時ジャークの正体

読む前に予想してみよう!

寝入りばなの「ビクッ」は、脳の表面(大脳皮質)から出た信号が原因だと確認されている

研究カード(どんな研究?)
対象
一般の人・睡眠外来の患者
規模
症例研究と小規模な睡眠ポリグラフ研究
研究の種類
筋電図を含む睡眠ポリグラフ検査
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

眠りに落ちる瞬間、体がビクッとはねる現象は「入眠時ジャーク」。多くの人が経験する正常な反応で、脳の深い場所から筋肉へ出る信号が原因と考えられている。

ひとことで言うと寝る直前のビクッは、ふつうの体の反応。心配しなくて大丈夫なことが多い。

もくじ
  1. どれくらいの人が経験する?
  2. 信号はどこから来る?
  3. 多くなる条件は?
  4. どんでん返し:まれに「困るレベル」になる
  5. まとめ

うとうとして、まさに眠りに落ちる瞬間。体がビクッとはねて、目が覚めてしまう。

ときには、「段差を踏み外した」「階段から落ちた」という短い感覚や映像がセットになります。

これには名前があります。入眠時ジャーク(hypnic jerk、sleep start)です。英語では「hypnic」=眠りに関する、という意味。病気ではなく、ごくふつうの現象です。

01どれくらいの人が経験する?

睡眠医学の文献によると、入眠時ジャークは人口の6〜7割が経験するとされます。年齢や性別にあまり関係なく起こります。

国際的な睡眠障害の分類では、「睡眠と覚醒の移り変わり」に伴う正常範囲の運動現象として扱われています。つまり、あっても異常ではないのです。

02信号はどこから来る?

びくつきの瞬間、どの筋肉がどの順番で動いたかを測ると、発信源のヒントになります。

入眠時のびくつきは、眠りと目覚めの「切り替え」のゆらぎと関係している
入眠時のびくつきは、眠りと目覚めの「切り替え」のゆらぎと関係している

03多くなる条件は?

レビュー論文や症例研究では、次のような条件で増えやすいと報告されています(はっきりした因果が証明されたものではありません)。

  • 強い疲れ・睡眠不足
  • カフェインなどの刺激物
  • 寝る直前の激しい運動
  • ストレスや不安

逆に言えば、生活リズムが整うと気にならなくなる人も多いということです。

04どんでん返し:まれに「困るレベル」になる

ほとんどの場合は心配のいらない現象ですが、例外もあります。

チョクロヴァティらの報告では、びくつきが頻繁で強いために眠りに入れない(入眠障害)人がいました。また2016年の研究では、パーキンソン症状のある患者の24%に記録され、睡眠の妨げになりうると指摘されています。

さらに注意したいのは、似て見える別の現象です。てんかんの一種によるミオクローヌスや、周期性四肢運動障害など、治療が必要なものもあります。

05まとめ

  • 寝入りばなのビクッは「入眠時ジャーク」で、6〜7割の人が経験する正常な現象
  • 筋肉の活動の広がりから、信号は脳の深い場所から出ているとみられる
  • 「木から落ちないための名残」などの説明は、確かめられていない
  • まれに眠りを妨げるほど強い場合や、別の病気のことがある

毎晩、眠りに落ちる瞬間に体が小さくジャンプする。脳と体のスイッチが切り替わる、そのゆらぎを感じ取っているだけなのです。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerJust as you drift off to sleep, your body may suddenly jerk, sometimes with a brief feeling of falling or… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Just as you drift off to sleep, your body may suddenly jerk, sometimes with a brief feeling of falling or missing a step. This is called a hypnic jerk, or sleep start, and it is experienced by around 60 to 70 percent of people. It is considered a normal event linked to the change from being awake to being asleep.

By recording which muscles move and in what order, researchers have found signs that the signal begins in deep parts of the brain rather than in the cortex. Popular stories say the jerk comes from our ancestors falling out of trees, but there is no scientific proof. Tiredness, caffeine and stress may make jerks more frequent.

116 words ・ CEFR B1

和訳を見る

ちょうど眠りに落ちるとき、体が突然ビクッとなることがあり、ときには落ちるような、または段差を踏み外したような感覚が一瞬伴います。これは入眠時ジャーク(スリープスタート)と呼ばれ、約60〜70%の人が経験します。これは、目覚めた状態から眠った状態への切り替えに関係する、正常な出来事と考えられています。

どの筋肉がどの順番で動くかを記録することで、研究者たちは、その信号が大脳皮質ではなく脳の深い部分から始まるという手がかりを見つけました。よく知られた話では、このびくつきは祖先が木から落ちたことに由来するとされますが、科学的な証拠はありません。疲れ、カフェイン、ストレスは、びくつきをより頻繁にするかもしれません。

4択リーディングクイズ

Q1. How did researchers find where the signal begins?

Q2. What does the passage say about the idea that jerks come from ancestors falling out of trees?

Q3. What advice might the writer give to someone who has many hypnic jerks?

重要単語

  • jerkB2
    名詞・動詞びくっとする動き/ぐいと動くA sudden jerk woke him up. 口語で人をののしる「嫌なやつ」の意味もあるので使う場面に注意。knee-jerk reaction「反射的な反応」。
  • fall asleepA2
    動詞(句)眠りに落ちるIt happens just as you fall asleep. go to sleep / go to bed との違い:fall asleep は「(意図せず)寝入る」瞬間を表す。
  • muscleB1
    名詞筋肉Muscle activity was recorded with electrodes. c は発音しない /ˈmʌsl/。mussel(ムール貝)と同音。
  • harmlessB1
    形容詞無害なThe movements are usually harmless. harm(害)+-less(~のない)。反対は harmful。
  • startleC1
    名詞・動詞驚愕(反応)・驚かせるThe pattern resembles a startle reflex. be startled by ~「~にびくっとする」。surprise より「急にびっくりさせる」感じ。
  • insomniaC1
    名詞不眠(症)Frequent jerks can worsen insomnia. in-(否定)+somnus(眠り)。suffer from insomnia「不眠に悩む」。
寝入りばなに体がビクッとなって、階段から落ちる夢とセットになる現象。「入眠時ジャーク」と呼ばれ、人口の6〜7割が経験するとされる正常な反応。筋肉の信号の順番を測った研究では、脳の深い場所(皮質より下)が発信源らしい。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. Cuellar, Whisenant & Stanton (2015) Hypnic Jerks: A Scoping Literature Review, Sleep Medicine Clinicsdoi.org
  2. Chiaro et al. (2016) Hypnic jerks are an underestimated sleep motor phenomenon in patients with parkinsonism, Sleep Medicinedoi.org
  3. Chokroverty et al. (2013) Intensified Hypnic Jerks, Journal of Clinical Neurophysiologydoi.org
  4. Oswald (1959) Sudden Bodily Jerks on Falling Asleep, Braindoi.org