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嫌いな野菜は「毎日ひと口」で好きになる? 2週間ひと口ずつ食べた子どもたちの実験

嫌いな野菜は「毎日ひと口」で好きになる? 2週間ひと口ずつ食べた子どもたちの実験

読む前に予想してみよう!

子どもの野菜嫌いを直すには、栄養の大切さを説明するのがいちばん効果的だ

研究カード(どんな研究?)
対象
2〜6歳の子どもと親
規模
156組
研究の種類
ランダム化比較試験
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

嫌いな野菜を14日間、毎日ひと口だけ味見した子どもたちは、その野菜を好きになり、食べる量も増えた。栄養の説明をするより「くり返し味わう」ほうが効いた。

ひとことで言うと苦手な野菜も、毎日ちょっとずつ味見すると好きになるかも!

もくじ
  1. 「食べたことがないから、きらい」
  2. 14日間、毎日ひと口の実験
  3. なぜ「くり返し」が効くの?
  4. 大事なのは「ムリに食べさせない」こと
  5. まとめ

「ピーマンきらい!」「にんじん、いらない!」

子どものころ、あるいは今でも、どうしても苦手な野菜はありませんか? 親としては「体にいいんだから食べなさい」と言いたくなるところです。

でも研究によると、栄養の大切さを説明するより、もっと効く方法があるようです。それは、毎日ほんのひと口ずつ、味わってもらうこと。

01「食べたことがないから、きらい」

子どもには、初めて見る食べ物を警戒する性質があります。これは、昔の人類が毒のある植物を口にしないために役立ったと考えられています。

1982年、アメリカの心理学者リーン・バーチさんらは、2歳の子どもたちに、なじみのない食べ物をいろいろな回数ずつ味わってもらう実験をしました。すると、くり返し味わった食べ物ほど、子どもたちに好まれるようになったのです。論文のタイトルは、まさに「きらい、だって食べたことないもん(I don't like it; I never tried it)」でした。

0214日間、毎日ひと口の実験

②の「栄養のアドバイス」グループは、①の味見グループほどは上がりませんでした。頭で理解することより、舌で慣れることのほうが、好き嫌いを変える力が大きかったのです。

毎日ひと口ずつ味わううちに、苦手な野菜が「なじみの味」に変わっていく
毎日ひと口ずつ味わううちに、苦手な野菜が「なじみの味」に変わっていく

03なぜ「くり返し」が効くの?

くり返し食べることで、

  • 「食べても大丈夫だった」という安心感が積み重なる
  • 味や食感がなじみのあるものになる
  • 苦味などへの慣れが生まれる

といったことが起きると考えられています。

2018年の総説でも、幼児の野菜嫌いを減らす方法として、味見をくり返す方法(テイスト・エクスポージャー)が最もよい結果を出していると整理されています。絵本や、野菜にさわる・においをかぐといった遊びの中での体験も、ある程度効果があるようです。

04大事なのは「ムリに食べさせない」こと

この実験の「ひと口」は、ほんの少しの味見です。お皿いっぱいの野菜を「全部食べなさい」と強制したわけではありません。

むしろ、強く強制すると逆効果になりうることも、多くの研究者が指摘しています。「ひと口だけ、試してみよう」くらいの軽い気持ちで、くり返しチャンスをつくることがポイントです。

05まとめ

苦手な野菜を好きになるコツは、「体にいいから」と説得することより、「毎日ひと口」くり返し味わうことでした。好き嫌いは、変えられないものではなく、慣れで少しずつ変わっていくものなのです。

今日の食卓で、苦手な野菜を「ひと口だけ」。それが、好きになる第一歩かもしれません。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerYoung children are often afraid of new foods, which may once have protected humans from eating poisonous… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Young children are often afraid of new foods, which may once have protected humans from eating poisonous plants. However, research shows that this fear can change. In 2003, Jane Wardle and her team in London studied 156 parents and their 2- to 6-year-old children. Each child first chose a vegetable they disliked, and the families were then randomly divided into three groups.

In the first group, parents offered a small taste of it every day for 14 days. In the second, parents received nutrition advice, and the third group did nothing. Only the tasting group showed clear increases in liking and eating the vegetable. Simply explaining that vegetables are healthy did not work as well as repeated tasting.

118 words ・ CEFR B1

和訳を見る

幼い子どもは新しい食べ物をこわがることが多く、これはかつて人類が毒のある植物を食べないように守っていたのかもしれません。しかし研究によると、このこわさは変わりうるものです。2003年、ロンドンのジェーン・ウォードルさんらのチームは、156組の親と2〜6歳の子どもを調べました。それぞれの子どもはまず嫌いな野菜を1つ選び、そのあと家族は無作為に3つのグループに分けられました。

1つ目のグループでは、親が14日間毎日その野菜をひと口味見させました。2つ目のグループでは、親が栄養のアドバイスを受け、3つ目のグループは何もしませんでした。野菜を好きになり、食べる量が増えることがはっきり見られたのは、味見のグループだけでした。野菜は体にいいと説明するだけでは、くり返し味わうことほどうまくいかなかったのです。

4択リーディングクイズ

Q1. Why might young children be afraid of new foods?

Q2. What did parents in the second group receive?

Q3. What is the main lesson of the study?

重要単語

  • exposureB2
    名詞(くり返し)触れること、接することRepeated exposure can change our tastes. expose(さらす)の名詞形。exposure to ~「~に触れること」。taste exposure は「味見のくり返し」。
  • picky eaterB1
    名詞(句)好き嫌いの多い人My little brother is a picky eater. picky(えり好みする)は pick(選ぶ)から。fussy eater とも言う。
  • familiarB1
    形容詞なじみのあるChildren prefer familiar foods. 反対は unfamiliar。be familiar with ~ / be familiar to ~ の使い分けは入試頻出。
  • reluctantB2
    形容詞気が進まないShe was reluctant to try the vegetable. be reluctant to do「~したがらない」。名詞 reluctance。
  • acceptanceB2
    名詞受け入れTaste exposure increased vegetable acceptance. accept(受け入れる)の名詞形。food acceptance は「食べ物を受け入れること」。
  • waryC1
    形容詞用心深い、警戒しているYoung children are often wary of new foods. be wary of ~「~を警戒する」。aware と同じ語源。
嫌いな野菜、「体にいいから食べなさい」より「毎日ひと口味見」のほうが効くらしい。イギリスの実験で、2〜6歳の子に苦手な野菜を14日間ひと口ずつ味見させたら、好きになって食べる量も増えた。栄養のアドバイスだけのグループは、味見グループほど上がらなかった。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Wardle et al. (2003) Increasing children's acceptance of vegetables; a randomized trial of parent-led exposure, Appetitedoi.org
  2. Birch & Marlin (1982) I don't like it; I never tried it: Effects of exposure on two-year-old children's food preferences, Appetitedoi.org
  3. Nekitsing, Hetherington & Blundell-Birtill (2018) Developing Healthy Food Preferences in Preschool Children Through Taste Exposure, Sensory Learning, and Nutrition Education, Current Obesity Reportsdoi.org