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「16時間断食」は普通のダイエットよりやせる? ランダム化試験の答えは"ほぼ同じ"だった

「16時間断食」は普通のダイエットよりやせる? ランダム化試験の答えは"ほぼ同じ"だった

読む前に予想してみよう!

16時間断食は、同じカロリーを食べても、ふつうの食べ方より大幅にやせることが確かめられている

研究カード(どんな研究?)
対象
肥満・過体重の成人
規模
139人(1年)+116人(12週)
研究の種類
ランダム化比較試験
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

食べる時間を8時間に限る「16時間断食」。中国の1年間の試験では、カロリー制限だけの場合と体重の減り方に統計的な差はなく、米国の試験でも効果は不明瞭だった。

ひとことで言うと「いつ食べるか」より「どれだけ食べるか」が、やっぱり大事みたい!

もくじ
  1. 1年間の試験:「食べる時間を区切る」上乗せ効果は?
  2. 12週間の試験:体重はほとんど変わらず
  3. じゃあ16時間断食は意味がない?
  4. まとめ

「16時間何も食べなければ、好きなものを食べてもやせる」。そんなうたい文句で人気になった16時間断食。1日のうち食べる時間を8時間に限り、残りの16時間は食べない、という方法です。

専門的には「時間制限食」と呼ばれ、動物実験では体に良い変化が報告されてきました。

では人間では、ふつうのダイエットより本当によくやせるのでしょうか。しっかりしたランダム化比較試験の結果を見てみましょう。

011年間の試験:「食べる時間を区切る」上乗せ効果は?

1年後の体重の減り方は、

  • 時間制限+カロリー制限:平均−8.0kg
  • カロリー制限だけ:平均−6.3kg

時間制限の方が少し多く減ったように見えますが、この差(約1.8kg)は統計的に意味のある差ではありませんでした。おなかまわりや体脂肪、血圧などでも、はっきりした違いは出ませんでした。

つまり、体重を減らしていたのは主に「カロリーを減らしたこと」であり、「食べる時間を区切ったこと」の上乗せ効果は確認できなかったのです。

0212週間の試験:体重はほとんど変わらず

食べる時間を区切っても、食べる量が同じなら結果はほぼ同じだった
食べる時間を区切っても、食べる量が同じなら結果はほぼ同じだった

アメリカでも2020年、過体重・肥満の成人116人を対象にした試験が行われました。

片方のグループは昼12時〜夜8時の間だけ自由に食べる(16時間断食)、もう片方は1日3食を決まった時間に食べるというルールで12週間過ごしました。こちらは、カロリーの制限はしていません。

結果、体重は16時間断食のグループで平均−0.94kg、3食のグループで平均−0.68kg。差はほとんどありませんでした。

さらに、詳しく体の組成を測った一部の参加者では、16時間断食のグループで筋肉などの「除脂肪量」が減っていたことも報告されています。体重が減っても、減ってほしくない筋肉が減ってしまう可能性があるのです。

03じゃあ16時間断食は意味がない?

そうとも言い切れません。2019年の総説では、断食によって体のエネルギー源が糖から脂肪に切り替わる「代謝スイッチ」などの仕組みが紹介され、動物では健康や寿命への良い影響が多く報告されています。

また、「夜遅くに食べない」「間食が減る」など、結果的に食べる量が減りやすい人にとっては、続けやすいダイエット法の一つになるかもしれません。

大事なのは、16時間断食が「特別にやせる魔法」ではないと知っておくことです。

04まとめ

16時間断食には、カロリーをそろえて比べると上乗せの効果は確認できなかった、というのが今の研究から言えることでした。時計の針より、お皿の中身の方が体重には効いているようです。

流行のダイエット法を試すときは、「何と比べて、どれくらい効いたのか」を確かめるクセをつけておくと安心です。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerSixteen-hour fasting, also called time-restricted eating, means eating only during an eight-hour window… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Sixteen-hour fasting, also called time-restricted eating, means eating only during an eight-hour window each day. But does it work better than an ordinary diet? In a one-year trial in China, 139 adults with obesity were divided into two groups. Both groups reduced their calories in the same way, but one group also ate only between 8 a.m. and 4 p.m. The time-restricted group lost 8.0 kg on average, while the other group lost 6.3 kg.

However, this difference was not statistically significant. In a 12-week trial in the US, 116 adults who ate only from noon to 8 p.m. lost almost the same weight as those who ate three regular meals. So how much you eat seems to matter more than when you eat.

124 words ・ CEFR B1

和訳を見る

16時間断食は「時間制限食」とも呼ばれ、毎日8時間の枠の中だけで食べる方法です。では、ふつうのダイエットよりよく効くのでしょうか。中国で行われた1年間の試験では、肥満の成人139人が2つのグループに分けられました。どちらのグループも同じようにカロリーを減らしましたが、片方はさらに朝8時から夕方4時の間だけ食べました。時間制限をしたグループは平均8.0kg、もう一方のグループは6.3kg体重が減りました。

しかし、この差は統計的に有意ではありませんでした。米国の12週間の試験でも、昼12時から夜8時の間だけ食べた成人116人は、1日3食を規則正しく食べた人たちとほぼ同じだけしか体重が減りませんでした。つまり、「いつ食べるか」より「どれだけ食べるか」のほうが大事なようです。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the main point of the passage?

Q2. What did both groups in the Chinese trial do?

Q3. What does "not statistically significant" suggest about the difference between 8.0 kg and 6.3 kg?

重要単語

  • fastingB2
    名詞断食Intermittent fasting has become very popular. fast(断食する)の名詞形。breakfast は「断食(fast)を破る(break)」が語源。
  • time-restricted eatingC1
    名詞(句)時間制限食Time-restricted eating limits when you eat, not what you eat. restrict(制限する)の過去分詞+eating。略して TRE と書かれることも多い。
  • calorie restrictionB2
    名詞(句)カロリー制限Calorie restriction is a common weight-loss method. restriction は restrict の名詞形。cut calories / reduce calories も同じ意味で使える。
  • lean massC1
    名詞(句)除脂肪量(筋肉など)Losing lean mass is not a good sign. lean は「脂肪の少ない、やせた」。lean meat(赤身の肉)でも使う。
  • randomizedC1
    形容詞無作為に割り付けたIt was a randomized clinical trial. random(無作為の)+-ize(~化する)。randomized controlled trial(RCT)は信頼度の高い研究デザインの代表。
  • significantB2
    形容詞(統計的に)有意な、重要なThe difference was not statistically significant. statistically significant=偶然とは言いにくい差。日常では「かなりの、重要な」の意味で入試頻出。

動画でもっと知る

流行りの「16時間断食」。中国の肥満の人139人を1年追った試験では、同じカロリー制限をした場合、食べる時間を8時間に区切っても体重の減り方に大きな差はなかったらしい。米国の試験でも効果ははっきりせず。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Liu D et al. (2022) Calorie Restriction with or without Time-Restricted Eating in Weight Loss, New England Journal of Medicinedoi.org
  2. Lowe DA et al. (2020) Effects of Time-Restricted Eating on Weight Loss and Other Metabolic Parameters in Women and Men With Overweight and Obesity: The TREAT Randomized Clinical Trial, JAMA Internal Medicinedoi.org
  3. de Cabo R, Mattson MP (2019) Effects of Intermittent Fasting on Health, Aging, and Disease, New England Journal of Medicinedoi.org