精読(1文ずつ構造を見抜く)
Intensive Reading
3秒でわかる短い文章を、文の仕組みまで分解して読む

短い文章を1文ずつ、主語・動詞・修飾のつながりまで確かめながら読む方法です。多読が「たくさん、楽に」読むのに対して、精読は「少しを、深く」読みます。どちらか一方ではなく、精読で読めるようになった文の形を、多読で何度も目にして定着させる、という組み合わせで使うと効果が出ます。
たとえるなら
料理の上達には、1品のレシピを細かく分解して作る日と、いろいろな料理をたくさん食べる日の両方が必要です。精読はレシピの分解、多読はたくさん食べること。片方だけでは料理上手になれません。

目から鱗・知ってた?
精読は学習時間の4分の1まで、の根拠は?
Paul Nation の「4つの柱(four strands)」です。インプット、アウトプット、言語そのものの学習、流ちょうさの練習に、時間をおよそ均等に分けるよう勧めています。精読は言語そのものの学習に入るので、全体の4分の1が一つの目安になります。
その思い込み、実は…
カードをタップすると答えが出ます精読は古いやり方で、もう要らない
Paul Nation の4つの柱では、言語そのものに目を向ける学習は、全体の4分の1ほどを占めるべきだとされています。問題は精読そのものではなく、精読だけで読む量が足りないことです。
精読とは全文を日本語に訳すこと
訳すことが目的ではありません。主語と動詞を見つけ、どこがどこを説明しているかを見抜くことが目的です。構造がつかめたら、日本語にせず英語の語順のまま意味をとれるか確かめてください。
なぜ効く?
語彙研究者の Paul Nation は2007年の論文で、学習の時間を「意味を重視したインプット」「意味を重視したアウトプット」「言語そのものに目を向けた学習」「流ちょうさの練習」の4つに、およそ均等に分けるべきだと論じました(four strands)。精読は3つ目、多読は1つ目にあたります。片方だけでは足りないという考え方です。
やり方
- 100〜200語くらいの、少し難しいと感じる文章を1つ選ぶ
- 1文ごとに主語と動詞に印をつけ、修飾している部分をかっこでくくる
- わからない単語と文法をすべて調べ、なぜその形なのかを一言でメモする
- 日本語に訳さず、文の意味を頭の中で絵や流れとして説明できるか確かめる
- 音声があれば聞き、同じ文章を3回音読して仕上げる
動画で見て、まねする
使い方:講義の英文を、説明を聞く前に一時停止して自分で主語・動詞に印をつけます。そのあと解説を聞き、自分の分析と違った所を赤で直します。
使い方:5文型の大切さを確認したら、教科書の英文を3つ選んで、それぞれの文型をSVOCで書きこみます。迷った文だけ動画を見返します。
使い方:長文に出る構文10個を1つずつ止めて、例文をノートに写します。手持ちの長文で同じ構文を探し、見つけたら印をつけて訳します。
使い方:長時間の講座なので、1テーマずつ区切って見ます。各テーマの英文をまず自分で訳してから解説を聞き、構造のとらえ方の違いをメモします。
レベル別のやり方
中学の教科書の本文を1段落選び、すべての文の主語と動詞に印をつけてから、意味を確かめて読む
入試や検定の長文から1段落を選び、修飾部分をかっこでくくって、文の構造を自分の言葉で説明する
英字新聞の社説の1段落を精読し、筆者の主張を支える文の形や言い回しを書き出して、その効果を分析する

今日の5分チャレンジ
少し難しい英文を5文だけ選び、すべての文の主語に○、動詞に□をつけましょう。5分で終わらなければ、次はもっと短い文章にします。
できたかチェック
日本人の落とし穴
日本の学校の英語は精読が中心なので、「精読しかやっていない」人が多いのが特徴です。その場合は精読の量を減らし、多読を足すのが近道です。反対に、多読だけで雰囲気読みになっている人は、週に1回の精読で、なんとなく読み飛ばしていた文の形がはっきり見えるようになります。
よくある失敗
- 精読した文章を全部和訳して満足し、英語のまま理解する練習にならない
- 長い文章を精読しようとして時間がかかりすぎ、1回で嫌になる
- 精読だけを続けて、読む量がまったく増えない
立場別メニュー
| 中学生 | 教科書の本文1ページを、主語と動詞に印をつけながら読む |
| 高校生 | 入試の長文から難しい1段落だけを選び、全文の構造を書き出す |
| 大学生 | 専門書の大事な1ページだけを精読し、残りは多読でざっと読む |
| 社会人 | 英文メールや契約書の大事な段落だけを精読する習慣をつける |
| 大人のやり直し | 好きな洋楽の歌詞を1曲、1文ずつ文法を確かめながら読む |