ディクトグロス(聞いて文章を再現)
Dictogloss
3秒でわかる聞いた英文をメモから再現し、文法の穴を見つける

短い英文をふつうの速さで1〜2回聞き、キーワードをメモしてから、もとの文章をできるだけ正確に自分で書き直す練習です。全部を書き取るディクテーションと違い、聞き取れなかった部分は文法の知識で補って組み立てます。最後にもとの文章と比べると、自分に足りない文法や表現がはっきりわかります。
たとえるなら
一度見た家を思い出して模型を作ると、窓の数や屋根の形など、見たつもりで見ていなかったところに気づきます。ディクトグロスは英文の模型づくり。組み立ててみると、自分の英語の抜けがわかります。

目から鱗・知ってた?
全部を書き取らないほうが、力がつくこともある?
ねらいによってはそうです。ディクトグロスでは、ふつうの速さの英文をキーワードだけメモして、あとから文章を組み立て直します。書き取れない部分を文法で補う必要があるので、自分の英語と手本の違いに気づきやすくなります。
その思い込み、実は…
カードをタップすると答えが出ます一字一句書き取れないなら練習にならない
一字一句書き取る必要はありません。ディクトグロスは、聞き取れなかった部分を文法と内容の知識で補うことが目的です。全部を書き取るディクテーションとは、ねらいが違う練習です。
リスニングだけの練習だ
聞く力も使いますが、中心は書いて組み立てる力です。自分の文と手本を比べることで、冠詞や時制など、ふだん気づかない文法の抜けが見つかります。書く力と文法の練習でもあります。
なぜ効く?
教師トレーナーの Ruth Wajnryb が、1990年の著書『Grammar Dictation』(Oxford University Press)で体系的に紹介した教室活動です。聞いた内容を組み立て直す過程で、自分の英語と手本の違いに気づくことが、文法の学習につながると考えられています。もともとはペアやグループで行う活動ですが、1人でも応用できます。
やり方
- 1分以内の、スクリプトつきの英文音声を選ぶ(5〜8文くらい)
- 1回目は何も書かずに聞いて、内容をつかむ
- 2回目は、キーワード(名詞・動詞・数字)だけをメモする
- メモを見ながら、もとの文章をできるだけ正確に書き直す。わからない部分は文法で補う
- スクリプトと比べ、冠詞・時制・前置詞など違っていたところに色をつける
動画で見て、まねする
使い方:ゆっくりした短いニュースを1回聞き、キーワードを5つだけメモします。もう1回聞いたら、メモをもとに内容を英文で書き直し、字幕と比べます。
使い方:短いニュース映像の部分だけを2回聞いてキーワードをメモし、英文を再現します。そのあとの語句の解説を聞いて、自分の文に足りなかった語を直します。
使い方:教育の話題のレポートを使います。最初の30秒ほどを2回聞いてメモを取り、文章を書き直したら、英語字幕で文法の違いを確かめます。
レベル別のやり方
ゆっくりした音声から2〜3文を選び、キーワードをメモしてから、もとの文を書いて再現する
5〜8文の英文を2回聞いて再現し、冠詞・時制・前置詞の違いに色をつけて原因を確かめる
ふつうの速さのニュースを1回だけ聞いて再現し、自分の文と原文の言い回しの差を分析する

今日の5分チャレンジ
1分以内の英文音声を2回聞き、キーワードを10語メモしましょう。メモだけを見て文章を再現し、スクリプトと比べて違いを3つ見つけます。
できたかチェック
日本人の落とし穴
日本人は、聞き取れなかった部分を空欄のまま残しがちです。ディクトグロスでは、「この流れなら過去形のはず」「名詞の前には a か the がいるはず」と、文法を使って補うことが求められます。日本人がつまずきやすい冠詞や複数形の s が、自分の書いた文から消えていることに気づけます。
よくある失敗
- 長すぎる音声を選び、メモが追いつかず何も書けない
- メモで全文を書き取ろうとして、ふつうのディクテーションになる
- 答え合わせで内容が合っていればよしとし、文法の違いを見ない
立場別メニュー
| 中学生 | 教科書の本文音声を聞き、3文だけキーワードのメモから再現する |
| 高校生 | 英検やリスニング問題の短い音声を使い、文章を再現してから比べる |
| 大学生 | TED-Ed の短い部分を聞いて段落を再現し、文法の差を確かめる |
| 社会人 | ビジネス英語の短い会話を聞き、議事録のように再現して比べる |
| 大人のやり直し | VOA のゆっくりしたニュースを、1段落だけ再現してみる |