ディクテーション
Dictation
3秒でわかる聞こえた音を、一字一句書き取る

英語の音声を聞いて、聞こえたとおりに一字一句書き取る練習です。書いたものとスクリプトを比べると、自分が聞き落としている音が目に見える形で浮かび上がります。時間はかかりますが、リスニングの弱点を正確に見つけるには、これ以上の方法はなかなかありません。
たとえるなら
健康診断のレントゲンのような練習です。ふだんは見えない体の中が、写真にするとはっきり見えます。ディクテーションも、なんとなく聞いていては気づかない「聞こえていない音」を、紙の上にくっきり写し出します。

目から鱗・知ってた?
いちばん書き落としやすい単語は?
書き取りで抜けやすいのは、難しい単語より a、the、of、to、and のような短い単語です。英語ではこうした語が弱く短く発音されることが多く、of が「ア」、and が「ン」くらいにしか聞こえない場面もあります。抜けた小さな単語こそ、耳をきたえる宝の山です。
その思い込み、実は…
カードをタップすると答えが出ます聞き取れないのは単語を知らないから
書き取ると、知っている単語なのに書けなかった所が多いことに気づきます。原因は語彙ではなく、音がつながったり弱くなったりして、単語の切れ目が見えないことです。John Field も、この切れ目を見つける段階を学習者のつまずきとして挙げています。
長い音声を書き取るほど力がつく
長い音声は、途中で疲れて雑になりがちです。15〜30秒の短い音声を、すべて書けるまでていねいに聞くほうが、弱点がはっきり見えます。量をこなすのは多聴の役目で、ディクテーションは精密検査の役目だと考えてください。
なぜ効く?
リスニング研究者の John Field は、学習者のつまずきの多くが、音の流れから単語の切れ目を見つける段階で起きていると論じています。ディクテーションはその段階を点検する練習です。効果の検証は小規模な研究が中心で、弱点発見の道具として使うのが現実的です。
やり方
- Daily Dictation などで、15〜30秒の短い音声を選ぶ
- 1文ずつ止めて、最大3回まで聞いて書き取る
- スクリプトと見比べ、間違えた箇所に色をつける
- 間違いを「知らない単語」「音のつながり」「弱く読まれた語」に分類する
- 最後に音声を流しながら、その文を3回声に出して読む
動画で見て、まねする
使い方:ゆっくりした会話なので、ディクテーションの最初の素材に向いています。1文ずつ止めて書き取り、英語字幕で答え合わせし、聞き落とした語に色をつけます。
使い方:最初の1分だけを使い、1文ずつ止めて書き取ります。3回聞いても書けない所は空欄のまま残し、英語字幕で確かめて、なぜ聞こえなかったかを1行メモします。
使い方:書き取りで聞き落とした音の正体を知るために見ます。音のつながりや弱く読まれる語の説明をメモし、自分のディクテーションの間違いと見比べます。
使い方:先生向けの回ですが、一人でもまねできる書き取りの工夫が見つかります。気に入った方法を1つ選び、明日の教材の音声で試してみます。
レベル別のやり方
ESL Lab の初級など、ゆっくりした10秒ほどの音声で、1文ずつ止めながら書き取ります。
Daily Dictation で毎日1本、15〜30秒の音声を書き取り、抜けた語の傾向をノートに記録します。
ELLLO の自然な会話を書き取り、つながる音や消える音のパターンを、自分の言葉で説明できるようにします。

今日の5分チャレンジ
Daily Dictation で15秒の音声を1本選び、何回聞いてもよいので全文を書き取ります。スクリプトと比べ、書けなかった語を「知らない語」と「知っていたのに聞こえない語」に分けます。
できたかチェック
日本人の落とし穴
日本人の書き取りでは、冠詞の a や the、複数形の s、過去形の ed が抜けるパターンが目立ちます。日本語にない音や、弱く短く読まれる部分です。間違えた箇所を見て「単語を知らなかった」のか「知っていたのに聞こえなかった」のかを分けると、次にやるべき練習がはっきりします。
よくある失敗
- 長い音声を選び、1本終えるのに1時間かかって続かない
- 何十回も聞き直し、結局スクリプトを見ているのと変わらない
- 答え合わせだけして、間違いの原因を分析しない
立場別メニュー
| 中学生 | 教科書の音声から1日2文だけ書き取る |
| 高校生 | 英検リスニングの短い会話を1日1本書き取る |
| 大学生 | Daily Dictation で1日5文。間違いを種類別にメモ |
| 社会人 | TOEIC Part 2 の音声を1日5問分書き取る |
| 大人のやり直し | ゆっくりの音声で1文だけ。書けたら声に出して読む |